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(令和4年6月28日)クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書について(デジタルプラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査報告)

(令和4年6月28日)クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書について(デジタルプラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査報告)

令和4年6月28日
公正取引委員会

第1 調査主旨等 

 近年の経済のデジタル化や事業活動のデジタル化の進展に伴い、様々な分野でデータやデジタル技術を駆使した新形態のサービスやビジネスモデルが創出されている。このような競争環境においては、事業活動の基盤となる情報システム自体が変化の速い現場のニーズに迅速かつ柔軟に対応できるものである必要があり、このような事業者のニーズに応えるものの1つとしてクラウドサービスの利用が広まっている。
 クラウドサービス分野においては、市場そのものが拡大しつつあるという状況にあるものの、デジタルプラットフォーム事業を自社又はグループ会社で行っているクラウド提供事業者が、クラウドサービス事業において幅広いサービスを提供し、多くの事業者の事業活動の基盤を提供する者として重要な存在となりつつある。
 以上の状況を踏まえ、公正取引委員会は、クラウドサービス分野におけるデジタルプラットフォーム事業者を取り巻く取引実態や競争の状況を明らかにするとともに、独占禁止法上及び競争政策上の考え方を示すことにより、当該分野における独占禁止法違反行為の未然防止や関係者による公正かつ自由な競争環境の確保に向けた取組を促進するため、クラウドサービス分野に関する取引実態調査(以下「本調査」という。)を実施した。
 

1 調査対象

 本調査では、クラウドサービスがデジタル市場において果たしている基盤・構成要素としての役割に着目するという観点から、クラウドサービスのサービスモデルによる分類のうち、IaaS(Infrastructure as a Service)及びPaaS(Platform as a Service)を主な対象とした(加えて、SaaS(Software as a Service)についても必要に応じて言及する。)。
 

2 調査方法

 以下のとおり調査を行ったほか、学識経験者やクラウドサービスに知見のある有識者の意見を参考に報告書を取りまとめるため、令和4年3月に「クラウドサービスに関する意見交換会」(座長:岡田羊祐一橋大学大学院経済学研究科教授)を開催し、クラウドサービスに関する独占禁止法上及び競争政策上の論点及び考え方について、意見交換を行った
 なお、本件調査の過程において、独占禁止法第40条に基づく報告命令を実施した。

(※参考)
「クラウドサービスに関する意見交換会」(令和4年3月30日)

(1) 聴取調査

 クラウド提供事業者延べ25社、導入支援事業者延べ33社、サードパーティソフトウェアベンダー延べ6社、利用事業者延べ18社、及びクラウドサービス分野に関する専門的な知見を持つ有識者や事業者団体等延べ20名に対してヒアリング等を実施した。

(2)  アンケート調査

 令和3年7月から同年8月までにかけて、IaaS、PaaS及びSaaS(グループウェアの機能を提供するサービス又はCRMの機能を提供するサービスに限る。)の利用者を対象に、アンケート調査を行った。

(3)  国際協力

 本報告書の取りまとめの過程において、オランダ消費者・市場庁、フランス競争委員会及び欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局と意見交換を行った。

第2 調査結果

 報告書本体、別紙及び概要参照。

第3 今後の取組

1 市場シェアの集中により懸念される弊害の未然防止や、取引の公正性・透明性の確保といった観点から、クラウド提供事業者及び利用者に対し、本報告書でまとめた各当事者において実施されることが推奨される取組を含め、本報告書の内容の積極的な周知を行っていく。

2 本報告書と関連する取組を行う関係省庁に対して、本報告書の積極的な周知を図るとともに、必要に応じて関係省庁とも連携を図りながら、クラウドサービス分野の競争環境を確保していく。

3 クラウドサービス分野の競争の状況を引き続き注視し、本報告書で指摘した競争制限的な行為を含め、独占禁止法上問題となる具体的な案件に接した場合には、引き続き厳正・的確に対処していく。

4 各国・地域の競争当局等との意見交換を行い、また、ICN(国際競争ネットワーク)、OECD(経済協力開発機構)等の場も活用しながら、海外関係当局と継続的に連携し、競争環境の整備を図っていく。     

 公正取引委員会では、クラウドサービス分野における公正かつ自由な競争環境の確保に向けた取組の促進等を図るための普及・啓発活動として、クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書に係る説明会に当委員会の職員を講師として派遣します。詳細につきましては、「クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書に係る説明会への講師派遣(御案内)」を御覧ください。

 

 公正取引委員会は、「デジタル・プラットフォーマーに関する取引実態や利用状況についての情報提供窓口」を通じて、デジタルプラットフォームに関する情報の提供を引き続き受け付けておりますので、今後とも、事業者や消費者の皆様におかれましては、幅広い情報提供をお願い申し上げます。

関連ファイル

 

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局総務課 デジタル市場企画調査室 実態調査担当
電話 03-3581-1889(直通)
ホームページ  https://www.jftc.go.jp/

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