2013年10月

EU

欧州委員会,ドイツ鉄道が提示した確約案に対する意見募集を開始

 2013年8月15日 欧州委員会 公表

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【概要】

 欧州委員会は,ドイツ鉄道(以下「DB」という。)から提示されたトラクション・カレント(traction current)の料金体系に関する確約案について,利害関係者から意見募集を開始した。トラクション・カレントとは,電気機関車に使用される電力のことである。
 欧州委員会は,DB Energie(DBの子会社,ドイツにおける唯一のトラクション・カレント供給業者)の料金体系,特に,DBグループの鉄道事業者のみが完全な割引を享受できる料金体系は,鉄道貨物及び長距離旅客運送市場における競争の進展を阻害するおそれがあり,EU競争法に違反しているのではないかという懸念を有していた。
 DBは,この懸念を払拭するため,欧州委員会に対し,[1]DB Energieのトラクション・カレント料金とトラクション・カレントの送電網への接続料金を分離する新たなトラクション・カレントの料金体系の導入,[2]DB Energieのトラクション・カレント料金を単一価格にし,数量割引・長期契約割引を行わない,[3]DB EnergieからDB以外の鉄道事業者に対して,直近1年間のトラクション・カレントに係る請求金額の4%を遡及的に返金(1回限り),[4]新たな料金体系の下でDBが設定する料金によりマージンスクイーズが生じていないか評価するために必要なデータをDBから欧州委員会に提供するという内容の確約案を提示した。
 本確約は,本件意見募集の結果を踏まえ,2014年から5年間適用される予定である。

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