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海外当局の動き

最近の動き(2021年8月更新)

米国

コロンビア特別区司法長官,オンライン小売市場における違法な価格支配を差し止めるため,Amazonに対して反トラスト法訴訟を提起

2021年5月25日 コロンビア特別区司法長官 公表
原文

【概要】
 コロンビア特別区(以下「DC」という。)司法長官(訳注:カール・ラシーヌ(Karl Racine)氏)は本日,Amazon.com, Inc.(以下「Amazon」という。)に対して,オンライン小売市場において消費者向けの販売価格を引き上げ,技術革新及び消費者の選択の機会を阻害していたとして,反トラスト法に基づき,反競争的行為の差止めを求める訴訟を提起した。
 DC司法長官室は,Amazonが過去から現在に至るまで,同社のプラットフォーム上のサードパーティセラー(以下「TPS」という。)に対して適用している契約条項及びポリシーによって,オンライン市場の小売価格を固定化していると主張している。最恵国待遇(MFN)契約として知られるこれらの契約条項及びポリシーによって,Amazon.comで商品を販売しているTPSは,自社のウェブサイトを含む他のオンラインプラットフォームにおいて,より低い価格やより良い条件で商品を販売することが妨げられている。これらの契約は,Amazonが請求する高額な手数料(商品価格の合計の40%にも及ぶ)を,Amazonのプラットフォーム上だけでなく,他のオンラインプラットフォームにおいても,顧客に請求する価格に含めるように,TPSに対して事実上要求している。その結果,これらの契約は,オンライン小売市場において人為的に高い価格を課し,Amazonが,DCの反トラスト法に違反して,独占的な力を構築・維持することを可能にしている。これらの契約による効果は,消費者やTPSに損害を与え,競争,選択の機会,技術革新を制限するといった部分にまで影響を及ぼしている。DC司法長官室は,Amazonによるオンライン市場の小売価格の支配を差し止めるとともに,損害賠償,制裁金及び訴訟費用の支払いを求めている。
 Amazonは,世界最大のオンライン小売業者であり,オンライン市場の売上げの50~70%を占める。Amazonは,自社製品や大手メーカーから供給された製品を,自社のオンラインプラットフォーム上で販売している。また,TPSは,自社製品を「Amazon Marketplace」において販売することもできる。Amazonの優位性と膨大な顧客基盤により,200万以上のTPSがAmazon Marketplaceに依存している。
 2019年,Amazonは,TPSが自ら運営するウェブサイトを含む,競合するオンラインプラットフォームにおいて,TPSがAmazonで販売する場合よりも低価格又は有利な条件で商品を提供することを明示的に禁止する価格同等性条項(price parity policy)を撤廃したと主張した。しかし,実際には,Amazonは,その後すぐに水面下で,価格同等性条項と実質的に同一である「公正価格条項」(fair pricing policy)を導入した。公正価格条項の下では,TPSが,競合するオンラインプラットフォームでより低い価格又はより良い条件で商品を提供した場合に,制裁を受けたり,Amazonとの取引から完全に排除されたりするおそれがある。
 訴状では,AmazonがTPSに課している価格契約は,一見して反競争的であり,DCの反トラスト法に違反しており,Amazonがオンライン小売市場で独占的な力を違法に構築・維持するものであると主張している。訴状によると,Amazonは,具体的に以下の行為を行っている。

  •  消費者向けの価格の引上げ:AmazonのMFN条項は,消費者がオンライン小売市場で購入する商品に支払う価格を人為的に上昇させることにより,消費者に損害を与えている。TPSがAmazonで販売する場合,Amazonの要求する高額な手数料を消費者に転嫁しなければならない。TPSは,手数料が低い若しくは存在しない他のプラットフォーム又は自社のウェブサイトで,より低いコストで商品を販売することができるが,AmazonのMFN条項は,TPSがこうした削減分を消費者に還元することを妨げている。これらの契約により,オンライン市場全体に人為的に高い「下限」が作られ,他のプラットフォームが低価格販売で消費者をAmazonから誘引することや市場シェアを獲得したりすることを妨げている。このような制限がなければ,商品はより低価格で消費者に提供されるはずである。
  •  オンライン小売市場の競争の阻害:Amazonは,他のプラットフォームが市場シェアを獲得するために価格競争を行うことを妨げることにより,オンライン小売市場での優位性を維持している。オンラインショッピングの利用者が購入を決定する際に最も重要な要素は価格である。Amazonは,TPSが他のオンラインショップでより低い価格を設定できないようにすることにより,意味のある競争から自ら距離を置いている。
  •  消費者の選択の機会を奪う:Amazonの反競争的行為は,オンライン小売市場における消費者の選択の機会を減らし,技術革新を抑制し,潜在的に競合関係にあるプラットフォームへの投資を減少させている。

