[配布資料]
アプリストア運営事業者及びオンラインモール運営事業者の取引実態に関するアンケート調査への御協力のお願いについて(平成31年2月27日公表資料)
[発言事項]
事務総長会見記録(平成31年2月27日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)
アプリストア運営事業者及びオンラインモール運営事業者の取引実態に関するアンケート調査への御協力のお願いについて
本日,私の方からは,デジタル・プラットフォーマーの取引実態に関する事業者向けのアンケート調査についてお話しいたします。
デジタル・プラットフォーマーは,革新的なビジネスの担い手とされる一方で,その利用者との間の取引や契約の実態については不透明ではないかといった指摘がされており,政府として,透明性や公正性を確保する観点から,デジタル・プラットフォーマーをめぐる取引環境の整備に関して検討を進めているところでございます。
その中で,公正取引委員会は,「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」を開始し,その一環として,1月から公正取引委員会のホームページ上でデジタル・プラットフォーマーの取引実態や利用状況について,情報提供窓口を設けております。
この情報提供窓口では,デジタル・プラットフォーマー全般について情報を受け付けておりますが,資料にございますように,今回,更に2つの事業者向けのアンケート調査を本日から開始いたします。
本アンケート調査は,アプリストアの運営事業者及びオンラインモール運営事業者の取引実態に関する情報の収集・把握を目的としております。本アンケートに御回答いただきたい対象の方々は,アプリストア運営事業者の取引実態のアンケートにつきましては,アプリを提供するためにアプリストアを利用するアプリ開発事業者の方々であります。また,オンラインモール運営事業者の取引実態のアンケートにつきましては,商品を販売するためにオンラインモールを利用する,オンラインモールの出店者の方々でございます。
本アンケートは,公正取引委員会のホームページ内のリンク先からオンラインアンケートの方法で行います。本日から来月26日までの1カ月間行いますので,この間,いつでも御回答いただける方式になっております。
関係事業者の皆様方におかれましては,この調査の必要性に対する御理解と積極的な御協力をお願いしたいと思ってございます。
また,「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」としまして,今後,消費者のプラットフォームの利用状況につきましても調査することを予定しております。
なお,先ほども申し上げましたとおり,本案件の調査のほか,情報提供窓口を通じた情報提供につきましても,事業者や消費者の皆様方に引き続きお願いしたいと思っております。
本件の担当課は経済取引局の総務課でございます。
質疑応答
(問) 先日から報道でですね,アマゾンが1%のポイント還元を出店者負担でするというような方針を明らかにしているという情報があるんですけれども,これについて,独占禁止法の優越的地位の濫用に当たるのではないかという指摘,声というのもあるんですけれども,公正取引委員会としては,現在,どういうふうに考えていて,これについて,1月から始めている調査の中で,ヒアリングなり実態について調査する意向があるのかどうか。世耕大臣も,昨日,問題意識を開示されましたけれども,その辺りも含めて,御回答いただければと思います。
(事務総長) 今,御指摘のございましたアマゾン・ジャパンによるポイントの提供につきまして,先般以来,様々な報道がされていることは承知しております。ただ,その点につきましては,個別の事業者の特定の行為に関するものでございますので,それが独占禁止法に違反するのかどうかといったような点につきましては,こうした場での発言は差し控えさせていただきたいと思います。
一般論として申し上げれば,自己の取引上の地位が相手方に対して優越しているオンラインモールの運営事業者,そうした立場にある運営事業者が,オンラインモールの利用の拡大を図るために,その取引の相手方である出店者などに対して,不当に不利益を与えるようなやり方で取引条件を変更するということは,御指摘のございました優越的地位の濫用に該当する可能性というのがあるというふうには考えております。ただ,繰り返しになりますけれども,一つ一つの個別の行為について,こうした場で申し上げるのは適当ではないというふうに思います。
今日から開始しますオンラインモールの出店者などに向けた調査におきましては,その内容の一つとして,例えば,その出店に当たっての審査の点ですとか,それから規約の変更,そうしたことに関する調査項目もその中に含まれておりますので,そうした中で,また何らかの情報,そうした実態を把握をしていきたいと思っております。
