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海外当局の動き

最近の動き(2021年12月更新)

米国

FTC,反競争的な合併を行った企業の将来の買収を制限へ

2021年10月25日 米国連邦取引委員会 公表
原文
【概要】
 米国連邦取引委員会(以下「FTC」という。)は,反競争的な合併を行う当事会社に対して,将来の買収に制限を課すという伝統的な手続を復活させることを公表した。本日公表された事前承認に関する政策声明(The Prior Approval Policy Statement)は,FTCの合併に係る命令(merger enforcement orders)により,買収企業が違反認定された関連市場において,その違反認定から少なくとも10年間,当該市場に影響を与え得る合併を完了する前にFTCから承認を得ることを要求するものである。FTCは,2021年7月,およそ20年間にもわたり,FTCの合併規制を緩和することにより合併を促進してきた1995年の政策声明を撤回した。
 事前承認手続を適用することによって,消費者を保護し,合併当事会社による反競争的な買収計画を阻止できるようになる。反競争的な企業結合を試みた際の結果はより厳しいものとなり,反競争的な買収を完了するハードルはより一層高くなる。反競争的な企業結合を同意審決により完了した当事会社は,合併の影響を受ける市場,場合によっては更に広い市場について,少なくとも10年間,別の買収を完了するためにFTCの承認が必要となる。FTCは,事前承認の対象を決定する際に,審査対象となる企業結合の性質,市場集中度のレベル,企業結合が市場集中度を高める度合い,合併前の市場支配力の度合い,当事会社の買収意欲,市場への反競争的な影響の証拠など,多くの要因を検討する。また,FTCは,当事会社が企業結合を断念する場合でさえも,事前承認を求める可能性もある。
 FTCは,ダヴィータ株式会社(DaVita,Inc.〔訳注:透析サービス提供事業者。以下「ダヴィータ」という。〕)によるユタ大学病院の透析クリニックの買収の件で,ダヴィータに将来の買収に関する厳しい制限を課す命令案を出しており,当該方針を既に実施している。注目すべき点は,ダヴィータの買収の経緯を踏まえて,ダヴィータに対する命令は,事前承認の対象を企業結合によって直接影響を受ける市場以外にも拡大するとともに,ダヴィータがユタ州に所在する透析クリニックを新たに買収する場合には,FTCから事前  承認を受けることを10年間にわたって義務付けていることである。
 FTC及び司法省反トラスト局は,企業結合を審査し,反トラスト法を執行するための共同管轄権を有している。両当局は管轄権を共有しているが,効率的な行政を実現し,審査の重複を回避するために,案件ごとに調整し,どちらの機関が審査を行うかを決定している(「クリアランス・プロセス」という。)。 FTCの2021年の声明(訳注:事前承認に関する政策声明)は,両当局が長年実施してきたクリアランス・プロセスを変更又は無効にするものではない。
 FTCは,賛成3対反対2の投票により,政策声明を発表することを議決した。ノア・ジョシュア・フィリップス委員とクリスティン・S・ウィルソン委員は,反対声明を発表した。

EU

欧州委員会,エヌビディアによるアームの買収計画について詳細審査を開始

2021年10月27日 欧州委員会 公表
原文
【概要】
 欧州委員会(以下「欧州委」という。)は,EU合併規則に基づき,エヌビディア(NVIDIA)によるアーム(Arm)の買収計画について詳細審査を開始した。欧州委は,買収後の当事会社が,エヌビディアの競合事業者によるアームの技術へのアクセスを制限する能力及びインセンティブを持つこととなり,本件買収計画が半導体産業における価格上昇,選択肢の減少及びイノベーションの低下につながることを懸念している。
 エヌビディアは,データセンター,IoT,自動車,ゲーム等様々な用途向けのプロセッサ製品を開発・提供している。アームは,特に半導体チップメーカーやシステムオンチップ(Systems-on-Chip。多様な機能を持つ集積回路で,以下「SoC」という。)の開発事業者に対して,処理装置に係る知的財産のライセンスを提供している。エヌビディアは,アーム買収によって,アームの技術及びライセンス事業を完全に掌握することとなる。
 