 DC司法長官室は,本訴訟により,Amazonがオンライン小売販売において競争を阻害したり,独占的な地位を維持するために用いている違法な価格契約を差し止めようとしている。また,Amazonや他の事業者による同様の行為を抑止するために,損害の回復と制裁金の賦課を求めている。
 

DOJ,全農子会社によるBungeのカントリーエレベーター事業の買収について,農家保護のために実質的な事業分割を要求

2021年6月1日 米国司法省 公表
原文

【概要】
 米国司法省は,全国農業協同組合連合会(以下「全農」という。)の子会社のZen-Noh Grain Corp.(以下「ZGC」という。)がBunge North America Inc.から営業中の35基及び休止中の13基のカントリーエレベーターを3億ドルで買収する計画を進めるためには,ZGCがミシシッピ川及びその支流沿いの5州9地域のカントリーエレベーター9基を売却する必要があると発表した。
 司法省反トラスト局は,本件買収計画を阻止するために,コロンビア特別区の連邦地方裁判所に反トラスト民事訴訟を提起した。同時に,反トラスト局は,裁判所の承認により,同局が抱く競争上の懸念を解消するであろう和解案も提出した。
 訴状によると,被告は9地域で競合する少数の穀物購入者のうちの2社である。米国司法省から要求のあった事業分割がなければ,当事会社は,穀物の購入価格や農家に提供するサービスの品質を低下させることが可能となる。本事業分割により,カントリーエレベーターの購入者は,対象市場におけるトウモロコシ及び大豆の購入について,当事会社と精力的に競争できるようになり,アーカンソー州,アイオワ州,イリノイ州,ルイジアナ州及びミズーリ州の農家の利益のための競争が維持されることとなる。
和解案で示された事業分割案は,裁判所の承認により,ZGCがカントリーエレベーターをViserion Grain LLC(以下「Viserion」という。)又は米国が承認した他の買収者に売却することを求めている。Viserionの経営陣は,穀物産業における経験が豊富である。
 ZGCは,ルイジアナ州コヴィントンに本社を置く,全農の米国法人である。ZGCは,ルイジアナ州コンベントにある輸出用のカントリーエレベーターから,トウモロコシ,大豆,ソルガム,小麦及びこれらの副産物を,日本をはじめとする世界の市場に輸出している。
 Bunge North America Inc.は,Bunge Limitedの北米部門である。同社は,ミズーリ州チェスターフィールドに本社を置き,穀物調達,穀物加工及び穀物取引を行っている。
Viserionは,Pinnacle Management L.P.(以下「Pinnacle」という。)の資金援助によって設立された,コロラド州を拠点とする世界的な農業事業者Viserion International Holdco LLC傘下の企業である。Pinnacleは,ニューヨークを拠点とする32億ドル規模のオルタナティブ資産運用会社であり,世界規模で商品取引を行っている会社である。
 

オハイオ州司法長官,Googleを公共事業者と認定するように求める画期的な訴訟を提起

2021年6月8日 米国オハイオ州司法長官 公表
原文


【概要】
 オハイオ州のDave Yost司法長官は本日,Googleの強力な検索エンジンがオハイオ州民に対して提供する検索結果を制限しており、Googleを公共事業者として認定するように裁判所に求めるという画期的な訴訟を提起した。
本件のような訴訟を起こしたのは,オハイオ州が米国で初めてである。
デラウェア郡裁判所に提起された本件訴訟では,Googleに対して以下の二つの訴因が主張されている。

