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(令和3年1月29日)株式会社山陽マルナカに対する審決について(食品,日用雑貨品,衣料品等の小売業者による優越的地位の濫用事件)

令和3年1月29日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人株式会社山陽マルナカ(以下「被審人」という。)に対し,平成23年10月19日,審判手続を開始し,平成31年2月20日,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項及び第3項の規定に基づき,平成23年6月22日付けの排除措置命令(平成23年(措)第5号。以下「本件排除措置命令」という。)を変更するとともに,同日付けの課徴金納付命令(平成23年(納)第87号。以下「本件課徴金納付命令」という。)の一部を取り消し,その余の審判請求をいずれも棄却する旨の審決(以下「第1次審決」という。)を行った。これに対し,被審人は,同年3月22日,審決取消訴訟を東京高等裁判所に提起したところ,令和2年12月11日,同裁判所は第1次審決(審判請求排斥部分)を取り消す旨の判決をし,同月25日の経過をもって同判決は確定した。
 当委員会は,独占禁止法第82条第2項の規定に基づき,上記判決の趣旨に従い,改めて,令和3年1月27日,本件排除措置命令及び本件課徴金納付命令(以下「本件各命令」という。)の全部を取り消す旨の審決を行った(本件令和3年1月27日付けの平成23年(判)第82号及び第83号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。なお,公表する審決書においては,個人を特定する情報等に配慮し,マスキングの措置を施している。)。

1 被審人の概要

事業者名 本店所在地

株式会社山陽マルナカ
法人番号8260001002730

岡山市南区平福一丁目305番地の2

2 被審人の審判請求の趣旨

  後記3の「主文の内容」と同旨

3 主文の内容

⑴ 第1次審決(注1)による変更後の平成23年6月22日付け排除措置命令(平成23年(措)第5号)を取り消す。
⑵ 平成23年6月22日付け課徴金納付命令(平成23年(納)第87号)のうち,第1次審決(注1)において被審人の審判請求を棄却した部分を取り消す。

 (注1) 第1次審決により,既に平成23年6月22日付け排除措置命令(平成23年(措)第5号。すなわち本件排除措置命令)は変更され,同日付け課徴金納付命令(平成23年(納)第87号。すなわち本件課徴金納付命令)は一部取り消されており,これらの変更により排除措置命令から除外された部分及び課徴金納付命令の取消部分は確定しているから,上記の主文によって,本件排除措置命令及び本件課徴金納付命令の全部が取り消されることになる。

4 本件の経緯

平成23年
6月22日 本件各命令
8月17日 被審人から本件各命令に対して審判請求
10月19日 審判手続開始
11月30日 第1回審判

平成28年
2月16日 第14回審判(審判手続終結)
平成30年
1月23日 審決案送達
2月5日 被審人から審決案に対する異議の申立て及び委員会に対する直接陳述の申出
4月17日 直接陳述の聴取
平成31年
2月20日 第1次審決(本件排除措置命令の変更及び本件課徴金命令の一部取消し)
3月22日 被審人から審決(審判請求排斥部分)取消請求訴訟提起
令和元年
9月13日 第1回口頭弁論

令和2年
9月25日 第3回口頭弁論(弁論終結)
12月11日 判決言渡し(第1次審決のうち主文第1項及び第3項〔審判請求排斥部分〕の取消し)
12月25日 同日の経過により上記判決の確定
令和3年
1月27日 審決(本件各命令の全部取消し)