欧州委の競争に関する予備的懸念
 欧州委は,予備審査の結果,プロセッサ製品に使用される中央処理装置(CPU)の知的財産のライセンス供与市場において,アームが強大な市場支配力を有していると考えている。そして,欧州委は,合併後の事業者が,エヌビディアが競合する可能性のあるプロセッサ製品のプロバイダーによるアームの技術へのアクセスを制限又は低下させ得ることを懸念している。また,予備審査によれば,合併後の事業者は,様々な異なる分野のプロセッサ製品の供給市場における競争を減退させ得る閉鎖戦略を採る経済的インセンティブも有することとなる。競争減退のおそれがある分野は以下のとおり。
・データセンター用CPU
・データセンターで使用されるスマート・ネットワーク・インターコネクト(SmartNIC。ネットワーク,ストレージ,セキュリティ処理をCPUからオフロードし,CPUの負荷を軽減して処理を高速化するもの)
・自動車に搭載される先進運転支援システム(ADAS)に使用される半導体(自動車がドライバーを支援するための幅広い技術的特徴を含む。)
・インフォテイメント(infotainment)アプリケーションに使用される半導体(インフォテイメントとは,ドライバーや乗客のための車内における情報及びエンターテイメントを意味し,オーディオ・ビデオの再生,カーナビゲーションシステム,USB・Bluetooth接続,インターネットアクセス,Wi-Fiなど様々な機能を含む。)
・高性能なIoT機器を装備するSoC
・ゲーム機に搭載されるSoC
・一般的なPCに使われるSoC
 
 欧州委は,今後,これらの市場に関する当初の競争上の予備的懸念の妥当性を判断するため,詳細審査を開始する。
 また,欧州委は以下の点についても更に検討する。
・アームのライセンシーはエヌビディアと競合しているため,商業上の機密情報を合併後の事業者と引き続き共有することを躊躇する可能性があることに鑑み,本件買収がイノベーションを阻害するおそれがあるか否か。
・アームの研究開発費が,下流市場のエヌビディアにとって最も収益性の高い製品に集中し直すことにより,他の分野でアームの特定の知的財産に大きく依存している事業者に不利益をもたらす可能性。
 
 予備審査において,欧州委は世界各地の競争当局と緊密に協力してきた。欧州委は,詳細審査においても本協力を継続する。
 本件買収計画は,2021年9月8日に欧州委に届け出られ,10月6日にエヌビディアは欧州委の予備的懸念の一部に対処するための問題解消措置案を提出したが,欧州委は,本件買収計画の影響に関する重大な懸念を明確に払拭するには当該問題解消措置案は不十分であると判断したため,市場参加者に対する意見公募は行わなかった。
 詳細審査の期限は2022年3月15日である。詳細審査の開始は,最終結果を予断するものではない。

ASEAN

ASEAN競争当局首脳,競争政策・競争法に関する地域協力強化を約束

2021年10月11日 ASEAN事務局 公表
原文
【概要】
 ASEAN加盟国の競争当局の各首脳が,オンライン会合で,ASEAN地域における競争政策・競争法に関する協力関係の進捗及び発展について議論した。
同会合において,各首脳は,①ASEAN競争行動計画2025(ASEAN Competition Action Plan 2025)の中間レビューの実施,②ASEAN地域キャパシティビルディングロードマップ2021-2025の2021年重要成果物(Key Deliverables for 2021)の進展,並びに③ASEANの競争政策及び競争法における,独立性についての助言及び手続基準の策定について取り上げた。
 インドネシア事業競争監視委員会委員長であり,ASEAN競争当局首脳会議議長でもあるコドラット・ウィボウォ氏(故人)は,開会の挨拶において,経済復興に向けた競争政策のセーフガードに関して,インドネシアがASEAN競争当局者フォーラム以下「AEGC」という。)において議長の立場にあることを強調した。また,新型コロナウイルスは,ASEAN地域を含む世界中の何百万人もの生活に前例のない困難と混乱をもたらした。そして,ASEANは,いまだに法的枠組みと手続の違い,特に情報交換に関するものに苦悩しており,企業結合案件の情報共有に関するガイドラインの開発とそれに続く企業結合案件に関するASEAN情報ポータル(ASEAN Information Portal on Merger Cases)の立上げが重要であることが強調された。同ポータルは,国境をまたぐ企業結合案件に効率的に対処するために,競争法の執行協力を強化する第一歩となるものである。
 各首脳は,デジタル経済における競争政策・競争法に関するASEAN事件調査マニュアルの策定についても取り上げた。同マニュアルは,2022年のAEGCの重要成果物となるものである。また,各首脳は,ASEAN包括復興フレームワークの実施計画及びASEAN Eコマース協定の実施に関するASEANワークプランにおける競争イニシアティブについても議論した。
 同会合において,インドネシアは,自らが主導した取組である「新型コロナウイルスのパンデミックと経済復興が競争法・競争政策に与える影響に関する研究」の成果について発表した。ウィボウォ委員長は,経済復興に貢献するためにASEANの合意を形成すること並びに経済復興のために競争政策・競争法が果たすべき役割及びその著しい重要性を強調することが本研究の主要な目的であると説明した。同研究では,ASEANの競争当局が考慮すべき提案が明記されている。
 また,カンボジアから,競争法が年内に公布される見通しなど,競争法制定に向けた進捗状況についての報告がなされた。それに対して,各首脳からは,カンボジアがASEANで競争法を制定した最後の国であり,ASEANとしても制定後の施行に向けて支援を強化していくことなど,カンボジア当局に対して祝意が伝えられた。

