[配布資料]
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和7年9月3日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)
公正取引委員会の令和8年度概算要求について
本日は、公正取引委員会の令和8年度の概算要求、機構・定員要求についてお話ししたいと思います。
8月29日に、令和8年度予算の概算要求を行いまして、その内容を公表したところであります。公正取引委員会の令和8年度の概算要求額は、総額135億100万円でありまして、前年度当初予算額と比較して23億4400万円の減となっております。見た目上は減額要求となっておりますが、これは令和7年度限りの経費であります公正取引委員会本局の庁舎移転に係る経費が減額となることが主な要因でございまして、このような特殊要因を除いて概算要求額を整理いたしますと、対前年度で7億3200万円の増ということになります。
概算要求の主な内容でありますけれども、概算要求についての報道発表資料の中ほどの表の一つ目の「厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用」につきましては、デジタル分野等における迅速かつ効果的な対応、価格カルテルや入札談合等に対する厳正な対処、国際的な企業結合事案等への的確な対応に必要な経費として5億8700万円を要求しております。
表の二つ目の「取引適正化のための取組の推進」につきましては、労務費等の上昇分の協議を経ない取引価格の据え置きなどの優越的地位の濫用行為、中小受託取引適正化法、これは今まで下請法と呼んでいるものですけれども、この違反行為への厳正かつ機動的な対処やその未然防止、フリーランス等の取引適正化に向けた取組等に必要な経費として16億2400万円を要求しております。
それから表の三つ目の「競争環境の整備」につきましては、デジタル市場を始めとする様々な分野における実態調査や取引慣行の改善に関する提言などの、いわゆるアドボカシーの実効性強化、スマホソフトウェア競争促進法の実効的な執行等に必要な経費として、3億2900万円を要求しております。
続いて、機構・定員要求についてでありますけれども、こちらにつきましては、「骨太の方針」などの政府方針において、中小受託取引適正化法、現在の下請法の執行体制の強化などが掲げられておりまして、それらも踏まえた要求をしております。
まず、中小受託取引適正化法の厳正な執行など、取引適正化のための取組の推進のため、本局において、機構として、課長級の「取引適正化検査管理官」というポストを一つ新設することに加えまして、室長級について、既存の3ポストを振り替えるとともに、新たに1ポスト新設することで、「上席取引適正化検査官」というポストを四つ置く体制とする要求をしております。
さらに、正確には機構とは異なるのですけれども、中部事務所、近畿中国四国事務所、それから九州事務所において、「取引適正化管理官」という室長級ポストを1ポストずつ、計3ポスト新設することを要求しております。今申しました課長級、室長級のポストの名称は仮称であります。
取引適正化のための取組の推進に関連する定員としては、59人の増員を要求しております。また、デジタル分野等における競争環境の整備に向け、デジタル市場担当の経済取引局総務課企画官の新設や、これに関連する4人の増員を要求しております。このほか、競争政策の運営基盤の強化として、4人の増員を要求しております。
以上が、公正取引委員会の令和8年度概算要求の内容ということになります。
私からは以上でございます。
質疑応答
(問) 機構・定員のところでお伺いします。
今回、「取引適正化検査管理官」などの新設を要求されたということですけれども、これは取適法が来年1月に施行されるということに合わせた体制整備ということになるのかについて確認できればと思います。
(事務総長) おっしゃるとおりでありまして、取適法は来年1月から施行ということになります。機構・定員の要求自体は来年度のものですので、施行より少し後にはなりますけれども、しっかりとした執行体制がとれるようにということで、今回、要求するということになりました。
(問) 関連して、機構・定員のところなのですが、法律自体は年明けから施行という理解をしているのですが、1月1日から、部署の名前とかも配布資料にあるような「取引適正化調査課」とか、そういう名前に名称変更するということになるんでしょうか。
(事務総長) まだ検討中です。
(問) 今、総長から説明いただいたところでいうと、下請取引調査室長が上席取引適正化検査官に振り替えになるのと、プラスもう1席できて、同じような上席の検査官が4席できるみたいな、そういうイメージになるんですか。
(事務総長) そうですね、現在、下請取引調査室長が1人、それから、上席下請取引検査官が2名いるのですけれども、そのあたりを振り替えるのと、新たに上席検査官1名を要求することによって、全体として、上席取引適正化検査官4名という体制をつくりたいという要求内容になります。
(問) 御説明があったところかもしれないのですけれど、「管理官」(取引適正化検査管理官)の新設の要求をされるけれども、ポストとしては、審査とは違って課長級という感じなんですか。
(事務総長) そうなります。
(問) 前の質問ともかぶってしまうのですけれど、かなり地方も含めて増員しているなというような印象にはなるのですけれど、これは、これまでの流れを引き継いでさらに強化していくような、そういった組織としての意識というか、表れという理解で大丈夫ですか。
(事務総長) そういうことになります。価格転嫁を含めた下請に係る様々な問題でありますとか、下請法、取適法に限らない、優越的地位の濫用に関する問題というのは、今、公取として直面している、取り組まなければいけない大きな問題ということになりますので、フリーランスも含めてですけれども、今回、力を入れて機構・定員要求をしているということになります。
以上