5 原処分の原因となる事実

 被審人は,遅くとも平成19年1月から平成22年5月18日までの間,自己の取引上の地位が「特定納入業者」(注2)に優越していることを利用して,特定納入業者に対し,正常な商慣習に照らして不当に,①新規開店,全面改装,棚替え等に際し,特定納入業者の従業員等を派遣させ,②新規開店又は自社が主催する催事等の実施に際し,金銭を提供させ,③食品課商品(注3)のうち,被審人が独自に定めた販売期限を経過したものを返品し,④食品課商品のうち季節商品の販売時期の終了等に伴う商品の入替えを理由として割引販売を行うこととしたもの及び食品課商品又は日配品課商品(注4)のうち全面改装に伴う在庫整理を理由として割引販売を行うこととしたものについて,取引の対価の額を減じ,⑤クリスマスケーキ等のクリスマス関連商品を購入させていたものであって,以上の行為(以下「本件各行為」という。)は独占禁止法第2条第9項第5号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律〔平成21年法律第51号。以下「改正法」という。〕の施行日である平成22年1月1日前においては平成21年公正取引委員会告示第18号による改正前の不公正な取引方法〔昭和57年公正取引委員会告示第15号〕〔以下「旧一般指定」という。〕第14項)に該当し,独占禁止法第19条に違反するものである(以下,原処分で認定された違反行為を「本件違反行為」という。)。独占禁止法第20条の6の規定により,本件違反行為期間は平成19年5月19日から平成22年5月18日までの3年間であり,本件違反行為のうち改正法の施行日である同年1月1日以後に係るものについて,被審人の特定納入業者165社それぞれからの購入額(合計額は222億1605万4358円)を前提に算出された課徴金の額は2億2216万円(注5)である。 
 
(注2) 「特定納入業者」とは,納入業者(被審人が自ら販売する商品を,被審人に直接販売して納入する事業者のうち,被審人と継続的な取引関係にある者をいう。以下同じ。)のうち取引上の地位が被審人に対して劣っている者をいう。
(注3) 「食品課商品」とは,被審人の食品課が取り扱っている調味料等の商品をいう。
(注4) 「日配品課商品」とは,被審人の日配品課が取り扱っている牛乳等の商品をいう。
(注5) 第1次審決により,1億7839万円を超えて納付を命じた部分は取り消されている。

6 審決の概要

⑴ 本件排除措置命令書における理由の記載の不備に関する判断
ア 独占禁止法第49条第1項が,排除措置命令書に「公正取引委員会の認定した事実及びこれに対する法令の適用」を示さなければならないとしているのは,排除措置命令が,その名宛人に対して当該命令の主文に従った排除措置の履行義務を課すなど名宛人の事業活動の自由等を制限するものであることに鑑み,公正取引委員会の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,排除措置命令の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えるためのものと解される。このような排除措置命令の性質及び排除措置命令書に上記の記載が必要とされる趣旨に鑑みれば,排除措置命令書に記載すべき理由の内容及び程度は,特段の理由がない限り,いかなる事実関係に基づき排除措置が命じられたのかを,名宛人においてその記載自体から了知し得るものでなければならない(最高裁判所昭和49年4月25日第一小法廷判決・民集28巻3号405頁,同昭和60年1月22日第三小法廷判決・民集39巻1号1頁等参照)。
イ これを本件についてみると,本件排除措置命令書には,排除措置命令の理由として,特定納入業者に該当するかの考慮要素及び被審人が特定納入業者に対して具体的にいかなる態様の行為をどの程度行ったのかという,命令の原因となる事実と,被審人が自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に,①継続して取引する相手方に対して,当該取引に係る商品以外の商品を購入させ,②継続して取引する相手方に対して,自己のために金銭又は役務を提供させ,③取引の相手方から取引に係る商品を受領した後に当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ,又は取引の相手方に対して取引の額を減じていたものであって,この行為が独占禁止法第2条第9項第5号(改正法の施行前においては旧一般指定第14項)に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するなどという,命令の根拠法条は示されているが,上記の行為の相手方である納入業者については,「特定納入業者」と定義されているにとどまり,これらの商号が明示されていないなど,その記載上特定されているということはできない。そうすると,本件排除措置命令書の記載自体によって,その名宛人である被審人において,いずれの相手方に対する自己の行為が独占禁止法第2条第9項第5号又は旧一般指定第14項に該当する優越的地位の濫用との評価を受けたかを具体的に知ることはできず,いずれの相手方に対する行為を違反行為として甘受し,又は争うべきかを,的確に判断することが困難であって,被審人の不服申立ての便宜には適わないものといえる。このことからすれば,本件排除措置命令書における理由の記載には不備があったものというべきである。
ウ この点,本件各命令書(注6)が被審人に送達された際に,審査官が特定納入業者として主張する165社(ただし,自然人を含む。以下「本件165社」という。)の商号等の記載のある「課徴金算定対象事業者一覧表」と題する書面(以下「本件一覧表」という。)が同封されていた。
 しかしながら,本件各命令書の謄本の状況及び「送付資料一覧」と題する書面の記載に照らすと,本件一覧表は,本件各命令の一部を構成するものではなく,本件課徴金納付命令の「参考資料」と位置付けられている。このような本件各命令書の形式及び本件一覧表の位置付けに照らすと,名宛人である被審人や第三者からすれば,本件一覧表が「参考資料」として同封された趣旨が明らかでないほか,本件一覧表は本件各命令の発付に際して,公正取引委員会の委員長及び委員の合議(独占禁止法第69条)の結果を踏まえて作成されたものの,この点も外観上明らかでなく,本件一覧表が本件各命令書と一体のものであると評価することはできない。
 また,そこに掲げられている事業者が特定納入業者であることが明記されていないことに照らすと,本件一覧表と本件排除措置命令とが関連しているかは明らかではなく,本件一覧表に記載された事業者が特定納入業者であると評価することもできない。
 以上によれば,本件排除措置命令書の記載を本件一覧表で補充することはできず,その記載から,被審人の行為の相手方である特定納入業者が了知し得るものということはできない。これらによると,本件一覧表が送付されたことをもって,本件排除措置命令書における理由の記載に不備があったとの判断は左右されない。

