EU
欧州委員会,オンライン広告技術分野におけるGoogleの反競争的行為について調査を開始
2021年6月22日 欧州委員会 公表
原文
【概要】
欧州委員会は,Googleが「アドテクノロジー」と呼ばれるサプライチェーンにおいて,自社のオンラインのディスプレイ広告技術サービスを優遇することで,競合する広告技術サービスのプロバイダーや広告主,オンライン上の出版社に不利益を与えており,当該行為はEU競争法に違反している可能性があるとして,正式審査を開始した。今回の正式審査では,特に,Googleが,自らはウェブサイトやアプリ上で広告を行うためにユーザーデータを使用しつつ,第三者には当該ユーザーデータへのアクセスを制限していることが,競争をゆがめているか否かを評価することとなる。
欧州委員会,新型ディーゼル乗用車の排ガス浄化における競争を制限していたとして,自動車メーカーに対し,8億7500万ユーロの制裁金を賦課
2021年7月8日 欧州委員会 公表
原文
【概要】
欧州委員会は,ダイムラー,BMW及びフォルクスワーゲングループ(フォルクスワーゲン,アウディ,ポルシェ)の5社(以下「5社」という。)が窒素酸化物の浄化分野における技術開発に関してカルテルを行っていたとして,総額8億7518万9000ユーロの制裁金を賦課した。ダイムラーは,欧州委員会に本件カルテルの存在を明らかにしたことから,制裁金を課されなかった。5社は,いずれもカルテルへの関与を認め,和解に応じた。自動車メーカーは,定期的に技術会合を開催し,ディーゼル乗用車から排出される有害な窒素酸化物(以下「NOx」という。)を,尿素を用いて除去する技術である選択触媒還元の開発について話し合っていた。5社は,この会合を5年以上にわたって開催し,その間,法律で要求されている以上の技術を投入可能であるにもかかわらず,競争を回避する旨の共謀を行っていた。
具体的には,5社は,尿素のタンク容量及び補充の間隔並びに平均的な尿素消費量の推定値について共通認識を得ていた。また,5社は,本件カルテルに関して,営業上の機密情報を交換していた。その結果,5社は,法律上要求された基準を超えるNOxの浄化(いわゆる「オーバーフルフィルメント」)や尿素の補充間隔に関して,市場における将来的な不確実性を排除していた。これは,ディーゼル乗用車の顧客にとって適切な商品性能に関する競争を制限していたということである。
これらの行為は,技術開発の制限を目的とするものであり,EU機能条約第101条第1項(b)及び欧州経済領域(EEA)協定第53条第1項(b)の規定に明確に違反するものである。
これらの行為は,2009年6月25日から2014年10月1日の間に行われていた。