逆に申しますと,私どもはアプリの運営業者あるいはオンラインモールの運営業者の取引全般について,様々な問題があるとすれば,そういった問題点の把握をしていきたいと考えておりますので,特定の事業者の特定の行為にばかり関心が集中しますと,そうした情報ばかりが集まってくるという意味では,全体を把握するという意味では,できるだけバイアスがかからない方がいいと思っております。御回答に協力いただく方々につきましては,そうした点も御理解していただいた上で御回答いただければと思います。
(問) 先ほどの質問にもあったと思うんですけど,先般の報道であるような,ポイント還元制度などについてですね,アンケート調査の中でそういう調査項目もあるということだと思うんですけれども,そのほかに事業者に対して別途個別にヒアリングするとか,そういうことはあるんでしょうか。
(事務総長) 今回のアンケート調査は,先ほど申しましたように,アプリの提供・開発を行っている方々,それからオンラインモールに出店をし,あるいは検討されるような方々,そういった方が対象になっております。
他方,そうした中で,どういった運営業者にどういった問題があるのかというのは,そうした情報,そうしたアンケートの結果から集まってくると思いますので,その上で,運営業者側,プラットフォーマーに対するヒアリングでありますとか,あるいは実際回答していただいた方々,あるいは事業者団体であるとか,消費者サイドであるとか,学識者であるとか,そういった方々にもヒアリング調査を行っていくことはあると思っております。そうした中で我々の知見といいますか,調査の深みはつけていきたいというふうに思います。
(問) アンケートを今日から始めて,その結果を受けて,必要であればということですか。
(事務総長) そうしたことは並行して進んでいくことはあると思いますけれども。
(問) 1月に情報提供窓口を設置されたというお話がありましたけれども,そういう窓口にですね,ポイント還元制度について,何か出品者の方から不満の声というのは実際に上がっていたのでしょうか。
(事務総長) 情報提供窓口を1月に設けまして,いろいろな情報がそこに提供されつつある状況にございますけれども,その具体的な内容などにつきましては,全体の調査を進めていく中で,そうした材料を集めているところでございますので,今の段階で申し上げるのは適当でないと思います。
(問) まず,アンケート調査は,どういった項目を聞いていらっしゃるのか,ちょっと分からないので,それを教えていただきたいのと,それぞれの項目の目的ですね,どういったことを調べるためにやっているのかということですね。それと,最後に,そのアンケート結果をどのように活用していこうと考えていらっしゃるのか,その3点を教えてください。
(事務総長) 今回のアンケート調査,先ほど来申し上げておりますとおり,アプリストアの話と,それからオンラインモールの話があります。それぞれ,かなり多岐にわたった点を御回答いただくようにお願いしたいと思っています。
例えば,先ほどもちょっと触れましたけれども,アプリでいえば,アプリの審査でありますとか,規約の変更がどのように行われているか,あるいは運営業者に支払う手数料ですとか,アプリの開発業者のほうに運営業者側から提供される情報にはどういうものがあるのかとか,あるいは運営業者の切り替えができるのかどうかとか,そうしたことを聞いております。また,オンラインモールにつきましても,同じような趣旨のことを聞いております。その前提として,その事業者の方々の企業のサイズでありますとか,あるいはどういう事業を中心に展開しているとか,そういった,ある種,人定的なことも聞いております。
そうしていただいた情報を踏まえて,その中にはどういうところに不満があるのか,どういう点を問題と考えているのか,あるいは問題ないというのももちろんあるかと思いますけれども,今後そうしたことを踏まえつつ,調査の結果の方に反映させていきたいと思っています。
その調査結果は,アンケートだけによるのでなくて,その周辺の情報,例えばヒアリングを行うなど,そうしたことでの深みは広げていきたいと思いますし,その内容につきましては,例えば,プラットフォーマーに関する検討会も再開しておりますので,そうした場での御議論等も踏まえて,最終的に,どういったことで,この業界に対する競争政策を展開させていくのかということの考え方をまとめるという方向につなげていくことになるかと思います。
(問) 先ほど,アンケート調査を受けて,並行してヒアリングも行っていく可能性もあるということでしたけれども,その中で40条調査というものも視野に入って,必要であれば,そういうことを行うのでしょうかというのが1点と,2点目は,今もちょっとおっしゃいましたけど,このアンケート調査の結果というのは,経済産業省と総務省と作った検討会の方に報告するという理解でよろしいんでしょうか。