(注6) 「本件各命令書」とは,本件排除措置命令書及び本件課徴金納付命令書をいう。

エ さらに,独占禁止法第49条第1項が同条第5項に基づく事前の手続を経た上でもなお排除措置命令書に理由の記載を要求していることに鑑みると,本件において事前手続が行われたことをもって,本件排除措置命令書における理由の記載の不備による瑕疵が治癒されると解することはできない。また,本件の事前手続においても,本件各命令書の案が送達された際,本件165社の商号等の記載のある「課徴金算定対象事業者一覧表」と題する書面(以下「本件事前通知一覧表」という。)が同封されていたが,この書類は,本件各命令書の送達時に同封されていた本件一覧表と同様,本件各命令書の案の一部を構成するものではなく,課徴金納付命令書の案の「参考資料」という位置付けであって,その記載内容に照らしても本件排除措置命令書の案との関連性は明らかではないのであり,前記ウに説示するところと同様に,かかる書類が送付されていたことをもって,本件排除措置命令書における理由の記載に不備があったという判断は左右されない。

オ 以上のことからすれば,本件排除措置命令書における理由の記載は,独占禁止法第49条第1項に違反するものであるから,本件排除措置命令は,全部取り消されるべきである。

カ なお,独占禁止法第49条第1項は,排除措置命令書には,主文として「違反行為を排除し,又は違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置」を示さなければならないと規定しているところ,その内容があまりにも抽象的であるため,これを受けた名宛人が当該命令を履行するために何をすべきかが具体的に分からないようなもの,その他その履行が不能あるいは著しく困難なものは違法となると解される。これについて,本件排除措置命令書は,主文において,被審人に対し,遅くとも平成19年1月以降特定納入業者に対して行っていた本件各行為を取りやめている旨を確認すること(主文1項⑴)及び今後本件各行為と同様の行為を行わない旨(同項⑵)を,取締役会において決議しなければならないことなどを命じるものとなっているが,少なくとも主文1項(1)については,本件各行為の相手方となっている特定納入業者が本件排除措置命令書の記載からは明らかでなく,被審人において,何を決議すべきかが判然とせず,特定を欠くものであったというべきである。したがって,この点においても,本件排除措置命令は,独占禁止法第49条第1項に違反するものであるといわざるを得ない。

⑵ 本件課徴金納付命令書における理由の記載の不備に関する判断
 独占禁止法第50条第1項が,課徴金納付命令書に,「納付すべき課徴金の額及びその計算の基礎,課徴金に係る違反行為」を記載しなければならないとしているのは,課徴金納付命令が,その名宛人に対して当該命令に従った課徴金の納付義務という不利益を課すものであることに鑑み,公正取引委員会の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,課徴金納付命令の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えるためのものと解される。このような課徴金納付命令の性質及び課徴金納付命令書に上記の記載が必要とされる趣旨に鑑みれば,課徴金納付命令書に記載すべき事項である納付すべき課徴金の額及びその計算の基礎,課徴金に係る違反行為は,特段の理由がない限り,名宛人においてその記載自体から了知し得るものでなければならない。