  • 本件訴訟では,Googleが政府の適切な規制を受けるべき電気通信事業者(又は公共事業者)であるとする法的宣言を求めている。
  • 本件訴訟では,Googleが,競争資源又は同社が有するのと同等の権利を競争事業者に提供する義務,すなわち検索結果のページにおいて同社の商品やサービス,ウェブサイトを優遇してはならないという義務を負っていると主張している。これらと同等の権利は,広告,拡張機能,ナレッジボックス,統合専門検索,ダイレクトアンサー,その他の機能にも適用されるべきである。

 なお,本件訴訟において,金銭的な損害賠償は求めていない。
 Yost長官は,全ての情報が得られなければ最適な選択はできないことから,オハイオ州民はGoogleによって損害を受けていると分かりやすく主張している。例えば,あるユーザーが航空便を検索する際に,Googleが検索結果を表示して「Google Flights」に誘導した場合,当該ユーザーはOrbitzやTravelocityなどの競合他社が提供するサービスを見ることができない。
 本件訴訟は,Yost長官がGoogleを相手に起こした2件目の反トラスト訴訟である。昨年12月には,他州の司法長官37人とともに,シャーマン法第2条に違反する行為があったとして,Googleを連邦裁判所に提訴した。
シャーマン法は,事業者が独占状態を形成することにより競争を制限することを取り締まる連邦法である。
 本件訴訟では,検索エンジン市場において競争が活発化することにより,プライバシー保護が向上し,消費者に対する的確な検索結果と機会が提供され,消費者に利益をもたらすと主張している。
 また,複数の州にまたがる訴訟においても,競争力のある検索エンジンは,広告主に対して,より高品質な広告をより低価格で提供することができると主張している。
 

FTC,セブン子会社による反競争的な210億ドルのSpeedway Retail Fuel Chain買収について小売店舗数百か所の売却を命令

2021年6月25日 米国連邦取引委員会 公表
原文

【概要】
 7-Eleven, Inc.(以下「7-Eleven」という。)及び米国Marathon Petroleum Corporation(以下「マラソン社」という。)は,7-Elevenによるマラソン社の子会社Speedwayの買収が反トラスト法に違反しているという米国連邦取引委員会(以下「FTC」という。)の懸念を解消するため,20州の293地域においてガソリン及びディーゼル燃料を販売している数百か所の店舗を売却することに合意した。7-Elevenは,本件買収がクレイトン法第7条及び連邦取引委員会法第5条に違反することを知りながら,2021年5月14日に買収を完了していた。
 7-Elevenは,東京に本社を置く株式会社セブン&アイ・ホールディングスの子会社であり,米国内に約9,000店舗のコンビニエンスストアを所有,運営,フランチャイズ展開している米国最大のコンビニエンスストアチェーンである。7-Elevenの約半数の店舗は,燃料も販売している。マラソン社は,石油および石油製品について,精製から販売,小売,輸送までを一貫して行う事業を運営している。買収前,マラソン社は,Speedway社を通じて,全米で約4,000のガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアを運営していた。
 FTCによれば,ガソリン及びディーゼル燃料の小売市場は地域ごとに厳密に分割されており,消費者はガソリンやディーゼル燃料の小売販売に代わる経済的・実用的な代替手段を持っていない。FTCは,本件買収により,アリゾナ州,カリフォルニア州,フロリダ州,イリノイ州,インディアナ州,ケンタッキー州,マサチューセッツ州,ミシガン州,ノースカロライナ州,ニューハンプシャー州,ネバダ州,ニューヨーク州,オハイオ州,ペンシルバニア州,ロードアイランド州,サウスカロライナ州,テネシー州,ユタ州,バージニア州及びウェストバージニア州にまたがる293地域における燃料の小売販売競争が損なわれると主張している。これらのうち140地域ではガソリンの小売販売競争が,29地域ではディーゼル燃料の小売販売競争が,124地域では両製品の小売販売競争が,それぞれ損なわれることになる。また,問題解消措置の実施がなければ,293地域において,本件買収により,独立した競合他社の数が3社以下に減少するとしている。
同意命令案において,7-Elevenとマラソン社は,Speedway社の123店舗と7-Eleven社の1店舗の合計124店舗のガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアをAnabi Oil社に売却することが求められている。また,Cross America Partners社に対し,Speedway社の105店舗と7-Elevenの1店舗の合計106店舗のガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアを売却することが求められている。さらに,Speedway社のガソリンスタンド併設型コンビニエンスストア63店舗をJacksons Food Stores社に売却する必要がある。
 加えて,買い手がこれらの市場で積極的に競争することを妨げる要因を排除するため,同意命令案では,7-Elevenが売却したフランチャイズ加盟店又はその従業員に対して,競業避止義務を課すことを禁止している。
 また,同意命令案では,7-Elevenとマラソン社に対して,今後5年間,売却した店舗を購入する際には,事前にFTCの承認を得ることを要求している。両社は今後10年間,問題となっている293地域とこれとは別の3地域において,売却した資産及びFTCが定めるその他の資産を将来買収する際には,事前にFTCに届け出なければならない。これらの市場での買収は,同様の競争上の懸念を引き起こす可能性が高いが,ハート・スコット・ロディノ法の企業結合の事前届出基準を下回る可能性がある。
 本同意命令案のパブリックコメントでは,両社に「資産維持管理者」(asset maintenance manager)を指定するよう要求するとともに,同意命令の履行を確保し,資産維持管理者を監督するために,独立した第三者監視機関としてClaroグループを任命するといった同意命令案の詳細が記載されている。
 FTCは,本件の調査において緊密に協力したフロリダ州司法長官及びカリフォルニア州司法府に対して感謝の意を表している。
 パブリックコメントのために同意命令案を受け入れることに係るFTCの投票は賛成4,反対0で,リナ・カーン委員長は同投票に参加しなかった。