(事務総長) まず,最初の点でございますけれども,独占禁止法第40条で,公正取引委員会が一般調査を行う際に,罰則付きで報告を求めることができるという権限を与えられております。罰則付きの調査手法でありますので,それは当然,実際に発動するに当たっては,その必要性等を十分に吟味する必要があるかと思いますけれども,今回の一連のプラットフォーマーの実態調査を進めていく中で,どうしても情報を集める際にはそうした権限が必要であるという場合には,そうした手法を排除するというものではございません。ただ,もちろん,それは飽くまで調査の手法に関する話でございますので,そうしたことが必要があればということでございます。
それから,アンケート調査の結果でございますけど,先ほど申しましたように,全体として報告書,一つの大きな報告の中の調査の手法の一つでありますので,最終的にはプラットフォーマーの全般に関する実態調査ということでまとめてまいりますけれども,検討会,それから検討会の下に2つのサブグループを置いておりますので,必要に応じて,そうした場でも御報告することがありましょうし,また,以前から申し上げているように,節目節目で,何をどこまでできるのかというのはございますけれども,何らかの形での公表といいますか,そうしたものもあるかと思います。それが完璧な形ですぐできるというようなタイプの調査ではないというふうに思っておりますので,その時点でどこまでの内容をまとめられるのかというのは,そのときになって,また判断させていただくということになると思います。
(問) そうすると,今回のこの2つの調査の結果,少なくとも結果の一部は,4月に発表されるといわれている中間報告の中に入ってくると考えてよろしいんですか。
(事務総長) 先ほど申しましたように,全部そのままということかどうかはともかくとして,何らかの形で反映させていくことになるかと思います。
(問) アプリについては,2016年でしたか,1回目の携帯電話市場調査の中でも出てきたかと思うんですが,公正取引委員会の問題点の観点としては,どんな点に関心があるんですか。
(事務総長) 先ほど,アンケート項目,かなり広範にわたっていると申し上げましたけど,やはりアプリストア運営事業者が,いろいろな条件を開発業者に対して課していて,そうしたものの中に不当なものがあるのかどうか,それによって,囲い込みがされたり,開発が滞ったり,そういったようなことが起こっているのかどうかというのが一つの関心になるかと思います。
(問) プラットフォーマー側への聞き取りというのは,どの段階で行うというふうに考えていらっしゃいますか。
(事務総長) それは必要に応じてと考えておりますので,今,この時点で,いつからというふうに申し上げる段階ではまだないと思います。
(問) アンケートが終わってからというか。
(事務総長) 先ほど申し上げましたけれども,何か1つのことが終わってから次のステップということでは必ずしもないというふうには思っています。
(問) 調査の途中で,こういう質問が適切かどうか,ちょっとあれなんですが,優越的地位の濫用がおそらく課題というか,焦点だと思うんですが,多くのプラットフォーマー,オンラインモールの運営者であったり,アプリの基本システムの提供会社が優越的な地位にあるのはあまり論点ではなくて,それを濫用しているかどうかが焦点,課題に当たっているんでしょうか。それとも,そこまでまだ議論は,見解は収束されていないのか,そこの辺りを伺えたらと思います。
(事務総長) いわゆるプラットフォーマーと呼ばれる,今回のアプリの運営事業者,あるいはオンラインモールの運営事業者にしても,大小様々なタイプの方がいらっしゃると思います。また,その優越的地位の認定につきましても,取引依存度でありますとか,今回の場合,運営事業者側の市場における地位であるとか,そうした様々な要素を考える必要があるかと思いますので,全ての運営業者が一律に優越的地位にあるんだと決めつけることはできないのではないかと思います。
ただ,先ほど世耕大臣の御発言の話がありましたけれども,中小事業者にとって,こうした場,プラットフォームというのは非常に重要な販売ツール,サービスの提供ツールだと思いますので,そうした意味では,他のところに容易に替えられるかどうかというのはなかなか難しいというのは,一般的にはいえるのかなというふうに思います。
今回のアンケートの中で,変更の可能性であるとか,そうしたことも聞いていますので,それも分析の対象にしなければいけないことだとに思います。不当に不利益が課されているかどうかというのは,さらにその先の問題になるということだと思います。
