ホーム >報道発表・広報活動 >事務総長定例会見 >令和2年 >7月から9月 >

令和2年7月1日付 事務総長定例会見記録

令和2年7月1日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

[発言事項]

事務総長会見記録(令和2年7月1日(水曜)13時30分~於大会議室)

 本日,私からはまず,昨日公表いたしました「スタートアップの取引慣行に関する実態調査」の中間報告,それと先週25日に公表いたしました「独占禁止法改正法の施行に伴い整備する公正取引委員会規則等について」の2つについて簡単にお話しいたします。

スタートアップの取引慣行に関する実態調査について(中間報告)

 まず,「スタートアップの取引慣行に関する実態調査」の中間報告についてでございますけれども,スタートアップの取引慣行に関する実態調査につきましては,昨年12月11日の定例会見で調査開始につきまして,また,本年の2月26日の定例会見でアンケート調査票の送付についてお話しいたしましたけれども,昨日,実態調査の中間報告を公表いたしました。
 この中間報告では,今後の調査の論点を提示しておりますけれども,これを踏まえまして,今後,スタートアップ,有識者,そして経済団体等への更なるヒアリング調査を行いまして,独占禁止法上の評価等を整理し,実態調査報告書を取りまとめる予定にしております。
 なお,本件の担当は取引部の取引調査室になります。

独占禁止法改正法の施行に伴い整備する公正取引委員会規則等について

 次に,「独占禁止法改正法の施行に伴い整備する公正取引委員会規則等について」でありますけれども,昨年の独占禁止法改正によりまして,課徴金減免制度について,事業者の協力が事件の真相の解明に資する程度に応じた減算率を適用する調査協力減算制度が導入されます。
 これに伴いまして,新たな課徴金減免制度を,より機能させる等の観点から,判別手続に関する規則・指針を整備することとしまして,本年4月2日から5月15日までパブリックコメント手続に付しまして,先週25日木曜日に公表いたしました。これは,事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容を記録した物件につきまして,一定の条件を満たすものについては,審査官がその内容にアクセスすることなく利用者に還付する手続であります。
 これらの規則・指針は,本年12月25日までに施行されます独占禁止法改正法の施行に合わせて運用を開始することになります。
 今後は,この新たな手続についての周知活動に努めていきたいと考えています。
 なお,本件の担当は,経済取引局の企画室であります。
 私からは以上でございます。

質疑応答

(問) 本日,マイナンバーポイントの申込みが始まったと思うんですけれども,こちらはマイナンバーと支払を1つだけ紐付けして行われるという制度というふうに理解しているんですが,このような囲い込み的な,例えば,マイナンバーポイントをPayPayだったり,支払の1つしか方法ができないということで,ほかの消費者が使うオプションが取りにくい,ポイントを貯めるためにPayPayと紐付けなくてはポイントがたまらない。ほかの楽天カードだったり,ほかの方法をするオポチュニティがなくなってしまうというふうにお考えなのでしょうか。
(事務総長) 申し訳ございませんが,今,御指摘の件と独占禁止法の関係が理解できておりませんので,確たるお答えができるだけの情報を持っていません。

(問) ZホールディングスとLINEの企業統合に関して,一部の国の当局の判断が新型コロナの影響で遅れてしまっているから,ちょっと延期しますよということを昨日報道発表しているんですけれども,これに関して,公正取引委員会がそれに該当するのか。つまり,新型コロナで遅れている当局に該当するのかというのを教えてください。
(事務総長) その報道は承知しておりまして,ただ,企業結合についての個別案件ということになりますので,審査をしているかしてないかという状況を含めて,従来からお答えは差し控えているということでございます。御参考として,企業結合審査の手続について申しますと,届出があれば,届出日から30日を期限として1次審査を行うということになります。更に慎重な審査が必要な場合は,2次審査に行くわけですけれども,この2次審査を開始した場合には,2次審査を開始したということを公表いたします。本件についてそういう公表がなされていないということは御承知のとおりでございます。
 ですので,ちょっと,それ以上のお答えは申し訳ないんですけれども,そこから論理的にはどういう状況が考えられるかということは,御想像いただければと思います。

(問) スタートアップの調査について伺います。昨年以降も繰り返しおっしゃっていることで恐縮なんですけれども,このたび,中間報告がまとめられて,その取引に係る問題とみられるような部分の一端が気になっている状況です。今後,政府の成長戦略の中でもスタートアップは重要な位置付けの1つであると思うんですが,公取として果たすべき役割ですとか,これからの課題,こういうことを思っているということについて,改めて方向性ですとか,現状の考えをお聞かせください。
(事務総長) スタートアップに関しましては,正に中間報告というものを出したわけでございますが,その中間報告の中でも,今後,こういう観点から調査をしていきますということを書いておりますけれども,引き続き調査を続けて,最終的に実態調査の報告書を取りまとめるということになろうかと考えております。
 その実態調査の報告書を取りまとめた上で,その結果を踏まえて,今後,関係省庁とともに考え方をまとめ,ガイドラインという形で整理していくというのが,今,予定されていることでございますので,今後,そういうふうに進めていくということになろうかと思います。

(問) 昨年6月には,中小企業とか下請の製造業に対する調査を公表されていると思います。その中で,ちょっと立場の弱い業者に対して不利益を与えかねないような問題点についても指摘されていますが,結局,スタートアップについても,そういった取引の中で懸念ですとか公正なルールの整備が早急に必要な状況があるとお考えでしょうか。
(事務総長) 御指摘のとおり,昨年,スタートアップに焦点を当てたのではなかったですけれども,知財・ノウハウの関係の調査を報告書にしましたが,今回改めてスタートアップというものを特に取り上げて,今,調査を行っております。既に中間報告の段階で,ある程度不満という形で出てきて,それで取引上の問題点があるということも垣間見えてきております。さらに,独占禁止法上の問題があるかという観点から,ヒアリングをしたりして調査を深めた上で,最終的な報告書では独占禁止法上の考え方ということも整理して出したいと考えております。優越的地位の濫用ですとか,拘束条件付取引とか,独禁法で言えば,そういうところが主として問題の射程に入ってくるんだと思いますけれども,今後,関係者,あるいは有識者等にヒアリングした上で最終報告書をまとめて,それをベースに更にガイドラインというものを作ることによって未然防止を図るとともに,その考え方に抵触すれば違反ということになりますので,個別の案件として対処するということをしていきたいと考えています。

以上

ページトップへ