 これを本件についてみると,本件課徴金納付命令書には,本件排除措置命令書(写し)を引用する形式で,「課徴金に係る違反行為」として,本件違反行為が独占禁止法第19条の規定に違反するものであるとともに,同法第20条の6にいう「継続してするもの」である旨が記載されているが,引用する本件排除措置命令書の理由の記載は,誰が特定納入業者に当たるかが明確ではなく,その記載に不備があったことは,前記(1)で説示したとおりであるから,これを引用する本件課徴金納付命令書の記載も同様というべきである。
 また,優越的地位の濫用に係る課徴金の算定方法については,独占禁止法第20条の6において,「当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間…における,当該行為の相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額(…当該行為の相手方が複数ある場合は当該行為のそれぞれの相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額又は購入額の合計額とする。)に百分の一を乗じて得た額」とする旨規定しているところ,本件課徴金納付命令書には,「課徴金の計算の基礎」として,本件違反行為の違反行為期間(同命令書4⑴),改正法の施行日以後の本件違反行為の相手方の数が165社であり,いずれも被審人に商品を供給する者である旨(同4⑵),改正法の施行日以後にこれらの納入業者から購入した商品について独占禁止法施行令(注7)第30条第2項の規定に基づき算定した当該購入額の合計額(同4⑶),被審人が国庫に納付しなければならない課徴金の額及びその算出過程(同4⑷)は記載されているが,上記の行為の相手方であるこれらの納入業者の商号や当該納入業者ごとの購入額については,具体的には示されていない。
 そうすると,本件課徴金納付命令書の記載のみからは,被審人において,いずれの相手方に対する自己の行為が「課徴金に係る違反行為」に当たるとの評価を受けたかを具体的に知ることができないばかりか,いずれの相手方からの購入額が納付すべき課徴金額の計算の基礎となったかを具体的に知ることもできず,いずれの相手方からの購入額を課徴金の計算の基礎とすることを甘受し,又は争うべきかを,的確に判断することが困難であって,被審人の不服申立ての便宜には適わないものといえる。このことからすれば,本件課徴金納付命令書における理由の記載には不備があったものというべきである。

(注7) 「独占禁止法施行令」とは,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令(昭和52年政令第317号) をいう。
  
 この点,被審人に対して本件各命令書が送達された際に本件165社の商号等の記載のある本件一覧表が同封されていたが,本件一覧表は,その形式上,本件各命令の一部を構成するものではなく,本件課徴金納付命令の「参考資料」という位置付けにとどまり,本件一覧表を本件課徴金納付命令書と法的に一体のものと評価することはできないことは,前記(1)ウで説示したとおりであるから,これをもって本件課徴金納付命令書における理由の記載に不備があったとの判断は左右されない。
 また,前記(1)エに説示するところと同様,独占禁止法第50条第1項が,事前の手続(同条第6項,同法第49条第5項)を経た上でもなお課徴金納付命令書に納付すべき課徴金の額及びその計算の基礎並びに課徴金に係る違反行為の記載を要求していることに鑑みると,本件において事前手続が行われたことをもって,本件課徴金納付命令書における独占禁止法第50条第1項所定の記載の瑕疵が治癒されると解することはできないし,本件の事前手続において本件各命令書の案が送達された際に本件165社の商号等の記載のある本件事前通知一覧表が同封されていたとしても,この書類は,本件一覧表と同様,本件各命令書の案の一部を構成するものではなく,本件課徴金納付命令書の案の「参考資料」という位置付けにすぎないのであるから,これをもって本件課徴金納付命令書における理由の記載に不備があったとの判断は左右されない。
エ 以上のことからすれば,本件課徴金納付命令書における理由の記載は,独占禁止法第50条第1項に違反するものであるから,本件課徴金納付命令は,全部取り消されるべきである。

 

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電話 03-3581-5478(直通)
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