EU
欧州委員会,同委員会が2012年3月に行ったEnergeticky a prumyslovy holding(EPH)及びその子会社EP Investment Advisors(EPIA)が審査妨害を行ったとして250万ユーロの制裁金を賦課した決定を不服とする両社の訴えを棄却した欧州普通裁判所の判決を歓迎
2014年11月26日 欧州委員会 公表
原文
【概要】
欧州委員会は,Energeticky a prumyslovy holding(以下「EPH」という。)及びその子会社であるEP Investment Advisors(以下「EPIA」という。)に対し250万ユーロの制裁金を賦課した2012年の決定に対する両社の控訴を棄却した欧州普通裁判所の2014年11月26日付けの判決を歓迎する旨公表した。
EPH及びEPIAは,立入検査中に電子メールのアカウントを停止せず,受信メールを転送することにより欧州委員会の審査を妨害していた。本判決は,電子データの改ざんを含む立入検査の完全性及び有効性を損なうあらゆる行為が違法であり処罰の対象となるという明確なメッセージを事業者に送るものである。
欧州普通裁判所は,EPH及びEPIAが立入検査中に電子メールのアカウントを停止せず,受信メールを転送したことが立入検査時の欧州委員会への協力義務に対する重大な違反である旨欧州委員会が認定したことについて,正当であるとした。欧州普通裁判所は,過去の判例に従い,これらの行為はそれ自体が検査妨害を構成するものであり,欧州委員会は実際に文書が削除又は操作されたかについて示す必要はないとした。
欧州委員会は,欧州普通裁判所の認定を歓迎する。なぜなら,立入検査の妨害は,競争法の執行を著しく弱体化させるからである。この判決は,紙であるか電子データであるかを問わず,競争法違反の証拠を毀損する結果となるおそれのある事業者の行為に対し,欧州委員会には適切で抑止力のある制裁を科す権限があることを明確に示した。