オーストラリア

ACCC,広告技術のサプライチェーンにおけるグーグルの優位性が企業と消費者に悪影響を及ぼす可能性等を指摘

2021年9月28日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文
【概要】
 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は,広告技術(以下「アドテク」という。)分野の調査において,競争上の重大な問題を指摘しており,パブリッシャー(メディア等の媒体),広告主,そして最終的には消費者に悪影響を及ぼす可能性があるとしている。
 2021年9月28日に公表された報告書は,オーストラリアの既存の競争法執行だけでは,アドテク分野の競争に係る問題に十分に対処することができず,適切に対処するための具体的な規則を策定する権限をACCCに与えるべきであるとしている。
 アドテクサービスは,ウェブサイトやアプリ上の広告枠を売買するための複雑な取引を簡素化し,これにより消費者に広告が表示されている。
 報告書によると,グーグルはアドテクのサプライチェーンの主要部分において支配的地位にあり,2020年には,アドテクのサプライチェーンを通じて取引される広告表示回数(ad impressions)の90%以上が,少なくとも一つのグーグルのサービスを経由していたと推定される。
 アドテクのサプライチェーンにおけるグーグルの優位性は,消費者やその他のデータへのアクセス,排他的な広告在庫へのアクセス,アドテクサービスの統合など,複数の要因によって支えられている。グーグルは,2007年のダブルクリック(DoubleClick),2009年のアドモブ(AdMob),2006年のユーチューブ(YouTube)などの鍵となる買収を通じて,アドテク分野における地位を確立してきた。
 報告書によると,グーグルはその地位を利用して自社サービスを優遇し,競争を回避している。例えば,グーグルは,競合するアドテクサービスがユーチューブ上の広告にアクセスできないようにして,自社のアドテクサービスに重大な優位性を与えている。
 また,グーグルは,パブリッシャー主導のヘッダー入札(訳注:パブリッシャーの広告枠をめぐる競争を活性化させることを目的とした,業界のイノベーションとなった入札制度)への参加を拒否しており,以前は,自らが運営するサービスが,いわゆる「ラストルック(last look)」(訳注:入札取引について,入札の場を設定・運営する事業者が,自らも入札に参加する場合に,競合する入札参加事業者の入札が終了した後,競合事業者の応札結果を「見て」から自身の入札価格を決定し入札を行うことであり,これにより,特定の事業者が,入札取引において不当に有利な立場に立つという問題が生じる場合がある。)を行うことができるような運用をしていた。
 アドテクサービスは,デジタル経済において重要な役割を果たしており,アドテクサービスのおかげで,オーストラリアの事業者が消費者とつながったり,パブリッシャーがオンラインコンテンツに資金を供給したりすることが可能となる。
 報告書によると,オーストラリアにおいて,2020年には,アドテクのサプライチェーンを通じて販売された広告に対する広告主の支出のうち,少なくとも27%をアドテク・プロバイダー(訳注:アドテクサービスを提供するデジタルプラットフォーム事業者)が得ているとみられる。
 本報告書で提案するセクター別の規制は,新しいものではない。電気通信などの他の産業については,既に競争や透明性に関する懸念に対処するための固有の規則が存在する。
 報告書では,アドテクに関する規則案が,デジタルプラットフォーム市場で認識されている共通の競争及び消費者の懸念に対処するための,より広範な規制スキームの一部を形成する必要があるかどうかについても検討する。2022年第1四半期に報告書に関する協議を開始し,これらの問題に対処するための海外の法案も検討材料とする予定である。
 
