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平成27年7月8日付 事務総長定例会見記録

平成27年7月8日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」の一部改正(案)に対する意見募集について(平成27年7月8日公表資料)

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成27年7月8日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」の一部改正(案)に対する意見募集について

 本日は,お手元の資料に基づきまして,「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」の一部改正(案)に対する意見募集につきまして,お話をさせていただきます。
 昨今,情報通信分野など,技術革新が著しい分野におきましては,いわゆる必須特許,SEP(Standard Essential Patent)と呼ばれることもありますが,必須特許を有する者が,その必須特許を利用する者に対しまして,差止請求訴訟を提起する事例等が国の内外で生じてきております。
 知的財産の利用に関する独占禁止法上の考え方を明らかにするものといたしまして,公正取引委員会は,これまで「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」,いわゆる「知財ガイドライン」などを策定し,公表してきておりますが,今申し上げましたような必須特許を有する者による差止請求といった,外見上,権利の行使とみられる行為に関する記載は限られております。
 このため,今般,公正取引委員会は,この件につきまして実態調査を行い,その結果を踏まえまして,「知財ガイドライン」を一部改正し,FRAND宣言をした必須特許に関する事例を追加し,独占禁止法上の考え方を明確化することといたしました。
 皆さん御案内のように,FRAND宣言とは,必須特許を有する者が公正,妥当かつ無差別な条件でライセンスをする意思を,規格を策定する標準化機関に対して文書で明らかにすることであります。
 今回の「知財ガイドライン」の一部改正(案)では,そのようなFRAND宣言をした必須特許を有する者が,FRAND条件でライセンスを受ける意思を有する者に対し,ライセンスを拒絶し,又は差止請求訴訟を提起すること等の行為は,一般に広く普及している規格を採用した製品の研究開発,生産又は販売を困難とするものであるため,そのような行為が市場における競争を実質的に制限する場合には私的独占に該当し,私的独占に該当しない場合であっても不公正な取引方法に該当するとの考え方を示したものであります。
 この「知財ガイドライン」の一部改正(案)につきましては,当該改正箇所につきまして,関係各方面から広く意見を募集することといたしました。一部改正(案)の詳細及び意見提出方法につきましては,公正取引委員会及び電子政府のウエブサイトに掲載しますので,そちらを御参照いただきたいと思います。
 また,この「知財ガイドライン」の一部改正(案)の策定に当たりまして,必須特許を有する者による差止請求等の問題について,公正取引委員会が行いました調査結果につきましては,「必須特許に関する問題に係る調査報告書」として,同様に公正取引委員会のウエブサイトに掲載いたしますので,そちらを御参照いただきたいと思います。
 今後のスケジュールについては,今回のパブリックコメントの提出期限は8月6日木曜までとしておりまして,寄せられた御意見に検討を加え,本年秋頃には成案を公表することを目指して,今後作業を進めてまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) ただいまの件についてなんですけれども,実際にどのような紛争があって,どの程度の差止請求訴訟が行われているのか,その結果はどうであったのかということについては,この「必須特許に関する問題に係る調査報告書」にも出ているのでしょうか。
(事務総長) 実際,民間の損害賠償請求訴訟がどのくらいあったかというのは正確には把握しておりませんが,今申し上げた調査報告書4ページ,5ページのところに我が国における事例,海外における事例,特に注におきまして,それぞれの海外の競争当局が注目した事例の一部が載っておりますので,それを参照していただければと思います。

以上

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