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海外当局の動き

最近の動き(2018年9月更新)

EU

欧州委員会は,オンライン取引における再販売価格を制限した家電製造業者4社に対して制裁金を賦課

2018年7月24日 欧州委員会 公表
原文

【概要】

 欧州委員会は,家電製造業者のエイスース,デノンアンドマランツ,フィリップス及びパイオニアの4社が欧州競争法に違反して,自社製品を取り扱うオンライン小売業者に対し,当該製品の再販売価格又は最低再販売価格を指示したとして,制裁金を課す決定を下した。
 4件の決定に係る制裁金は総額1億1100万ユーロ超となるが,4社は欧州委員会の調査への協力により減額されている。
 ベステアー委員(競争政策担当)は,「オンライン取引の市場は急速に成長しており,域内市場における年間売上規模は5億ユーロを上回る。これら4社の行為により,域内の数百万の消費者は,台所用品,ヘアドライヤー,ノート型パソコン,ヘッドフォン等多くの製品の価格の高騰に直面した。こうした行為は,欧州競争法に違反する。今日の決定によって,企業が価格競争及びより良い選択肢を妨害している場合に,欧州競争法が消費者の保護に役立つことが示された。」と述べた。
 エイスース,デノンアンドマランツ,フィリップス及びパイオニアは,自社製品のうち,幅広い消費者に使用される家電製品(台所用品,ノート型パソコン,音響機器など)について,オンライン小売業者が自由に小売価格を設定することを制限することにより,いわゆる「再販売価格維持」をしていた。4社は,特に,安値で4社の商品を販売していたオンライン小売業者に介入していた。これらオンライン小売業者が4社が求める販売価格に従わなかった場合には,4社は当該オンライン小売業者に対して自社製品の出荷を停止するなどと脅したり,又は実際に出荷を停止していた。最大手を含む多くのオンライン小売業者は,競合店が設定する小売価格に自らの小売価格を自動的に適応させる価格アルゴリズムを使用している。このため,低価格販売をしているオンライン小売業者の販売価格が制限されると,家電製品のオンライン価格全般は広範な影響を受けることになる。
 さらに,4社は,洗練されたモニタリングツールを使用することで,オンライン小売業者が設定したオンライン価格を効率よく追跡し,値下げ販売に迅速に介入していた。
 価格への介入は,オンライン小売業者間の有効な価格競争を制限し,販売価格が高額化することで消費者に直接的な影響を与える。
 本社が台湾に所在するエイスースは,ノート型パソコンやディスプレイなどのコンピュータ端末機器製品及び電子機器製品の小売業者の再販売価格を監視していた。エイスースは,ドイツ及びフランスにおいて,2011年から2014年の間,エイスースの希望小売価格を下回る価格で販売する小売業者に介入し,価格の引上げを要請していた。
 本社が日本に所在するデノンアンドマランツは,2011年から2015年の間,ドイツ及びオランダにおいて,Denon,Marantz及びBoston Acousticsの各ブランドのヘッドフォン,スピーカーなどの消費者向けAV機器について再販売価格維持行為を行った。
 本社がオランダに所在するフィリップスは,フランスにおいて,2011年末から2013年の間,台所用品,コーヒーマシン,掃除機,ホームシアター,VHS機器,電動歯ブラシ,ヘアドライヤー,バリカン等の様々な家電製品について再販売価格維持行為を行った。
 本社が日本に所在するパイオニアは,ホームシアター向け機器,iPod用スピーカー,スピーカーセット,音響機器等の製品に係る再販売価格維持行為と並行して,加盟各国間で再販売価格が異なるようにするために,小売業者が他の加盟国の消費者に国境を跨いで販売することを制限した。パイオニアは,ドイツ,フランス,イタリア,英国,スペイン,ポルトガル,スウェーデン,フィンランド,デンマーク,ベルギー,オランダ及びノルウェーの12か国において,2011年初めから2013年末まで当該行為を継続していた。