グーグルのデータへのアクセスがアドテクにおける優位性に
 グーグルは,検索,マップ,ユーチューブなどの消費者向けサービスを通じて収集した大量かつ広範な一次情報にアクセスできる。グーグルが,一次情報を自身のアドテク事業にどの程度活用しているかは明らかではなく,業界関係者の困惑の基となっている。
 また,報告書は,計画中の新たなセクター別規則の下で,ACCCに,アドテク・プロバイダーのデータの優位性に起因する競争上の問題に対処するための特別措置を策定・実施する権限を与えることを提言している。例えば,一次情報の使用によって生じ得る競争上のリスクに対処するために,データの分離やデータへのアクセスを要求することなどである。
 
アドテク・サプライチェーンの透明性向上の必要性
 アドテクサービスの価格設定及び運用について,不透明であることも明らかになった。サプライチェーンが複雑であるために不透明になっており,広告主やパブリッシャーがサプライチェーンの運用状況を把握し,不正行為を検知することが困難になっている。
 報告書は,業界が基準を設定し,アドテク・プロバイダーが平均的な料金や手数料率を公表することを義務づけ,顧客が異なるアドテク・プロバイダーやサービス間で料金や手数料率を容易に比較できるようにすることが望ましいとしている。また,広告主がサプライチェーンで利用するサービスについて,完全かつ独立した検証を可能にする業界基準が望ましいとしている。
 また,報告書は,グーグルのパブリッシャーサービスに関する透明性の具体的な問題についても指摘しており,グーグルはパブリッシャーに対して,パブリッシャー広告配信専用サーバーによるオークションの運営状況及び結果に関する情報を提供することが求められると提言している。

ACCC,マイクロソフトによるニュアンスの買収計画を承認

2021年10月7日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文
【概要】
 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は,Microsoft Corporation(以下「マイクロソフト」という。)によるNuance Inc.(以下「ニュアンス」という。)の買収計画を承認した。
 ニュアンスは,主に医療用音声認識・転写ソフトウェアを提供しているほか,事業者の顧客対応サービスを機械化する顧客エンゲージメント・ソフトウェアも提供している。
 ACCCの調査によると,現在,オーストラリアにおいて,医療用転写製品は広く普及していない。しかしながら,ニュアンスは,他の医療用転写製品メーカーとの競争に直面しており,医療分野に進出してきている他の大手テクノロジー企業との将来的には競争に直面する可能性がある。
 ACCCは,本件買収計画が顧客エンゲージメント・ソリューション市場における競争を実質的に制限する可能性は低いとも判断した。
 マイクロソフトのツールはソフトウェア開発者向けのものであり,事業者が顧客対応のために使用する最終版の製品ではないため,マイクロソフトは,事業者向け製品の供給において,ニュアンスとは競争関係にない。
 ACCCはまた,本件買収計画によって,マイクロソフトが,ニュアンス又はマイクロソフトの競合企業の効果的な競争を妨げることはないともしている。

