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(令和2年6月24日)令和元年度における九州地区の消費税転嫁対策の取組について

令和2年6月24日
公正取引委員会事務総局
九州事務所

はじめに

 公正取引委員会は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきたところである。
 九州事務所においても,転嫁拒否行為に対して迅速かつ厳正に対処することを目的として,「消費税転嫁対策調査室」を設置し,九州事務所管内(福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県及び鹿児島県)において消費税転嫁対策に係る取組を実施してきたところ,令和元年度における管内の取組状況は以下のとおりである。

第1 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

1 措置件数

 管内においては,令和元年度は,転嫁拒否行為に対して,53件の指導を行っている(表1参照。消費税転嫁対策特別措置法施行後の措置件数の推移については,参考参照)。主な指導の概要は別紙のとおりである。
 

表1:措置件数 [単位:件]
年 度 令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 九州地区 全国 九州地区 全国 九州地区
措 置 指 導 743 53 295 30 3,159 291
《18》 《2》 《16》 《2》 《174》 《28》
勧 告 6 0 5 0 54 4
《0》 《0》 《3》 《0》 《11》 《3》
違反事実なし 130 5 107 10 1,536 55

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。また,全国の件数には,九州地区の件数を含む(以下同じ)。
(注2) 《 》内の件数は,大規模小売事業者に対する勧告又は指導を行った事件の件数(措置件数)で内数である。

2 措置件数の業種別内訳

 令和元年度の措置件数(勧告又は指導を行った事件の件数をいう。以下同じ。)について措置の対象となった特定事業者(注1)の業種別で分類すると,管内においては,小売業が8件(15.1%)と最も多く,以下,建設業が6件(11.3%)とこれに続いている(表2参照)。
(注1) 特定事業者とは,①大規模小売事業者,②特定供給事業者(注2)から継続して商品又は役務の供給を受ける法人事業者である。
(注2) 特定供給事業者とは,①大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者,②資本金等の額が3億円以下である事業者,個人事業者等である。
 

表2:措置件数の内訳(業種別) [単位:件(%)]
業種 令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 九州地区 全国 九州地区 全国 九州地区
建設業 86(11.5) 6(11.3) 48(16.0) 8(26.7) 374(11.6) 44(14.9)
製造業 107(14.3) 4( 7.5) 78(26.0) 9(30.0) 739(23.0) 53(18.0)
情報通信業 55( 7.3) 3( 5.7) 18( 6.0) 0( 0.0) 271( 8.4) 16( 5.4)
運輸業 26( 3.5) 3( 5.7) 13( 4.3) 1( 3.3) 170( 5.3) 14( 4.7)
卸売業 57( 7.6) 2( 3.8) 17( 5.7) 0( 0.0) 231( 7.2) 18( 6.1)
小売業 85(11.3) 8(15.1) 39(13.0) 5(16.7) 369(11.5) 52(17.6)
不動産業 69( 9.2) 4( 7.5) 19( 6.3) 1( 3.3) 180( 5.6) 14( 4.7)
技術サービス業 19( 2.5) 0( 0.0) 11( 3.7) 1( 3.3) 144( 4.5) 8( 2.7)
学校教育・教育支援業 14( 1.9) 0( 0.0) 6( 2.0) 0( 0.0) 70( 2.2) 8( 2.7)
その他 231(30.8) 23(43.4) 51(17.0) 5(16.7) 665(20.7) 68(23.1)
合計 749( 100) 53( 100) 300( 100) 30( 100) 3,213( 100) 295( 100)

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。
(注2) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主たる業種により分類している。「その他」は娯楽業,金融・保険業,医療福祉等である。
(注3) ( )内の数値は合計値に占める割合であり,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

3 措置件数の行為類型別内訳

 令和元年度の措置件数について行為類型別で分類すると,管内においては,買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が48件(77.4%)と最も多い(表3参照)。
 

表3:措置件数の内訳(行為類型別) [単位:件(%)]
行為類型 令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 九州地区 全国 九州地区 全国 九州地区
減額 218(23.5) 11(17.7) 23( 7.2) 1( 3.2) 350(10.0) 20( 6.3)
買いたたき 668(72.0) 48(77.4) 295(92.2) 30(96.8) 2,799(80.2) 272(86.3)
役務利用又は利益提供の要請 21( 2.3) 2( 3.2) 0( 0.0) 0( 0.0) 70( 2.0) 10( 3.2)
本体価格での交渉の拒否 21( 2.3) 1( 1.6) 2( 0.6) 0( 0.0) 272( 7.8) 13( 4.1)
合計 928( 100) 62( 100) 320( 100) 31( 100) 3,491( 100) 315( 100)

