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令和3年12月15日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

 無し

[発言事項]

事務総長会見記録(令和3年12月15日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

今年の公正取引委員会の活動を振り返って

 本日,私からはございませんけれども,「今年の公正取引委員会の活動を振り返って」ということで,皆さんからの質問をお受けしたいと思います。

質疑応答

(問) 今年も大変お世話になりました。引き続きよろしくお願いします。ちょっとマクロの話で,例えば,米国では,バイデン政権の発足以降,リナ・カーン氏をはじめ,いわゆる新ブランダイス学派と称される方々が競争政策を担うようになって,デジタル分野を中心に競争を巡る考え方というのが大きく転換してきたように思われます。そこで,特に,米国の競争政策を巡る足元の動向についてと日本の競争政策へのインプリケーションというものが,もしございましたら,総長の見方というのを教えてください。
(事務総長) 今,お話がありましたように,アメリカではいろいろ動きがありまして,7月に,「アメリカ経済における競争促進に向けた大統領令」というのが出されて,デジタル市場において公正で開かれた競争的な市場を促進することが優先事項の1つとなっております。
 アメリカの競争当局は,バイデン政権発足前からですね,デジタル・プラットフォームによる反競争的行為について,司法省はグーグル,それから,連邦取引委員会がフェイスブックをそれぞれ提訴しておりますし,また,競争当局のトップの人事につきましても,今年6月にはGAFAの独占に対して批判的な立場を採っているリナ・カーン氏が連邦取引委員会の委員長に就任されましたし,先月にはグーグルを強く批判したことで知られているジョナサン・カンター氏が司法省反トラスト法局長に就任しています。
 また,アメリカ議会におきましても,デジタル市場における競争上の懸念に対処するための法案が提出されて,検討が進められているということですが,そうした中で,御指摘があったように,反トラスト法を巡る考え方についてもいろいろ議論があります。よく言われているのが,1970年代まではハーバード学派というのが主流だったと言われていて,ハーバード学派というのはSCPパラダイムというものに基づいて,構造措置というのを重視していました。それが1980年代になって,それへの批判として,シカゴ学派というのが主流になってきたと言われていまして,今,更にシカゴ学派が批判されて,今,御指摘がありました,新ブランダイス学派というものの考え方が出てきて,この方々はまた構造措置というものを重視しているわけです。
 そうすると,1970年代までのハーバード学派が構造措置を重視していましたので,そっちに戻るのかという話になりますが,これは私の考えになるかもしれませんけど,単なる先祖返りではないんじゃないかなと思っております。というのは,この間ですね,競争法・競争政策を支える経済学というのも大きく進歩しておりまして,ゲーム理論とか,行動経済学,情報経済学,あと,新たな実証分析の手法もいろいろ出てきておりますので,むしろ,より洗練された経済分析に影響された反トラスト法上の考え方というようになるんじゃないかなと思っているんですけれども,実際にどうなるかは,アメリカは当然ながら,世界の競争法・競争政策の中核でありまして,アメリカの反トラスト思想の動向というのは,日本だけでなくて,日本を含む世界各国に影響を与えてきましたので,これからどうなっていくか,しっかり注意して見ていきたいと考えております。

(問) 来年以降の事務総局の体制について伺います。現在,デジタル市場の拡大などを取り巻く環境が変わる中で,公取として,これまで専門人材との連携強化ですとか,大幅な増員要求ですとか,体制強化の動きというのは表面化してきています。それを踏まえて,こうした環境変化に合わせて,従来の組織の在り方,組織図を変えたりとか見直したりということは検討されているのでしょうか。例えば,また新しく部署をつくったり,統合したり,幹部を変えたりとか,そういった必要性について,現時点でのお考えをお聞かせください。
(事務総長) 本年6月の閣議決定の骨太の方針や成長戦略などいろいろなところで,公正取引委員会の体制強化が求められておりまして,デジタル市場への対応とか,フリーランスが安心して働ける環境の整備ですとか,スタートアップや中小企業と大企業との取引の適正化,また,競争の活性化に関するアドボカシー機能の実効性強化,そうした事項に関連して,体制強化が求められているわけです。こうした様々な課題や新しい経済の動向に対応するために,令和4年度の機構・定員要求を行っておりまして,その中では,例えば,機構ですと,官房総務課に経済分析担当の企画官を置きたいといった要求も行っているわけです。
 ただ,予算案が閣議決定されるのは例年12月下旬という時期で,まだ,閣議決定の前でございまして,公正取引委員会の要求自体はこうした期待に応えるためにということで要求しているんですけれども,実際に閣議決定されるのはもうちょっと後でございますので,今,要求以上のことを申し上げるのはなかなか難しいという状況でございます。恐縮ですが,予算案が閣議決定された後に公正取引委員会の機構・定員についての考え方を御説明したいというふうに考えています。