EU

欧州委員会,欧州国債の取引カルテルに関与したとして投資銀行に3億7100万ユーロの制裁金を賦課

2021年5月20日 欧州委員会 公表
原文

【概要】
 欧州委員会は,Bank of America,Natixis,野村證券,RBS (現NatWest),UBS,UniCredit及びWestLB (現Portigon)(以下これら事業者を「7社」という。)が,欧州国債(EGB)の発行市場及び流通市場(the primary and secondary market)におけるカルテルに参加し,EU競争法に違反したと認定した。
 野村證券,UBS及びUniCreditには,総額3億7100万ユーロの制裁金が課された。NatWestは,カルテルを欧州委員会に明らかにしたため,制裁金を免れた。Bank of America及びNatixisは,違反行為が制裁金賦課の対象期間外であったため,制裁金は課されなかった。Portigon社は,制裁金の基準となる前年度の売上げがなかったことから,制裁金は課されなかった。
 7社は,「閉鎖的な信頼の輪」の下で活動する欧州国債のトレーダーのグループを通じてカルテルに参加していた。各社のトレーダーは,主にブルームバーグ端末の多人数チャットルームで定期的に連絡を取り合っていた。そして,チャットルームにおいて,各社のトレーダーは取引上の機密情報を交換していた。各社のトレーダーは,オークション開催までの間に入札価格,入札数量,顧客向けの価格等を互いに連絡し合い,情報を更新していた。また,各社のトレーダーは,ユーロ圏の加盟国がユーロ建て債券を発行する際のオークションにおける自らの入札戦略や,債券流通市場での取引パラメータについて,繰り返し情報を更新しながら情報交換を行っていた。
 本件違反行為は,欧州金融危機の最中,具体的には2007年から2011年までの間に行われ,欧州経済領域全域に影響を及ぼした。
 7社の行為は,価格に関する受注調整などの反競争的な商慣行を禁止するEU競争法に違反する(EU機能条約第101条及びEEA協定第53条)。
 本日の決定は,金融商品の取引に影響を及ぼすカルテルを巡る過去の事件とともに,欧州委員会が金融部門を含む全ての市場における反競争的行為に対処する決意を示している。
 