(問) 先ほどのアマゾンの1%還元の質問に対して,一般的なという限定をされた上で,不利益を被るような取引が濫用に当たる可能性があるとおっしゃったと思うんですが,アマゾンの1%還元を念頭に置いて質問しているんですが,そういう提案自体が,そういう措置自体がもう濫用なのか,それとも,そういう措置を十分な説明をしたり,意見交換をしないで提示していることが濫用に当たるのか,その辺りの解釈というのを,まだ,この質問は時期尚早かもしれないんですが,伺えないでしょうか。
(事務総長) 不当な利益かどうかというのは,やはり実態に即した判断が必要だろうというふうに思います。同じことを同じように言っても,申し込む先によっては影響が異なるということもあるかと思いますので,不当に不利益になるかどうかというのは,ある程度個別的な認定が必要になるのではないかと思っています。
一般的に言えば,誰が見ても,こんな条件飲めないというようなものを断れない立場にある人に対して押し付ければ,それは駄目でしょうということにはなるのですけれども,明らかにそうだといえる場合ばかりとは限りませんので。
(問) そもそもの質問なんですけれども,デジタル・プラットフォーマーへの調査を行う背景というか,動機をもうちょっと詳しく言っていただけないでしょうか。不透明な取引が指摘されているということですけども,指摘されているのであれば,もうちょっと具体的な調査をやればいいのに,何で,また,全体的なアンケートとかから入るのか,それとも,まだ不透明かどうか分からないのにやろうとしているのか,不透明だというふうな,先ほど,前提でおっしゃいましたけども,どうしてそういえるのか,その辺りのことを教えてください。
(事務総長) プラットフォーマーの取引に関しては,それぞれいろいろな取引の形態,また,プラットフォーマー自身もいろいろな事業形態をとっているところがございます。その中で,多少,一般論めいてしまいますけれども,例えば,取引条件が一方的に変更されているとか,最初,課されていなかったような義務が後から課せられるようになるであるとか,それが必ずしも,プラットフォームの利用者側にとって十分検討できるような形で提示されないであるとか,そうした形でいろいろな不利益が課されているのではないかということは,一般的にはいわれておりました。
ただ,それが実際にどのように行われているのかというのは,先ほども申しましたように,いろいろなタイプのプラットフォーマーがおりますので,やはり実態を把握した上で考え方を整理する必要があるだろうと。
その前提としては,プラットフォームといったサービスは,例えば中小企業が事業の展開をするに当たっても非常に有益なツールになるわけですし,そこで様々なイノベーション,テクノロジーなども発展していく,そうした場でありますから,そうした存在自身が必ずしも悪いというわけではありませんけれども,ただ,その一方でネットワーク効果が強く生じる場でもありますので,Winner takes allで,先行した者が独り占めしがちだという構造になりやすいと,そうした面もあります。そうすると,いろいろな形で,ちょっと言葉はきついかもしれませんが,独占の弊害みたいなことが起こってくるのではないかという懸念もされています。
そうしたバランスを考えた中で,規制をしていくのかどうか,規制をするとすればどのような規制が適切なのかということを判断する上でも,十分に,かつ広範にですね,いろいろなタイプの事業者がいるわけですから,そういう実態を十分に把握した上で,そうした考え方の整理を進める必要がある。ただ,十分にとは言いましたが,5年も10年もかけてやっていたのでは,すごくダイナミックに変わっていく世界に対応できないので,そこは迅速に把握をしていく必要があると思っています。基本的な考え方はそういうところになります。
(問) 一般論になるかもしれませんが,デジタル・プラットフォーマーによって取引条件が一方的な変更をされるとか,利用者の利益にならない形で取引条件が新たに課せられるとか,そういった事態は起きているというふうに,公正取引委員会でも把握してるということなんでしょうか。
(事務総長) 一般的に言えば,そうしたことが行われているのではないかということは,様々な文献でありますとか,皆さんが報道されている中で出ておりますので,そうした懸念があるだろうということは把握はしています。
(問) 1点目は,アプリの調査の方なんですけれども,アプリストアを運営している事業者というのは,アマゾン,アップル,マイクロソフトが浮かぶんですけれども,その辺りを想定されているのか,さらにもっと広い事業者向けのアプリですとか,そういったところまで念頭に置かれているのか。まず,この点について教えてください。
(事務総長) このアンケート調査自身はですね,皆様方でも公正取引委員会のホームページにアクセスいただければ内容は御覧いただけるようになっています。それ見ていただければ分かると思いますが,例えば,今のアプリであれば,アップルを使っていますか,それから,あるいはグーグルを使っていますか,ということを,比較的広範囲で使われるというふうに考えて,例示しております。
