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平成25年2月20日付 事務総長定例会見記録

平成25年2月20日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成25年2月20日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

法曹資格者・エコノミスト等の受入れ状況について

(事務総長)
 本日,私からは,公正取引委員会における外部人材の活用状況,弁護士やエコノミストなどの受入れの現状についてお話しさせていただきます。
 現在,公正取引委員会の組織は,定員としては799名となっておりますが,厳正で実効性のある独占禁止法の運用を図るためには,質的な面においても必要な人材の確保というものが重要と考えております。
 職員の採用につきましては,人事院による公務員試験に合格した大学などの卒業者を中心といたしまして,毎年20人から40人を新規採用してきているところですが,IT技術の進展に伴う新たなビジネス形態の発展など,従来にないスピードで企業の事業活動が複雑化,高度化しているといった状況の下で,政策課題を着実に実施するためには通常の公務員試験の合格者の採用のほか,即戦力となり得る専門的な知見を有する職員を確保して,組織の運営基盤を強化していくという必要性が高まっていると考えております。
 このため,公正取引委員会では実務経験や専門知識を有する弁護士,エコノミスト,民間実務経験者など,各方面から多様な人材の受入れに努めているところです。
 弁護士やエコノミストにつきましては,5年以内の任期付き職員として受入れを行ってきておりまして,現在,弁護士が16名,エコノミスト3名が審査局なり,経済取引局などにおきまして,独占禁止法の事件審査や審判関係,企業結合審査などの職務についているところです。
 また,民間実務経験者ということで,民間企業におきまして,購買や経営企画といった職務経験を有する方,これは30歳代の方が多いのですが,このような方を中途採用いたしまして,その方たちのこれまでの職務経験を生かして,即戦力として活用してきております。主として,独占禁止法違反事件の審査や下請法違反事件の調査の業務に配置しておりまして,現在,45人が在籍しております。
 このほか,電子証拠収集専門家として,本年の1月からデジタルフォレンジックに関する専門知識を有する者1名を任期付きの職員として採用しております。公正取引委員会としては新しい試みですので,少し紹介させていただきたいと思います。
 今申し上げたデジタルフォレンジックというのは,電子機器や電磁的な記録について,証拠の保全,専門的な解析・検索等を行う,一連の調査手法や技術に関するもののことですが,企業における業務遂行の電子化が進む中で,独占禁止法違反事件の事件審査におきましても,電子証拠の活用が重要になってきているところです。こうしたことからプロパーの職員に,この分野でのスキルの向上をさせることに加えまして,今般,民間におけるデジタルフォレンジックに関する専門的な知識,経験を有する方を採用いたしまして,審査局の実務で活用することによって,ノウハウの蓄積を図り,またプロパー職員のスキルの向上を図っていきたいと考えております。
 なお,デジタルフォレンジック技術の専門家につきましては,来年度も任期付き職員の募集,採用を行って,増員を図っていきたいと考えております。
 
 公正取引委員会としては,OJT,オン・ザ・ジョブ・トレーニングや研修の充実などにより,これまでも職員の能力や資質を高めるための取り組みを進めてきておりますが,あわせまして,こうした専門的な知識を有する多様な人材を採用していくことにより,組織の運営基盤の強化に今後とも努めていきたいと考えているところです。

 私からは以上です。

[質疑応答]

(問) 公取の委員長の国会の同意が近く得られる見通しとなっていますけれども,ここで改めて新委員長を待ち受ける課題について幾つか挙げていただければと思います。

(事務総長) 委員長につきましては,先週2月15日の衆・参の両院の議院運営委員会において所信聴取と質疑が行われたところであります。今後,衆・参両院の本会議において御審議いただくことになりますので,今の段階で新委員長を迎えてのということはなかなか申し上げにくいところですが,公正取引委員会としては従来から竹島委員長の下で進めてきておりましたとおり,1つはカルテルや入札談合といった悪質な競争制限行為に対しては,厳正に取り組んでいくこと,また,昨今の経済状況を踏まえますと,中小企業が優越的な地位の濫用行為等によりまして不当に不利益,しわ寄せを受けることがないよう取り組んでいく必要があること,特に来年の春に引上げが予定されております消費税率の引上げに関しましては,消費税の円滑・適正な転嫁が進められるように,公正取引委員会の独占禁止法について役割を果たしていく必要があるというふうに考えているところです。
 その他にもありますが,大きなポイントとしては,その二つになろうかと思います。

 以上

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