制裁金
 4社は,重要な付加価値のある証拠を提出し,関連事実及び欧州競争法違反を明確に認めることによって,いずれも欧州委員会に協力している。欧州委員会は,各社の協力の程度に応じ,制裁金を40%(エイスース,デノンアンドマランツ及びフィリップス)から50%(パイオニア)までの範囲で軽減することを認めた。
 4件に係る制裁金は以下の通りである。
 

  減額率 制裁金の額()
エイスース               40 %         63,522,000
デノンアンドマランツ 40 %  7,719,000
フィリップス 40 % 29,828,000
パイオニア 50 % 10,173,000

 
今回のような協力によって,欧州委員会は調査を迅速に行うことで,決定内容の効果を高めることができる,他方,企業側も,協力の程度に応じて,制裁金の大幅な減額という利益を得ることができる。

事件の背景事情

 デジタル単一市場戦略の一環として行われた,欧州委員会による電子商取引産業に係る調査(2017年5月公表)において,再販売価格に関する制限行為が行われた場合,電子商取引市場の競争が極めて広範囲に制限されることが明らかになった。また,今回の事件調査によって,小売業者は,販売価格を監視し価格を設定するために,アルゴリズムソフトを以前にも増して利用していることを明らかになった。さらに,欧州委員会は,2017年2月及び6月に,消費者がオンライン上の価格を比較しながら,国を跨いで商品選択すること並びにより魅力的な価格で製品及びサービスを購入することを制限している疑いで,本件とは別の事件の調査を開始しており,現在も調査中である。
 

オーストラリア

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)のシムズ委員長によるデータ・アルゴリズム・デジタルプラットフォームの作業拡大に関するスピーチ抜粋

2018年8月3日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文

【概要】

 今年から来年に向け,ACCCは執行活動を更に強化し,データ,アルゴリズム及びデジタルプラットフォームに関する業務を拡大させ,さらに,複雑な企業結合審査に関する証拠を収集するための権限をさらに活用する予定であると,ACCCのロッド・シムズ委員長は,オーストラリア弁護士連合会ビジネス法分科会の年次会合において,同会会員向けに講演した。
 この中でデジタルエコノミーに対する規制に関する記載は以下のとおり(以下,シムズ委員長の発言箇所は○のとおり。)。
 
 ACCCは,デジタルエコノミーに関する規制において,その役割が増大しており,また,政府が推進している消費者のデータに係る権利の確保及びデジタル・プラットフォーム調査も主導している。

 ○ アルゴリズムは,データを最大限活用するための根幹を成しており,消費者が現在入手可能なデータという富から恩恵を受けるために極めて重要な役割を果たしている。しかし,アルゴリズムは,ACCCが懸念する競争上及び消費者保護上の問題を引き起こしている。
 ○ 私たちは,消費者の経験にアルゴリズムが与える影響に関する調査を徐々に始めている。例えば,過去にはGoogleに対する調査を行っており,現在は,比較サイトについて,検索結果が価格及び消費者利益をベースにしているか,又は同サイトが得る手数料収入をベースにしているかを考察するための調査をしている。
 ACCCにおいても,端末製造業者に検索アプリ及びアプリストアのインストールを要求するというGoogleの支配的地位の濫用に対する欧州委員会の決定のように,諸々の「垂直的」事業活動に支配的なプラットフォームが入り込んでいることは承知している。
 ○ ACCCはこうした問題に対して関心を持っている。ハーパーレビュー(注:オーストラリア連邦政府の決定を受けて行った政策レビューのこと)に基づく改革以降実施してきた制度改正によって,私たちは以前は有していなかった,こうした問題に対応するためのツールを有している。
 

台湾

台湾公正交易委員会は,クアルコムとの間で知的財産法院合議廷において訴訟上の和解に達したことを公表

2018年8月10日,11日 台湾公平交易委員会 公表
原文: (10日)
      (11日)

【概要】

 公平交易委員会(以下「TFTC」という。)とQualcomm Incorporated(以下「クアルコム」という。)は,知的財産法院合議廷(以下「知財法院」という)の和解の勧めに応じて, 2017年10月20日付け公処字第106094号処分に係る特許権行使に関する争議案(以下「原処分」という。)について,法に基づき,訴訟上の和解に達した。
 