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。
(注2) 事業者の中には,複数の行為を行っている場合があり,「合計」の件数は,表1及び表2に記載の件数とは必ずしも一致しない。
(注3) ( )内の数値は合計値に占める割合であり,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

4 特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況

 令和元年度は,転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益について,管内において,特定事業者17名から,特定供給事業者66名に対し,総額1040万円の原状回復が行われた(表4参照。消費税転嫁対策特別措置法施行後の原状回復額の推移については,参考参照)。
 

表4:特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況
年 度 令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 九州地区 全国 九州地区 全国 九州地区
原状回復を行った特定事業者数 276名 17名 273名 33名 1,760名 192名
原状回復を受けた特定供給事業者数 68,951名 66名 45,072名 244名 230,011名 11,162名
原状回復額 38億2122万円 1040万円 8億1517万円 4395万円 74億6204万円 2億5765万円

 (注1) 平成26年4月から令和2年3月までの累計。
 (注2) 原状回復額は1万円未満を切り捨てている。

5 転嫁拒否行為等に関する相談件数

 転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置しており,当該相談窓口において,令和元年度は42件の相談に対応した(表5参照)。
 

表5:転嫁拒否行為等に関する相談件数 [単位:件]
  令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 2,102 493 8,578
九州地区 42 17 181

 (注1) 平成25年4月から令和2年3月までの累計。
 (注2) 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出に関する相談並びに情報提供を含む。
 

6 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査

 様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,管内においては,令和元年度は120名の事業者及び70の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した(表6参照)。
 

表6:事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査の実施件数 [単位:件]
年 度 令和元年度 平成30年度 累計(注)
事業者 事業者団体 事業者 事業者団体 事業者 事業者団体
全国 1,648 559 832 208 20,288 4,040
九州地区 120 70 5 4 2,378 472

(注) 平成25年度から令和元年度までの累計。
 

7 移動相談会

 事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,管内においては,令和元年度は移動相談会を16回実施した(表7参照)。
 

表7:移動相談会の実施回数 [単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計(注)
全国 85 50 388
九州地区 16 16 71

 (注) 平成25年度から令和元年度までの累計。
 

第2 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

1 公正取引委員会主催説明会

 消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,公正取引委員会主催の説明会を実施しており,管内においては,令和元年度は16回実施した(表8参照)。
 

表8:公正取引委員会主催説明会の実施回数 [単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計(注)
全国 74 50 323
九州地区 16 16 59

 (注) 平成25年度から令和元年度までの累計。
 

2 講師派遣

 管内で開催された,商工会議所,商工会及び事業者団体等が開催する説明会等に,令和元年度は,公正取引委員会の職員を講師として5回派遣した(表9参照)。
 

表9:講師の派遣回数 [単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計(注)
全国 59 20 637
九州地区 5 3 46

 (注) 平成25年度から令和元年度までの累計。
 

第3 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出

 消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)の届出並びに届出書の記載方法等に関する相談を受け付けているところ,管内においては,令和元年度はいずれもなかった。
 なお,令和2年3月末までに,管内において,転嫁カルテル5件,表示カルテル7件の合計12件の届出を受理し,このほか届出書の記載方法等に関して,33件の相談に対応した。

参考

 九州地区における消費税転嫁対策特別措置法施行後の措置件数(勧告又は指導の件数)及び原状回復額の推移


 ※  原状回復額は1万円未満を切り捨てている。
 ※  平成25年度は平成25年10月から平成26年3月までの措置件数。

別紙

主な指導事例(平成31年4月~令和2年3月)


1 減額(第3条第1号前段)

① 建設業を営むA社は,残土等の運搬業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,委託代金を消費税込みで定めているところ,消費税相当額を減じて支払っていた。
 
② 陶磁器の製造業を営むB社は,陶磁器の加工を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,委託代金を本体価格で定めているところ,令和元年10月1日以後も本体価格に旧税率(8%)を適用して支払うことにより,本体価格に新税率(10%)を適用した消費税込みの金額から,減じていた。
 
③ C農業協同組合は,葬祭用マイクロバス等の運行業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,委託代金を本体価格で定めているところ,本体価格に消費税相当額を上乗せせずに支払うことにより,消費税相当額を減じていた。

 
2 買いたたき(第3条第1号後段)

① 造船業を営むD社は,新造船の海上試運転業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
② 機械器具設置工事業を営むE社は,機械器具設置業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
③ 事業サービス業を営むF社は,ISO規格適合性審査業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
④ 船舶貸渡業を営むG社は,社内の清掃業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
⑤ 製造業を営むH社は,自らが管理しているコインパーキングの保守を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,令和元年10月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。

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問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局 九州事務所
消費税転嫁対策調査室 電話092-437-2756(直通)(第1及び第2関係)
経済取引指導官    電話092-431-5882(直通)(第3関係)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/regional_office/kyusyu

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