欧州委員会がFacebookを反競争的行為の疑いで調査

2021年6月4日 欧州委員会 公表
原文

【概要】
 欧州委員会は,Facebookがクラシファイド広告等の広告市場において他の広告主と競争するために,広告主から収集したデータを用いることがEU競争法に違反する否かを評価するため,同社に対して正式審査を開始した旨を公表した。また,正式審査では,EU競争法に違反して,Facebookがクラシファイド広告サービス「Facebook marketplace」を自社のソーシャルネットワークへ接続しているか否かについても評価することとなる。
 Facebookは,登録したユーザーがプロフィールを作成し,写真やビデオをアップロードし,メッセージを送り,他の人々とつながることができるソーシャル・ネットワーキング・サービスである。また,Facebookは,ユーザーが互いに物品を売り買いできるプラットフォームであるFacebook Marketplaceと呼ばれるクラシファイド広告サービスを提供している。
本審査において,欧州委員会は,Facebookがソーシャルネットワーク及びオンライン広告における地位により,事業活動を行っている隣接市場,特にオンライン上のクラシファイド広告(online classified ads)市場における競争を阻害することが可能となっているか否かについて詳細に調査する。
 Facebookと直接競合する事業者は,Facebook上で自社のサービスを広告する際,商業上価値のあるデータをFacebookに対して提供することがある。Facebookは,当該データを提供した事業者と競争する際に,事業者から提供された当該データを利用している可能性がある。
 これは特に,多くの欧州の消費者が物品を売買するプラットフォームであるオンライン上のクラシファイド広告市場での競争について当てはまる。オンライン上のクラシファイド広告提供事業者は,Facebookのソーシャルネットワーク上で自社のサービスを広告している。同時に,Facebookのオンライン上のクラシファイド広告サービスであるFacebook Marketplaceと競合関係にある。
予備審査の結果,欧州委員会は,Facebookがオンライン上のクラシファイド広告サービスにおける競争をゆがめていると懸念している。特に,Facebookは,自社のFacebook Marketplaceが競合事業者との競争に勝つために,Facebookのソーシャルネットワーク上で競合事業者が広告を行う際に競合事業者から収集したデータを利用している可能性がある。例えば,Facebookは,ユーザーの嗜好に関する正確な情報を競合事業者の広告活動から入手し,Facebook Marketplaceの修正に当該データを利用することができた可能性がある。
 また,欧州委員会は, Facebook Marketplaceをソーシャルネットワークに組み込むことが,顧客へのアプローチに当たって競合他社よりも優位に立つ又は競合するクラシファイド広告事業者を排除する抱き合わせ行為に該当するか否かについても調査する。 

英国

CMAがFacebookの広告データ利用について調査

2021年6月4日 英国競争・市場庁 公表
原文

【概要】
 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は,Facebookが,クラシファイド広告や出会い系サービス(online dating)を提供するに当たり,特定のデータの収集・利用方法によって競合他社よりも不当に有利な立場を得たか否かを確認するため,調査を開始した。
 Facebookは,他の事業者がFacebookユーザー向けに広告を掲載できるデジタル広告サービスや,FacebookユーザーがFacebookのログイン情報を使って他のウェブサイトやアプリ,サービスにサインインできるシングルサインオンの仕組みを通じて,データを収集している。
 CMAは,Facebookが広告やシングルサインオンによって得られたデータを,自社サービス,特に,ユーザーや事業者が商品を販売するための広告を掲載できる「Facebook Marketplace」及び2020年に欧州で開始した出会い系サービス「Facebook Dating」のために不当に使用しているか否か調査する。
 また,欧州委員会も本日,Facebookのデータ利用に関する調査を開始した。CMAは,それぞれ独立して行う調査の進捗に応じて,欧州委員会と緊密に連携する。
 CMAの調査は開始されたばかりであり,Facebookが法律に違反しているかどうかについての判断はなされていない。
 CMAは,4月にデジタル・マーケット・ユニット(Digital Markets Unit,以下「DMU」という。)を立ち上げた。DMUは,今回のFacebookの広告データの利用に関する調査とは別に,行動規範(code of conduct)がデジタルプラットフォームとデジタルプラットフォームに依存して潜在顧客を獲得する中小事業者との取引関係をどのように規律するかについての検討を開始した。DMUは,調査権限を付与する法律が制定されるまでの間,法定外の「影の組織」として活動している。これに先立ち,CMAは,必要に応じて強制措置を採ることも含め,デジタル市場における競争と消費者利益を促進する調査を継続する。
 本調査は,CMAが最近デジタル市場で開始した競争法違反の疑いに関する3件目の調査である。また,CMAは,GoogleのPrivacy SandboxとAppleのAppStoreについても調査している。 