他方,それ以外どういうところがありますか,どういうところと取引していますか,取引しようとしましたかということも聞いておりますので,そうした中で,影響力の大きそうなところがあるかどうかということは把握していきたいと思います。
(問) 2点目なんですけど,少し概念的になるのですが,年明けからの議論といいますか,メディアの報道なんですけれども,どうしても対外資ですとか,あとは取引業者が不満があるから即,優越的地位の濫用に当たるのではないかという,どうしてもそのような議論というか,その辺りがクローズアップされがちなんですけれども,そうではないと,本意ではないと思うのですけれども,公正取引委員会としては,そのプラットフォーマーの,どうしたいというか,必ずしもネガティブに見ているのではないと思うのですけれども,その本来の目的というのを今一度教えていただけないかなというか,調査をする意味というか,技術革新だと思うんですけれども,その辺もう一度伺えないかなと思っています。
(事務総長) 先ほどの御質問でもお答え申し上げましたけれども,プラットフォームという形式自身は,その場で様々事業展開をできる場として非常に有益なものだと思っています。そうした事業運営されているのは必ずしも外国事業者ばかりではなくて,国内事業者でもそうした事業を運営しているところがあります。ですから,特定の国であるとか国籍を問題にして,今回調査を行っているわけではありません。
こうしたプラットフォーム事業が展開していくことは,新たにイノベーションを生む土台にもなるでしょうし,また若干繰り返して恐縮ですけれども,特に強い販売ツールを持たないような中小事業者にとっては大きな発展の場として使うこともできるかもしれない。他方,そこにいろいろな事業力であるとか情報であるとか,そういうことが集中することによって,今度はそれを濫用して,その競争に歪みを生じさせるということが起こるかもしれない。そうしたことは,やはり制御をしていく必要があると思いますが,それは実態に即したものでなければいけません。さらに,競争の観点からすれば,今ある,大きくなってしまったプラットフォーマーたちに対する規律の手法としては,それに対抗できるようなプラットフォーマーが育ってもらうというということも1つ,そういう人たちが育ちにくい環境があるのであれば,そうした芽も除去していく。それが,人為的にそうした環境が作られているのであれば,そうしたものを除去していくということが必要になるでしょう。また大きくなってしまって,他が対抗するのが難しいというのであれば,そうした地位にある,立場にあるということを背景として行うような抑圧的な行為というのは,それはそれでまた別途防止しなければならない,というふうな考えに基本的にはなります。その前提として,そうした実態があるかどうかというのは,十分把握しなければいけないことだと思います。
(問) 3問あるんですけれども,以前もアンケート調査をしていると思うんですけれども,今回のアンケートというのはちょっと調べが足りなかったというところを強化してさらに理解を深めたいということなんでしょうかということと,先ほど質問にもありましたが,今までアップルとかくらいだったですけども,その業者の幅も,今までのアンケートに基づいて,ちょっと広げて考えるということなんでしょうかということと,3点目が,そのプラットフォームとなるところと,そのメーカーというか業者側が秘密契約みたいなものを結んでいるような場合もあるかと思うんですけれども,そういったところに対して,先ほどおっしゃっていた強制的な方法でちょっと教えてもらうというようなことをされるという意味でしょうか。
(事務総長) 最初の御質問に関してですけれども,その検討会の場において,経済産業省が調査されたものが報告・議論されたことあるかと思いますけれども,公正取引委員会がアプリやオンラインモールの運営業者に対してこういう形でアンケートをとるのは前はやってないのではないかと思います。ただ,確かに,ずっと以前に,オンラインモール,それから先般は電子商取引に関する実態調査を行いましたけれど,ちょっとタイプが違いますので,こうしたものではなかったと思います。
また,先ほど来申し上げたように,特定の企業であるとか,それから特定の行為を念頭に置いて調査をするというものではありませんので,ちょっと御質問の趣旨とそぐわないかもしれませんけれども,今回の調査の趣旨はそういうものでございます。
最後の点につきましては,調査の手法に関するものでありますので,調査内容としてこういうことを私どもが知りたいという場合に,それが通常の任意の手法では入手できないというようなものであれば,先ほど御質問にもがありましたように,独占禁止法第40条のある種,強制的な手法を使うことも排除されるものではないというふうに考えています。
以上