2019年8月

EU

欧州委員会は,Broadcomに対して,正式調査を開始するとともに,テレビ及びモデム向けチップセット市場における暫定措置を課すための異議告知書を発出

2019年6月26日 欧州委員会 公表
原文

【概要】
 欧州委員会は,無線通信機器向け集積回路の世界最大手のサプライヤーであるBroadcomが,欧州競争法違反となる排他的行為を通じて競争制限を行っていないか評価するために正式調査を開始した。
また,欧州委員会は,テレビ及びモデム向けチップセット市場における暫定措置を課すための異議告知書を発出したところ,同告知書には,予備調査による結論として主に下記概要を示している。
⑴ Broadcomは,テレビセットトップボックス(いわゆるチューナー)及びモデム向けシステムオンチップ供給における様々な市場で支配的地位にあると思われる。
⑵ Broadcom及び主要顧客7社との契約書において,同7社がBroadcomから排他的に又はほぼ排他的にシステムオンチップ,フロントエンドチップ(アナログをデジタルに変換する集積回路)及びWiFiチップセットを購入することになりかねない条項が含まれている。
 

欧州委員会は,サンリオに対して,「ハローキティ」等のキャラクター商品の越境販売を制限したとして620万ユーロの制裁金を賦課

2019年7月9日 欧州委員会 公表
原文

【概要】
 欧州委員会は,サンリオが,同社からライセンスを受けて販売する商品(以下「ライセンス商品」という。)について,欧州経済領域(EEA)内の他国への販売を制限したことから,同社に対して620万ユーロの制裁金を賦課した。
 欧州委員会は,調査結果を踏まえ,サンリオによる以下のような非独占的ライセンス契約が欧州競争法に違反すると認定した。
 ⑴ サンリオは,ライセンシーに対して,割り当てた地域外での販売を制限するために,次のような措置を採っていた。①越境販売を明確に禁ずる条項を設ける。②割り当てた地域外から注文を受けた場合にサンリオへの報告を義務付ける。③ライセンス商品に使用する言語を制限する。
 ⑵ サンリオは,同制限の実効性を確保するために次のような措置を行っていた。①ライセンシーに対する監視。②遵守しなかったライセンシーとの契約更新の取りやめ。
 なお,欧州委員会は,サンリオが調査に協力したことから,制裁金を40パーセント減額した。

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