(問) 今年度に入ってから,企業側からの自主的な改善措置である審査の打切りが目立っているように思います。迅速な競争回復を目指すための手段としては確約手続も導入されていると思うんですけれども,確約手続と自主的改善による審査打切りは何が違うのか,企業による自主的改善でよいのであれば,確約制度の意義は何であるのかを改めて教えてください。あと,違反的行為について,自主的改善による審査打切りではなくて,きちんと調査を尽くす必要があるのではないかと思いますが,この点について,総長の受止めを教えてください。
(事務総長) 例えば,本年でいうと3件,審査終了事案があったわけですけれども,それについて申しますと,改善措置の申入れがあったということで,それを受けて,被疑事実の内容ですとか,それが市場に与えている影響,改善措置の内容,それから審査の進捗状況,さらに,関係人の意向,関係人が希望しなければ確約手続には移行できないということですが,そうしたことなどを勘案した結果,その改善措置によって違反被疑行為が解消されると判断して,審査を打ち切ることにしたというものであります。
 一方,確約手続について申し上げますと,制度上,公正取引委員会と事業者とが確約手続の通知書で共有した違反被疑行為を前提にして,その違反被疑行為を取りやめるということにとどまらず,競争秩序を早期に回復させる観点から十分な内容を持つものであって,かつ,確実に実施されるものについて,独占禁止法第48条の9によりまして,認定が取り消されない限り,公正取引委員会が改善措置命令を行わないという法的な効果も生じるものでもあります。したがいまして,確約手続というのは,引き続き,事業者にとっても有効な選択肢の1つではないかなと考えております。
 また,調査を尽くす必要性という点についてですけれども,違反被疑行為に対して調査を尽くした上で,排除措置命令を行うべきという御趣旨の質問又は意見でございますけれども,独占禁止法の目的というのは,公正かつ自由な競争を促進することでありますので,調査対象事案ごとに,この目的を達成するために最適な処理方法を適切に選択するということが,排除措置命令をすること自体よりも,むしろ重要じゃないかなと,もちろん排除措置命令をする必要があれば,そのようにしなければいけないわけですけれども,その事案ごとに適切な方法で公正かつ自由な競争を促進するという目的を達成することが重要ではないかなと考えております。

(問) 今,お話がありました審査打切りや確約手続に関連する質問なんですけれども,制度論というよりは,実際の記者レクなどの発表の在り方について,ちょっと御意見というか,質問したいと思っております。排除措置命令まで行かずに,どうして確約手続なのかということは,昨年度から記者レクの場でいろいろ質問が出ていて,それについて,例えば,公取としてどこまで説明すべきかということが議論になったと思います。事実,確約手続についての説明として,この事件だからこそ確約手続を選択したんだということが,取材をしていても,非常に分かりやすく伝わるようになっていますし,それが読者にもうまく伝えられるように自分たちも取材をしているので,それは大変助かっています。しかし,なぜ確約手続ではなくて審査終了を選択したのかといったようなことというのは,過去3回の記者レクの時も,当然質問に出てくるんですけれども,その説明振りが非常に不明瞭な場面が目立ちました。例えば,ユニクエストの件に関しては,調査を行ったけれども,被疑事実の通知をしたり,事業者から聴取をしたりする前の,かなり早い段階で事業者から改善措置が出されたので,確約手続まで行く前に,事実上終わっていたという趣旨の説明があって,それは非常に分かりやすかったんですけれども,楽天等に関しては,今回,確約手続ではなくて審査終了となったのは,確約手続にふさわしい事案かどうかを判断したからですという説明振りで,どのようにして判断したのかというところの説明がありませんでした。古谷委員長も,デジタル分野での公取の取組について,特に審査については,確約手続とか自主改善による審査終了というのは迅速処理のために大事だということを言われていましたので,今後もそういう処理の仕方は増えると思うんですけれども,ただ,確約手続ではない審査終了についても,更に丁寧な説明が必要だと思いますし,私どももそれを望んでいます。この点についての総長の御意見を教えてください。
(事務総長) 個別の審査事案における公表内容というのは,その事案ごとに違反を認定したかどうかなどによって,一定の制約があるわけですけれども,その中でも運用の透明性を高めたり,事業者の予見可能性を高めるとか,また,違反行為の未然防止という点からも分かりやすい公表ということを今後も心掛けていきたいと思います。また,審査終了とした理由というものについても,理解が得られるような説明が必要であると考えております。
 ちょっと一般的なことで言いますと,独占禁止法に規定された権限を用いて審査を開始して,審査を進めている時というのは,通常は違反事実を明らかにした上で,その競争制限行為を無くすために排除措置命令をすることを目指して進めているわけです。ただ,審査の目的というのは違反行為を無くして,公正かつ自由な競争を実現することでありまして,排除措置命令をすること自体ではなく,個々の事案に応じて違反被疑行為を迅速かつ確実に排除するために最も適切な進め方をして措置を採ろうとしているということであります。先ほども申しましたが,改善措置の申し出があった場合には,そこから考えていくということになっていくわけであります。
 もちろん,事案に応じて説明できることもおのずと限界があることですけれども,今後も,一応「も」と言っておきますが,可能な限り分かりやすい説明を心掛けていきたいと考えております。