 和解の条件に基づき,クアルコムは,台湾の携帯電話メーカー及びチップ供給業者に対して以下の行為を確約し,TFTCに対してその実施の状況を報告する義務を負う。また,クアルコムは,既に納付した27億3000万新台湾ドルの制裁金について争わないことに同意したほか,台湾において,期間を5年間とする産業投資計画を行うことを確約した。説明は以下のとおりである。
 
1 クアルコムは,台湾の携帯電話メーカー及び台湾のチップ供給業者に対する移動体通信の標準必須特許(以下「移動体通信SEP」という。)のライセンス供与についての以下の確約を遵守し実施することに同意した。これは,クアルコムの移動体通信SEPのライセンス供与の実務に関する,原処分における競争上の懸念を解消するのに十分である。
 
 (1) ライセンス供与の契約条項について,善意に基づき再協議すること
   ライセンスを受けて携帯電話を製造する台湾のメーカーが,クアルコムとのライセンス供与契約について,強要的であり,かつ,不合理なライセンス供与の条項があると考えるときは,クアルコムは善意に基づき再協議することを確約する。条項の再協議に関する争いについては,ライセンスを受けて携帯電話を製造する台湾のメーカーとクアルコムは,裁判所又は仲裁といったその他の中立的な紛争解決手続を採ることを協議することができる。
 
 (2) 協議期間中はチップの供給を拒まないこと
   再協議又は紛争解決手続の期間において,ライセンスを受けて携帯電話を製造する台湾のメーカーが,供給及びライセンス供与に関する契約上の義務の履行を継続しているとき,又は,善意に基づき再協議を行っているとき,クアルコムは,当該メーカーに対する移動体通信チップの供給を停止し,又は,停止すると脅さないことに同意する。
 
 (3) 移動体通信SEPのライセンス供与について差別的な取扱いをしないこと
   クアルコムは,移動体通信SEPのライセンス供与の方法について,同様の状況にある台湾以外の携帯電話メーカーと比較して,台湾の携帯電話メーカーに対して,差別的な取扱いをしないことを確約する。
 
 (4) 台湾のチップ供給業者に対する取扱い
   クアルコムは,台湾のチップ供給業者からの要求に応じて,契約の記載を与えることに同意する。当該契約においては,クアルコムが,移動体通信SEPの請求について,チップ供給業者に対し,公正,合理的かつ非差別的な(FRAND)ライセンス供与条項を最初に提示しない限り,クアルコムは,当該チップ供給業者に対して,移動体通信SEPの請求に対しいかなる訴訟も提起してはならないことを定める。
 
 (5) 独占取引による割引の契約を再び締結しないこと
   クアルコムは,チップの顧客とのチップ供給契約において,顧客がクアルコムの移動体通信チップを独占的に採用することに同意することを条件としてライセンスフィーの割引を行ういかなる契約も再び締結しないことを確約する。また,当該チップの顧客の全てのチップ購入のうちの一定割合がクアルコムからの購入であることを,契約におけるリベートの提供又はライセンスフィーの割引の定めの条件とはしないことを確約する。
 
 (6) 定期的にTFTCに実施の状況を報告すること
   クアルコムは,5年間,6か月ごとに確約の実施の状況をTFTCに報告すること,また,クアルコムと台湾の携帯電話メーカー又は台湾のチップ供給業者が契約条項を追加,改定したときにも,当該契約の締結後30日以内にTFTCに報告することを確約する。
 
 原処分は,クアルコムに対し,処分後に善意と誠意対等の原則に基づき競合するチップ供給業者及び携帯電話メーカーと協議を行い,また,競争上の懸念のある行為を停止すべきことを求めていたところであるが,クアルコムが訴訟上の和解において提示した確約によって,自由かつ公正な競争を擁護するという原処分の目的は十分に達せられると認められる。
 