中国

SAMR,美団が中国国内フード・デリバリー・プラットフォーム・サービス市場で行った「二者択一」独占行為に対して行政処罰の決定を発出

2021年10月8日 国家市場監督管理総局 公表
原文
【概要】
 2021年4月,国家市場監督管理総局(以下「SAMR」という。)は,「独占禁止法」に基づき,美団(訳注:北京に本社を置く大手インターネット生活サービス事業者)が中国国内フード・デリバリー・プラットフォーム・サービス市場において行った市場支配的地位の濫用行為について立件し,調査を行った。
 SAMRは専門チームを組織し,法に基づき堅実かつ効率的に事件調査を進め,調査,証拠収集を広く行い,大量の証拠資料を得て詳細な分析を行い,事件の事実を明らかにした。また,専門家を組織し研究論証を行ったほか,美団の意見を聴取し,その合法的 権利を保障し,本件の事実の明確性,証拠の確実性,事件の性質の正確な把握,処理の妥当性,手続の完全性及びプロセスの合法性を確保した。
 調査によると,2018年以来,美団は中国国内フード・デリバリー・プラットフォーム・サービス市場における市場支配的地位を濫用し,差別的な料金設定をしたり,オンライン店舗の出店を遅延させたりする等の方法で,プラットフォーム内事業者との間で独占的契約を締結するよう促した。また,独占的契約保証金の徴収やデータ,アルゴリズム等の技術的手段を通じて,様々な懲罰的措置を採り,「二者択一」独占行為(訳注:自社のフード・デリバリー・プラットフォーム上で事業を行う飲食事業者に対して,他のプラットフォームへ出店しない旨の排他的契約を締結する行為)の実施を担保し,関連市場における競争を排除,制限したほか,市場における資源等の自由な移動を妨害し,プラットフォームのイノベーション及び発展を弱め,プラットフォーム内の事業者と消費者の合法的権益を侵害した。これは,独占禁止法第17条第1項第4号が禁止する,「正当な理由なく,取引相手方が自己とのみ取引を行うよう限定すること」という市場支配的地位の濫用行為を構成するものである。
 独占禁止法第47条及び第49条の規定に基づき,美団の違法行為の性質,程度及び持続時間等の要素を総合的に考慮し,2021年10月8日,SAMRは同法に基づき行政処罰決定を発出し,美団に対して違法行為の停止,独占的契約保証金12.89億元(約230億円)全額の返還を命じ,2020年における中国国内売上額1147.48億元(約2兆480億円)の3%である34.42億元(約614億円)の制裁金を課した。同時に,美団に対して「行政指導書」を発出し,プラットフォーム手数料徴収システムやアルゴリズム規則の整備,プラットフォーム内の中小飲食事業者の合法的利益の保護,配送員の合法的権益の保護の強化等について全面的な改善を行うこと,今後3年間,SAMRに対してコンプライアンス自主検査報告を提出することを要求した。それにより,改善を確かなものとし,イノベーションを規範として健全で持続的な発展を実現することとした。
 

英国

CMA,「より良い規制枠組み改革」についての対応策を公表

2021年10月8日 英国競争・市場庁 公表
原文
【概要】
 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は10月8日,ビジネス・エネルギー・産業戦略省(以下「BEIS」という。)が7月22日から意見公募を行った「より良い規制枠組み改革(Reforming the Better Regulation Framework)」と題する提言(訳注:6月16日に,イノベーション・成長・規制改革に関するタスクフォース〔Taskforce on Innovation, Growth and Regulatory Reform〕が公表した報告書を受け,BEISが英国のEU離脱後の規制の在り方について検討を進めたもの)を受け,同提言への対応策を公表した。
 概要は以下のとおり。
1.CMAは,英国の主要な競争及び消費者当局である。どの省庁にも属さない独立した政府機関であり,合併,市場,規制産業に関する調査を実施し,競争法及び消費者法の執行を担当している。法令上の責務は,消費者利益の確保の観点から,英国内外において競争を促進することである。
2.CMAの助言及び勧告は,英国政府の政策決定(規制すべきか否か及びどのように規制するかを含む。)が競争及び消費者への影響を確実に考慮することを目的として行われる。これらの影響は,規制の取組の成否及びそれが達成を目指す成果の鍵となり得るが,特に中央省庁が所管する市場は,経済及び金融関係の規制当局が所管する市場と比べると十分に理解されておらず,厳密に監視されていないため,これらの影響が政策評価・設計・実施のサイクルの過程で見落とされたり,十分に分析されなかったりすることがある。
3.CMAの見解では,市場に存在する規制の数ではなく,規制そのものが市場における競争を促進するか否かが重要である。市場の特徴と政府の目的次第で,適切に設計された規制が最良のアプローチとなる場合もあれば,規制に代わるアプローチが望ましい場合もある。例えば,規制が過度に煩雑あるいは規範的で,イノベーション及び競争圧力を阻害し,又は不相応なコストを課し,消費者に害をもたらす場合は,規制に代わるアプローチが望ましい。
4.政策評価の段階で市場を理解することは,どのようなアプローチを採用すべきかを決定する上で不可欠である。また,規制の実施及び評価の際に,その理解を維持ないし見直すことは,政府が検討する規制が相応かつ効果的であり,競争やイノベーションを不当に抑制しないことを担保する上で重要である。
5.規制の影響を受ける市場及びその運営状況について,的確に認識することは,競争,イノベーション及び消費者の利益を促進する政策を選択するための前提条件である。政策立案者には,この認識を構築・維持できることが求められ,規制が各市場に与える潜在的な影響について,規制の評価を行う一時点のみならず,政策サイクル全体を通じて検討しなければならない。
6.「より良い規制枠組み改革」提言にある既存の競争促進条項(existing pro-competition provisions)は,維持又は強化されるべきである。具体的には,CMAによる競争評価チェックリストに掲げられている項目を確認し,提案されている規制が競争制限につながるおそれがある場合には,競争影響評価(訳注:2002 年から規制の影響評価の一環として実施することとされている。)の実施等をすべきである。
7.競争とイノベーションとの間に強い関連性があることから,イノベーションに係る法的拘束力のある規制を追加した場合,各業界に対応する規制当局(sector regulators)が,利益を伴わないリスク(競争圧力からの保護を求める既存企業によるロビー活動等)を負う可能性がある。
8.ビジネス影響目標(Business Impact Target。以下「BIT」という。)やOIXO(one-in-X-out)制度(訳注:一つの規制を導入する際に,複数の既存の規制を廃止するという考え方)といった既存の枠組みの下では,規制に関する意思決定が,特に,事業者が負担する直接費用といった最も貨幣化しやすい要素によって判断されるリスクがある。その結果,政府が掲げている他の規制目的(競争やイノベーションの促進,国内外での高い基準の設定等)との間で整合性のとれない決定がなされるおそれがある。したがって,CMAは,BITを根本的に見直すべきだという提言を支持し,また,英国政府がOIXO制度の再導入を決定する場合でも,CMAは,特定の業界又は規制を対象とするより限定的な制度とする提案を支持する。上記のどのようなアプローチが採択されたとしても,競争促進措置を含む適切な規制の適用除外を設計することが求められる。