CMAがAppleとGoogleのモバイルエコシステムについて市場調査を開始

2021年6月15日 英国競争・市場庁 公表
原文

【概要】
 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は,AppleとGoogleがOS(iOS及びAndroid),アプリストア(App Store及びPlay Store),ウェブブラウザ(Safari及びChrome)の供給を実質的に二重に独占していることで,幅広い分野で消費者が不利益を被っている可能性がないかどうかを詳しく調査している。
 「モバイルエコシステム」とは,消費者が,音楽,テレビ,ビデオのストリーミングに加え,フィットネス,ショッピング,バンキングなど,さまざまな製品,コンテンツ,サービスにアクセスするためのゲートウェイの集合体を指す。また,これらの製品には,スマートスピーカー,スマートウォッチ,ホームセキュリティ,照明(携帯電話から接続して操作可能)などの技術や機器も含まれる。
 CMAは,両社がモバイルエコシステムを支配することによって,様々なデジタル市場の競争が阻害されているかどうかを調査している。CMAは,こうした状況下で,デジタル市場におけるイノベーションが低下し,機器やアプリ,あるいは広告価格の上昇によって,消費者が商品やサービスに対して高い価格を支払うことになるのではないかと懸念している。
 本調査では,Apple及びGoogleのスマートフォンを通じて消費者に商品を提供し両社に依存しているアプリ開発者など,他の事業者に対する両社の市場支配力の影響についても調査する。
 この調査は,CMAが担う幅広い業務の一環であり,デジタル・マーケット・ユニット(Digital Markets Unit)を通じて,デジタル市場において新たに競争促進的な規律を設けることも念頭に置いているものである。CMAは,こうした政府内の取組と合わせて,デジタル市場における競争の評価と保護のために,引き続き,既存の権限を最大限活用する予定である。
 CMAは,AppleのApp StoreとGoogleのPrivacy Sandboxについて,競争上の問題の観点から別途調査を行っている。先行しているこれらの調査はいずれも本調査の範囲内に含まれるものであるが,モバイルエコシステムに関するCMAの活動は,これらの調査より更に広範囲にわたるものである。CMAは,消費者や事業者にとって最良の結果を得るべく,これら関連する全ての案件を連携させたアプローチを採る予定である。
 市場調査においては,政府やその他の機関に対して提言を行い,必要に応じて事業者や消費者にガイダンスを提供することが可能である。
 CMAは,7月26日までに想定される問題についての意見募集を行っており,また,同日までにアプリ開発者からアンケートを通じて意見を求めている。CMAは,12か月以内に本調査を終了する予定。 

フランス

フランス競争委員会,ネット広告市場において自社サービスを優遇したとして,Googleに対し2億2000万ユーロの制裁金を賦課

2021年6月7日 フランス競争委員会 公表
原文

【概要】
 フランス競争委員会(以下「競争委員会」という。)は,News Corp Inc.,Le Figaroグループ(訳注:Le Figaroグループは,2020年11月6日に申告を取り下げた。)及びRossel La Voixグループからの申立てを受けて,Googleに対する調査を行ってきたところ,同社がウェブサイト及びモバイルアプリのパブリッシャー向け広告サーバー市場における支配的地位を濫用したとして,同社に対して最大2億2000万ユーロの制裁金を賦課する命令を発出した。競争委員会によれば,Googleは,「Google Ad Manager」のブランドで提供する独自技術をDFP広告サーバー(サイトやアプリの媒体社が広告スペースを販売できるようにするもの)及びSSP AdX販売プラットフォーム(媒体社が「インプレッション」又は広告インベントリを広告主に販売できるようにするオークション過程を取りまとめるもの)の運用に際して,自社を優遇することにより,競合他社及び媒体社に不利益を与えていた。
  問題の行為は,SSP市場におけるGoogleの競合他社並びにモバイルサイト及びアプリケーションの媒体社に不利益を与えたという点で,特に深刻なものである。その中でも,競争委員会に申告を行ったメディアグループは,紙面の売上減少及びそれに伴う広告収入の減少により,その経営モデルが非常に弱体化している上に,本件により影響を受けていた。
支配的地位にある企業は,能率競争とは無関係な行為によって効果的で健全な競争を損なうことのないよう一定の責任を負っていると考えられている。
 Googleは,本件の事実関係に異議を唱えず,和解による解決を希望し,競争委員会はその希望を受け入れた。Google は,Google Ad Manager サービスとサードパーティの広告サーバー及び広告枠販売プラットフォームとの相互運用性を向上させること,並びにGoogle に有利な規定を廃止することを内容とする和解案を提案した。競争委員会はこれらの和解案を受け入れ,和解案に法的拘束力を付与する決定を行った。