2 原処分が課した234億新台湾ドルの制裁金について,クアルコムは,既に分割納付された計27億3000万新台湾ドルの制裁金について争わないことに同意した。また,クアルコムは,5年間の産業投資計画によって,台湾に対する投資協力を行うことを確約した。この投資には,5Gにおける協力,新市場の開拓,創業企業及び大学との協力のほか,台湾運営製造エンジニアリングセンターの設立が含まれる。クアルコムは,TFTC,台湾の経済部,科学技術部等の関係機関と緊密な協力を行い,上記の計画及び投資を着実に実施する。この産業投資計画及びクアルコムが確約した投資は,台湾の半導体,移動体通信及び5G技術の発展などの各方面において,経済的な利益と公共の利益の全体を向上させる助けとなるものであると認められる。
 
 このため,本件について総合的に考慮した結果,TFTCは,2018年8月8日の第1396回委員会議における決議を経て,2018年8月9日に知財法院において,クアルコムとTFTC史上初となる公共の利益に基づく訴訟上の和解に達した。原処分は,和解の内容に代替されることとなる。TFTCは,本件が移動体通信産業の良好な競争環境を有効に作り上げ,台湾の半導体,移動体通信及び5G技術の発展の各方面に良い影響をもたらすことを望む。
 
 なお,本件に対し,TFTCは上記発表文のほかに,翌11日に以下のとおり追加の発表文を公表している。
 
 TFTCとクアルコムによる訴訟の和解の発表後の各界からの多くの反応に対して,記者会見とプレスリリースにおいて既に説明したほか,更に以下のとおり説明する。
 
1 TFTCは競争法の主管機関として,市場競争メカニズムとそれによって促進される経済的な利益について,職権に基づき,総合的に考慮しなければならない。本件の影響は重大であるため,原処分を行った後に派生した議論や影響について,行政訴訟という方法によって解決することは時間を無駄にすることになるかもしれず,また,争訟の過程によって台湾のメーカーや産業が被る損害や影響もまた,回復する方法がないかもしれない。このため,TFTCとクアルコムが訴訟上の和解を進める上での重要な前提は,すなわち,原処分における競争上の懸念を取り除くことであり,これによって初めて和解が進められたものである。そして,和解の内容に基づくと,クアルコムの提出した確約は,原処分が目的としていた水準より低いものではなく,また,クアルコムの提出した5年間の産業投資計画は,台湾のメーカーや産業に良い影響をもたらすものである。本件を総合的に考慮すると,訴訟上の和解によって解決することは,競争メカニズムの正常な運営と,産業の経済的な利益の促進の双方を考慮したものであり,ただ産業の発展のみを考慮した「TFTCの自殺行為である。」という事実は全くない。
 
2 このほか,クアルコムが5年間の産業計画を履行することによって,争訟の過程によって生まれる台湾のメーカーや5G産業,技術の発展に対する不確実性やリスクを取り除くことができるのみならず,投資協力計画に含まれる,5Gの技術協力,台湾メーカーのための新興商品市場の開拓,創業企業及び大学との研究開発協力,台湾運営製造エンジニアリングセンターの設立は,国際市場における台湾の半導体及びITC産業の競争力を高めるものであり,業界が言うところの「5G産業に悪影響が生じる。」といった事実は全くない。
 
3 クアルコムは,27億3000万新台湾ドルを既に確実に納付しており,また,更に台湾において期間を5年間とする産業投資計画を実施し,その投資金額及び派生する経済効果は,原処分の制裁金の金額を明らかに上回るものであり,メディアが言うところの「クアルコムは234億新台湾ドルの罰を逃れた。」という事実は全くない。
 
 TFTCは,本件について,台湾の自由かつ公平な競争メカニズムを擁護すること,台湾の携帯電話メーカー,チップ供給業者及び取引の相手方の利益,そして,半導体,移動体通信及び5G産業の発展を総合的に考慮し,また,最後に全体の公益に鑑み,クアルコムとの訴訟上の和解を決定したということを,最後に改めて表明する。各界の御指導に感謝し,TFTCは今後必ず,クアルコムの本和解案の確約の実施を監督し続け,また,経済部,科学技術部等の関係機関と緊密に協力し,産業計画と投資の着実な実施を促すものである。
 

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