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9 農業協同組合による生産部会の会員区分に基づく異なる販売方法の設定等

 農業協同組合の組合員で構成される農産物の生産部会が,農産物の品質向上の取組を実施するか否かで会員区分を違えること,また,当該農業協同組合が,当該取組を実施する当該生産部会の会員が生産する農産物を販売単価が高い取引先事業者に販売し,その他の会員が生産する農産物を卸売市場において競りの方法により販売することについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例 

1 相談者

  X協同組合(農業協同組合)
 Y生産部会(X協同組合の組合員の団体)

2 相談の要旨

⑴ X協同組合は,甲地域における農業者で組織する農業協同組合であり,農産物αの共同販売事業を行っている。
 Y生産部会は,農産物αを生産するX協同組合の組合員を会員とする団体であり,農産物αの安定生産,品質向上等の取組を行っている。X協同組合に農産物αを出荷している組合員は,全てY生産部会の会員である。

⑵ア X協同組合は,Y生産部会の会員から出荷された農産物αについて,卸売市場において競りの方法により仲卸業者等に販売しているほか,農産物αを原材料とする加工食品の製造業者(以下「加工業者」という。)と相対取引に係る契約(以下「取引契約」という。)を締結し,加工業者に対し一定数量を継続的に販売している。加工業者に対する販売数量及び卸売市場における競りによる販売数量は,いずれも約50パーセントである。
 イ 農産物αの販売単価は,加工業者向けの方が卸売市場における競りよりも高く,かつ,安定している。このため,X協同組合は,選果場において品質等の仕分け作業を行った上で,良質な農産物α(以下「良質品」という。)を加工業者に販売し,良質品以外の農産物α(以下「一般品」という。)を卸売市場で販売するようにしている。

⑶Y生産部会の会員からの良質品の出荷数量が減少し,良質品のみで加工業者との取引契約で定めた数量を確保することができない場合が多くなったため,X協同組合は,加工業者に対し,良質品のほか,一般品も含めて販売せざるを得なくなった。そのため,X協同組合は,複数の加工業者から,購入した農産物αの品質が購入単価に見合っていないので品質を向上させてほしいとの要請を受けた。
 農産物αの品質を向上させるためには,栽培期における適切な剪定及び害虫駆除,出荷期の選別の実施,栽培方法に係る講習会の受講等の取組(以下「品質向上の取組」という。)を実施することが必要になる。
 品質向上の取組は,剪定,害虫駆除等の農産物αの一般的な栽培方法を確実に実施するというものであり,特殊な栽培技術や生産資材が必要なものではなく,特に難度が高いものではない。しかし,Y生産部会の会員の中には,高齢等の理由により,品質向上の取組を実施することが困難な者もいる。
 
⑷そこで,X協同組合及びY生産部会は,良質品を安定して加工業者へ販売できるようにするため,共同して次のような取組を行うことを検討している。
 ア Y生産部会は,会員に対して品質向上の取組を実施する意思があるかどうかを確認し,実施すると回答した者を「特定会員」とし,実施しないと回答した者を「一般会員」とする。一旦一般会員となった者であっても,品質向上の取組を実施する意思を改めて表明すれば,特定会員となることができる。
   Y生産部会が会員から徴収する会費等の額については,特定会員と一般会員との間で大きく異なることはない。また,一般会員になったとしても,農産物αの生産・出荷に制約が課されることはない。
   なお,特定会員及び一般会員は,いずれも,生産した農産物αについて,X協同組合に出荷する義務はなく,取引先を自由に選択することができる。
 イ X協同組合は,特定会員が生産する農産物α(以下「特定会員生産品」という。)については加工業者に,一般会員が生産する農産物α(以下「一般会員生産品」という。)については卸売市場において競りの方法により,それぞれ販売することとする。
 このようなX協同組合及びY生産部会の取組(以下「本件取組」という。)は,独占禁止法上問題となるか。
 

