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平成28年10月26日付 事務総長定例会見記録

平成28年10月26日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正(案)に対する意見募集について(平成28年10月26日公表資料)

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成28年10月26日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正(案)に対する意見募集について

 本日は,「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正案の意見募集,パブコメについて,お話をさせていただきたいと思います。
 前回,10月12日の,この定例会見でも申し上げましたように,現下の経済情勢の下で,公正取引委員会では,下請企業等の中小事業者の取引条件の改善を図るという観点から,下請法・独占禁止法の一層の運用強化に向け,取組を進めてまいりましたが,この取組の一環として,どのような行為が下請法違反になるのかということを具体的に示すことを主な目的といたしました下請法の運用基準を改正することとし,本日,その改正案を示し,関係各方面から広く意見を募集することといたしました。
 この改正案では,下請法の運用基準における違反行為事例を大幅に充実させるなどしております。これによりまして,事業者の下請法に対する理解を一層高め,違反行為の未然防止や事業者からの違反行為に係る情報提供につなげることで,下請法の運用強化を行おうとするものであります。
 本改正のポイントは,お配りしている資料の最後に付けております「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準の改正(案)のポイント」にありますとおり,「違反行為事例の追加」,「特に留意を要する違反行為の追加」,「下請法の対象となる取引例の追加」及び「違反行為事例の取引類型別の分類・見出しの付与」の4点であります。
 まず,第1点目の「違反行為事例の追加」につきましては,公正取引委員会のこれまでの措置実績や官邸における「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議」での議論,そこで取り組まれました大企業ヒアリングの結果などを踏まえまして,現行の66事例から134事例へとおおむね2倍に増やすこととしております。
 具体的な追加事例としては,官邸の会議でも御指摘のあった,合理性のない定期的な原価低減要請や,金型の無償保管要請といったものを加えているところであります。
 2番目に,違反行為の未然防止等の観点から,製造委託,役務提供委託といった取引内容にかかわらず,比較的起こりやすく,特に留意を要する違反行為の類型を,「特に留意を要する違反行為」として追加しております。
 具体的には,例えば,親事業者が下請事業者との間で,単価の引下げについて合意して単価改定をした場合,その合意前に発注したものについてまで新単価を遡及適用するようなことは減額に当たるといったことを明示したものであります。
 また,3番目に,「下請法の対象となる取引例の追加」につきましては,事業者が下請法の対象となる取引でないと誤認しやすい取引の例を追加しております。
 具体的には,例えば,下請法では役務提供委託におきまして,建設工事への適用が除かれておりますが,事業者の中には建設業者が下請法の適用を一切受けないように誤解することもあるかと思われます。これにつきましては,例えば,建設業者が施主から作成を請け負う設計図面の作成を設計業者に委託する場合などには建設業者にも下請法が適用されるので,このような誤解を受けやすい取引例を追加するものであります。
 また,これらのほか,読みやすさの観点からの工夫として,「違反行為事例の取引類型別の分類・見出しの付与」等を適宜行っていくものであります。
 スケジュールにつきましては,11月24日木曜日まで意見を募集した後,出されました意見を慎重に私どもで検討いたしまして,年内に成案を得たいと考えております。
 なお,以前,この定例会見でも質問が出たと思いますが,改正後の運用基準は改正した日から施行したいと考えております。これにつきましては,前回も申し上げましたように,当該改正,今の段階では案でございますが,その内容は,既に違反行為として勧告・指導したことがある違反行為事例等を追加するものでありまして,新たに禁止行為や義務を示すというものではありませんので,施行までの周知期間をとる必要はないと考え,改正の日に施行ということとしたいと考えております。

以上

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