CMA,初期執行命令違反でフェイスブックに対して制裁金賦課

2021年10月20日 英国競争・市場庁 公表

原文

【概要】
 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は,既に完了した買収に対する審査を開始する際には,一般的には,初期執行命令(Initial Enforcement Order。以下「IEO」という。)を発出する。IEOの発出によって,事業者が合併していない場合と同様の競争を継続することが確保され,CMAによる合併審査中に,当該事業者による更なる統合が行われることを防止することができる。CMAは,2020年6月,フェイスブック(Facebook)によるジフィー(Giphy〔訳注:GIFアニメーションプロバイダー。GIFとは,簡易的なアニメーションの表示に用いられる画像形式の一種であり,ジフィーのようなGIFアニメーションプロバイダーは,GIFを作成・共有・検索できるウェブサイトを運営している。〕)の買収について,IEOを発出した。
 CMAは,フェイスブックに対して,IEOの履行状況について定期的に報告することを求めている。CMAが再三にわたり警告したものの,フェイスブックは,極めて限定的な範囲でしか当該要求に従っていなかった。また,競争審判所及び控訴院は昨年,フェイスブックが,CMAへの協力を怠ったこと,さらに,IEOを遵守せず,IEOに基づくCMAへの定期報告を怠ったことに関して「ハイリスクな戦略」と批判した。
 定期的な履行状況報告書は,フェイスブックが,CMAの審査に悪影響を及ぼすおそれのある行為を行っていないかなど,同社の行動を監視するために極めて重要なものである。
 当事会社がCMAへの報告を意図的に拒否したことを理由に,CMAがIEO違反を認定したのは,本件が初めてである。CMAは,フェイスブックに対して何度も警告していることから,フェイスブックが意図的にIEOに従わなかったと認定した。結果として,CMAは,本件違反行為が,問題の予防,監視及び是正を根本的に損なうものであるとして, フェイスブックに対して,5000万ポンド(約78億5000万円)の制裁金を課した。
 このほか,CMAは,フェイスブックが事前にCMAの同意を求めることなくチーフ・コンプライアンス・オフィサーを2度変更したことについて,50万ポンド(約7850万円)の制裁金を課した。
 なお,フェイスブックによるジフィーの買収に係るCMAの合併審査自体は継続中であり,両当事会社との建設的な関係の下で審査を進めていくものである。本件合併に関する決定は下されていない。

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