(問) 先ほどからの質問と重複しますが,審査打切りで決着する事案が相次いでいるわけですが,確約手続があるのに審査打切りで終わるということは,逆に法律的な義務付けが無いまま事件処理が終わっているというように見えるし,これまでに確約手続を採った事業者からしても,違反被疑行為を取りやめれば審査は終わるんだとか,確約計画の認定までなくても,改善措置を自主的に行えば審査が終わる例があるんだとか,公取委が審査に着手した時点で行為をやめればいいんじゃないかいうふうに,確約手続を選ぶことへの納得感が得られないんじゃないかという懸念もあるのかなと思っています。特に,コンタクトレンズの3社に対する事件は全て確約計画の認定で終わっていますけれども,BMWジャパンに対する件等に比べて,排除措置命令でも盛り込まれない要素というのが少ないというか,単に違反被疑行為をやめて再発防止を確約計画に書いているだけかなという印象も受けました。改めて,どういう事件で今後審査打切りにするのか,確約計画を認定するというステップまでやるのか,今後の対応方針や整理を,現時点でもう一回教えてください。
(事務総長) 審査を打ち切った3件での関係人からの改善措置の申し出というのは,その確約手続に係る措置としての提案というわけでもなく,また,確約手続へ移行することを検討している段階であったものでもないという実態があります。
 そういう状況で改善措置の申し出があったということで,先ほどの繰り返しになりますが,被疑事実の内容やそれが市場に与えている影響,それから,審査の進捗状況,関係人の意向ですね,関係人が希望しないとそもそも確約手続には移行できないといったことを考えた上で,確約手続の申し出があったところから,引き続き,排除措置命令を目指して審査をするのか,あるいは,確約手続に移行するのか,又は審査を打ち切るということで足りるのかということを検討するということになる,また,検討することになったということです。
 その結果,この3件については,もちろん改善措置の申し出があったとしても,それが確実に実施される見込みが無いんだったら,それはもう審査を終了できないわけですけれども,この3件については,改善措置が確実に実施されることが見込まれたということ,それから,違反被疑行為が取引先等の事業活動に与える影響を早急に解消するために,これを速やかに実行させるほうが適切だということを個別に判断して,審査を打ち切ることとしたというように聞いております。
 したがいまして,一律の基準によってということではなくて,個別の事案に応じまして,独占禁止法違反被疑行為を迅速かつ確実に排除するためにはどのようにすることが適切かということを検討して,措置を採ってきているということになります。
 確約手続について,事業者の方に分かりにくいという話はあるかもしれませんが,何と言いますか,やらないで済むというものではなく,やらないで済むというつもりの事業者であれば,いくら改善措置を公正取引委員会に申し出られても,それは公正取引委員会として受け入れられないということ,実際にやってもらえることが見込めるため,それを以って審査を終了しているということでもあります。また,確約手続をすることは事業者の方にとっても法的な安定性を確保するというメリットがあると思いますので,そういうことを考えて,事業者の方の意向,それから,公正取引委員会の考えがマッチするところで適切な措置を採っているということかと思います。

