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令和7年11月12日付け 事務総長定例会見記録

令和7年11月12日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

なし

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和7年11月12日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

「取適法の集中広報期間」の実施について

 本日、私からは、「取適法の集中広報期間」の実施についてお話をします。
 下請法の改正法は、国会での御審議を経て、来年の春季労使交渉に間に合わせるべく、来年の1月1日に施行されることになっております。公布から施行までの期間が比較的短いわけですが、事業者の方々に取適法の内容をしっかりと御理解いただくことで、施行に向けた準備に活かしていただき、違反行為を未然に防止していくことがとても重要です。
 法律名も下請法から「中小受託取引適正化法」略して「取適法」と呼んでいくことになりますが、施行の直前である11月から12月にかけて、集中的にこの「取適法」についての広報を実施いたします。
 改正事項の周知については、これまでも中小企業庁や政府広報等の関係機関とも連携しながら、全国47都道府県での説明会や業界団体との対話、「出張!トリテキ会議」と称した全国各地の商工会議所や中小企業団体中央会などの御協力も得て開催しているプッシュ型の説明会、テレビやラジオ番組での広報等を実施してまいりました。
 集中広報期間では、引き続き、こうした説明会を実施していくのに加え、取適法の改正事項を分かりやすくまとめた特設サイトの開設、昔話として親しみのある「桃太郎」をモチーフにした広報動画やポスターを作成・公表をしております。
 広報動画は取適法の主要な5つの改正事項ごとに30秒程度の事例形式となっております。桃太郎が発注側の委託事業者、イヌ・サル・キジが受注側の中小受託事業者として登場します。特設サイトや公正取引委員会のYouTubeチャンネルからも御覧いただけますが、そのうちの1本を実際に御覧いただきたいと思います。


 いかがでしょうか。昔話で桃太郎が、イヌ、サル、キジと協力して鬼退治を行ったように、委託事業者と中小受託事業者が、対等な「ビジネスパートナー」として取引をしていくというのは、今回の「下請」という用語を用いないこととした改正趣旨にも通じるものがあると考えております。そして、この動画は、首都圏での電車内広告や地方でのテレビCM、全国的なSNS広告などで使用し、周知を行います。特設サイトでも動画を御覧いただけます。

<特設サイト https://www.jftc.go.jp/toriteki_2025/

 このほか、ポスターについては、全国の商工会議所・商工会などにも送付しております。
 集中広報期間に限らず、今後も積極的な周知広報活動を実施していく予定ですので、メディアの皆様にも引き続き御協力いただければ幸いです。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 取適法の施行を前にして、どういった点が、今後の違反行為を防ぐ上で課題になっていると御認識されているでしょうか。
(事務総長) 今日お話ししたことにも関連しますが、まずは、改正の中身をしっかり御認識いただく必要がある、つまり、我々は、よりしっかり、徹底的に、周知を行うことが大事かなと思っております。
 現在の下請法の内容についての御理解をより進めていただくということももちろん必要ですが、それに加えて、今回変わることになる中身について、まずは認識していただくことが必要と思います。その上で、改正内容を踏まえて、社内体制やいろいろな発注の仕組みなどをいかに変えていくかということが次の段階になるわけですが、そこで、何か難しい点なり、困った、あるいは相談したい点がある場合には、公正取引委員会など関係する機関に是非、幅広く相談いただければと思っています。
(問) 取適法で手形払の禁止が入り、電子記録債権でも支払サイトの規制が始まります。そもそも世の中の流れが手形払の廃止の方向にある中で、さらに公正取引委員会として踏み込んだと言えるものがあれば教えてください。
(事務総長) 政府全体として、手形払をなくしていくという方向には進んでいるわけですが、今現在、完全になくなっているわけではありません。それから、取適法の中で手形払を禁止するわけですけども、取適法の対象にならない取引では、今回のルールは適用されないことになりますので、いかに、全体として支払の流れがうまくいくようにしていくかは、引き続き課題として考えていく必要があると思っています。
(問) 今回、取適法の適用要件に従業員数が新たに入りましたが、取適法のベースとなっている下請法では資本金の差などで機械的に適用範囲が定まっていたわけです。ただ、手形払は、資本金の差がそこまで大きくない事業者同士でも盛んに使われているわけで、そのような場合には法律が適用できないわけですね。
(事務総長) 今回の取適法の対象にはならないということですね。
(問) そういう部分についても支払手段の適正化を進めるために、この取適法で何か後押しするという意味合いでしょうか。
(事務総長) まずは、法律の対象になる範囲で取組を進めていくというところになるわけですけれども、それ以外のところも含めたサプライチェーン全体でどう考えていくかというのは、まさに、今、企業取引研究会を再開して、その点も含めた検討を行っていただいているところですので、研究会での御検討の結果も踏まえて、公正取引委員会として何をやっていくかということを考えていくことになると思います。
(問) 企業取引研究会では、取適法で対応できない部分について、どういうふうに問題を解決できるか、考え方を整理していると思うのですが、そもそも、優越的地位の濫用を使いやすくしたのが下請法、取適法で、そこで対応できないことを、また優越的地位の濫用で対応するというのは、もっと面倒臭いのではないかという気もしますが、どうしていくのでしょうか。
(事務総長) 制度面で対応するのか、あるいは法律の運用面で対応するのか、どちらもあり得ると思いますが、どういったやり方があるかを、まさに今、検討していただいているところと思いますので、検討結果も踏まえた取組を、これから考えていくことになると思います。

以上

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