ドイツ

ドイツ連邦カルテル庁,Google News Showcaseについて調査

2021年6月4日 ドイツ連邦カルテル庁 公表
原文
 

【概要】
 ドイツ連邦カルテル庁(以下「カルテル庁」という。)は,Alphabet Inc.,米国のMountain View及びその関連会社(以下「Google」という。)に対し,同社が提供するGoogle News Showcaseサービスについて,ドイツ競争制限禁止法に基づく審査手続を開始した。本件審査は,主に,大規模なデジタル事業者に適用される新たな規定による新たな権限に基づくものである。これは,改正ドイツ競争制限禁止法(以下「GWB」という。)第19a条に基づき,複数市場での競争にとって顕著な重要性を有するか否かを判断するために,カルテル庁が2021年5月25日に開始したGoogleに対する審査手続と同様の手続である。過去数か月の間に,Googleに対する審査手続とは別に,カルテル庁は,既にこの新しい競争法に基づいて,Facebook(2021年1月28日付け)及びAmazon(2021年5月18日付け)に対する調査を開始している。
 Google News Showcaseは,出版社のニュースコンテンツを目立つように,かつ詳細に表示させるGoogleのサービスである。Googleは,当該サービスをドイツの多くの出版社に対して提供している。
2020年10月1日,Googleは,ドイツでの「Google News Showcase」のサービス開始を発表した。Googleによると,当該サービスは,Googleが掲載料を支払っている高品質なジャーナリズム・コンテンツを紹介するものだという。当初,20社のメディア企業が参加し,50の出版物を提供していたが,その後,サービスの対象を拡大し,更に多くのコンテンツを提供している。また,Google News Showcaseは,当初,Google Newsアプリに組み込まれ,現在では,デスクトップ版Google Newsでも閲覧できる「ストーリーパネル」(story panel)に注力している。Googleは,近日中にGoogleの一般検索結果にもストーリーパネルを表示すると発表している。ストーリーパネルは,写真,タイトル及びその他のコンテンツが,出版社のロゴの下に要約して表示されるショーケースボックスである。参加している出版社には,一般的な検索結果よりも目立つように,また詳細にコンテンツを表示するために,様々なオプションが用意されている。また,Googleは,Google News Showcaseにおいて,各出版社から有料記事を購入し,読者に無料で提供している。
 カルテル庁は,Corint Mediaからの申告を受けて,Google News ShowcaseがGoogleの一般検索機能に統合されることにより,自己優遇(self-preferencing)や競合する第三者が提供するサービスの阻害につながる可能性があるか否かを,本調査において検証している。カルテル庁は,契約条件の中に,参加出版社に不利益となる不合理な条件が含まれているか否か,特に,2021年5月にドイツ連邦議会と連邦参議院が導入した報道機関の出版社に対する付随的な著作権の行使を不当に困難にするものが含まれているか否かについても調査している。また,Google News Showcaseサービスへのアクセス条件がどのように定義されているかを調査することも重要である。
 2021年1月,GWBの第10次改正法が施行された。重要な新規定(GWB第19a条)により,当局は,特に大規模なデジタル企業の行為に対して,より早期に,より効果的に介入することが可能となった。カルテル庁は,2段階の手続を経て,複数市場での競争にとって顕著な重要性を有する企業が反競争的行為を行うことを禁止することができる。

 
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