(問) 今までの質問と関連するんですけれども,今年の執行の件数を見ますと,排除措置命令はゼロ,課徴金納付命令も昨年の事件のあったマイナミ空港サービスに対する件が,やっと違反行為をやめたので,課徴金の計算ができたということで,通常,年間10件20件はある中で,異例の件数の少なさだったと思うんです。もちろん,コロナの影響がありますし,事件の処理件数は年度ででこぼこがあるというのは理解しているんですけれども,これだけ激減していることについて,どう受け止められていますか。そして,危機感はお持ちですか。
(事務総長) 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間が長く続いたということもありまして,昨年までは,コロナの中でもそれなりにいろいろと処理をしておりますということを言ってきたかもしれませんけれども,さすがに今年度については,そういう期間がかなり長く続いたこともあって,通常の時のような立入検査,事情聴取等を行うことが難しくて,審査の進行に影響があったということはちょっと否めないものと考えています。
 ただ,そうした中でも,2件の確約計画の認定や,アップルインクに対する件のような,デジタル・プラットフォーム事業者のアプリストア運営に切り込むような重要な案件も処理できたのかなとは考えております。
 ただ,こういう状態が続いて法執行が停滞するとなりますと,本来,措置が採られたはずの競争制限行為が残存するということになり,日本の市場全体の競争に大きな影響が出ますので,コロナの状況も改善してきている中,引き続き,独占禁止法の厳正かつ的確な執行を更に努力していきたいと考えています。

(問) 楽天の件について,私たち記者の多くは,なぜ確約手続ではないのかということについてあまり明確な説明が得られていないわけですけれども,推察するに,証拠が十分積み上げられなかった,排除措置命令を出しても裁判所に行って勝てるだけの証拠が得られなかったのではないかと思います。もしかしたらそれは,いじめられている出店事業者からの供述が,楽天からの報復を恐れて得られなかった,営業担当者の特定ができなかったという状況もあったのかなと想像するんですけども,そうなると結局,優越的地位の濫用における永遠の課題と言いますか,やっぱりいろんな実態調査報告書等にあるように,デジタル・プラットフォーマーの役割が大きくなる中で,日本では優越的地位の濫用規制を使うべきだというのが多くありますけれども,やっぱり,執行の「道具」としては使えないという問題があると思うのですが。
(事務総長) 優越的地位の濫用行為の事件審査の時には,必ず,そういう御指摘のような,そもそも劣位にある方々からは言いにくいという状況があるわけですけれども,ただ,これまで,優越的地位の濫用行為の事件というのは,公正取引委員会として幾つも手掛けておりまして,御指摘のようなハードルを越えて,しっかりと証言していただいて,それで証拠を積み重ねることによって措置を採ってきておりますので,そのことは変わりはないと思います。
 ただ,最近は確約手続といった新たな手段が導入されましたので,独禁法の執行の目的というのは,排除措置命令をすることも重要ですが,それ自体ではなくて違反行為を排除することですので,より迅速かつ確実に排除できるのであれば,そちらの方法を採っていくということかと思います。
 したがって,今直ちに御指摘のような,今後,優越的地位の濫用の法執行がとても難しくてできなくなるということは感じていませんし,苦労はあるかもしれませんけれども,本当に問題があって,事業者が改めてないのであれば,もちろん最後まで調べた上で排除措置命令をしますよというつもりでやっているということであります。

(問) ただ,追加で質問すると,通常の優越的地位の濫用事件では,課徴金納付命令の算定が大変だと思います。そうすると,事業者も優越的地位の濫用事件では,課徴金算定が難しいから排除措置命令には至らない,だから確約手続なんだというふうに見られてしまって,事業者に対する抑止効果は無くなるじゃないですかと思うんですが,その点についてはどうでしょうか。
(事務総長) 優越的地位の濫用事件では,課徴金の算定がいろいろ大変だという御指摘はあるんですけれども,第一に,課徴金の算定ができないわけではなくて,違反行為の認定に基づく排除措置命令,課徴金納付命令はこれまできちんとやってきております。課徴金納付を命じた結果,いずれも審判,取消訴訟で争われたわけですけれども,一つは手続上の問題で公正取引委員会の主張が認められなかったものはありますが,それ以外の事件については,公正取引委員会の考え方は認められていて,基本的には公正取引委員会の法執行がサポートされております。ですので,もし,事業者の方が,課徴金の算定が難しいから排除措置命令はないんじゃないかと安心しているとしたら,これからも排除措置命令をし,課徴金を課すことになると思います。

以上

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