〇本件取組の概要図

3 独占禁止法上の考え方

⑴Y生産部会による品質向上の取組の実施の有無を基準とする会員の区別
 ア 事業者団体による自主規制等(事業者団体が,正当と考える目的に基づいて,事業者の営業の種類,内容,方法等に関する自主的な基準・規約等を設定し,その周知・普及促進を行い,又はその利用・遵守を申し合わせ,若しくは指示・要請する等の活動をいう。以下同じ。)の活動については,独占禁止法上の問題を特段生じないものも多い。
   一方,事業者団体の活動の内容,態様等によっては,多様な営業の種類,内容,方法等を需要者に提供する競争を阻害することとなる場合もあり,独占禁止法第8条第3号(一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限することの禁止),第4号(構成事業者の機能又は活動を不当に制限することの禁止)等の規定に違反するかどうかが問題となる。このような自主規制等の活動に係る競争阻害性の有無については
  ・ 競争手段を制限し需要者の利益を不当に害するものではないか
  及び
  ・ 事業者間で不当に差別的なものではないか
  の判断基準に照らし
  ・ 社会公共的な目的等正当な目的に基づいて合理的に必要とされる範囲内のものか
  の要素を勘案しつつ,判断される。
   また,自主規制等の利用・遵守については,構成事業者の任意の判断に委ねられるべきであって,事業者団体が自主規制等の利用・遵守を構成事業者に強制することは,一般的には独占禁止法上問題となるおそれがある(事業者団体ガイドライン第2-8⑵〔自主規制等〕)。
 イ Y生産部会による品質向上の取組の実施の有無を基準とする会員の区別は
  (ア) 販売単価が高い加工業者向けの農産物αについて,対価に見合った品質のものを供給するために,その品質の向上を図ることを目的としており,当該目的は正当なものである
  (イ) 品質向上の取組は,剪定,害虫駆除等の農産物αの一般的な栽培方法を確実に実施するというものであり,特殊な栽培技術や生産資材が必要なものではなく,これを実施することによって,会員の競争手段を制限したり,農産物αの需要者である加工業者等の利益を害したりすることにはならない
  (ウ) Y生産部会は,品質向上の取組の実施の有無によって特定会員と一般会員に区別するにすぎず,一般会員に対して農産物αの生産・出荷に制約を課すことはないので,特定会員と一般会員の間で不当な差別を生じさせることはない
  (エ) Y生産部会の会員は,品質向上の取組を実施するかどうかを自主的に決定することにより,特定会員又は一般会員のいずれになるかを任意に選択することができる
  ことを勘案すれば,競争阻害性は認められない。
 ウ したがって,Y生産部会による品質向上の取組の実施の有無を基準とする会員の区別は,独占禁止法上問題となるものではない。
 
⑵X協同組合による農産物αの販売先に係る差別取扱い
 ア 農業協同組合は,一定の要件を満たしている場合には,原則として独占禁止法の適用が除外されるが,不公正な取引方法を用いる場合等には,適用除外とはならない(独占禁止法第22条)。
   事業者が,不当に,ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取扱いをすることは,不公正な取引方法(一般指定第4項〔取引条件等の差別取扱い〕)に該当し,独占禁止法上問題となる(独占禁止法第19条)。
   取引条件等の差別取扱いは,取引条件等に差があること自体が問題となるのではなく,公正な競争秩序に悪影響を及ぼすおそれがある場合に問題となるものである。すなわち,取引条件等に差を設けることを通じて市場における競争(行為者とその競争者との競争,差を設けられることによってその事業活動において競争上の影響を受ける者の間における競争)を減殺するおそれがあるかどうかが独占禁止法違反の判断における論点となる。
 イ X協同組合が特定会員生産品を販売単価が高い加工業者に販売する一方で,一般会員生産品を卸売市場において競りの方法により販売することは,特定会員と一般会員との間で取引条件に差を設けるものであるが
  (ア) その差異は,農産物αの品質に着目した合理的な差別であること
  (イ) 品質向上の取組は特に難度が高いものではなく,Y生産部会の会員は特定会員又は一般会員のいずれになるかを任意に選択することができること
  等に鑑みれば,特定会員と一般会員の間の競争秩序に悪影響を及ぼすおそれがあるとは認められない。
 ウ したがって,X協同組合が特定会員生産品を販売単価が高い加工業者に販売する一方で,一般会員生産品を卸売市場において競りの方法により販売する行為は,取引条件等の差別取扱いとして独占禁止法上問題となるものではない。

4 回答

 本件取組は,独占禁止法上問題となるものではない。

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