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海外当局の動き

最近の動き(2022年9月更新)

米国

DOJ、Booz Allen HamiltonによるEverWatch買収計画について、差止訴訟を提起

2022年6月29日 米国司法省反トラスト局 公表

原文
【概要】

 司法省反トラスト局(以下「DOJ」という。)は、Booz Allen Hamilton Holding Corporation(以下「Booz Allen」という。)によるEverWatch Corp.(以下「EverWatch」という。)の買収を差し止めるため、本日(2022年6月29日)、反トラスト民事訴訟を提起した。EverWatchは、EC Defence Holdings LLCの子会社である。Maryland地区の地方裁判所に提出された訴状によると、本件買収は、国家安全保障局(National Security Agency(以下「NSA」という。))が発注する運用モデル及びシミュレーションサービスの公共調達における活発な競争を脅かすものである。差止めを命じず、本件買収が実施されれば、上記の調達分野における競争が失われ、NSAは独占的な入札者と契約せざるを得なくなるだろう。
 
 NSAは、「シグナルインテリジェンス活動」(訳注:通信を傍受して、その内容を解析する諜報活動)の実施のために、運用モデル及びシミュレーションサービスの提供に関する契約を定期的に発注している。NSAは、調達手続の一部として、契約後速やかに次期契約の継続に係る提案依頼書を公表することとしている。Booz Allen及びEverWatchは、本件買収合意以前は、NSAとの契約を獲得するため、激しく競い合っていた。しかしながら、Booz Allenは、NSAが提案依頼書を公表する直前に、競い合う代わりに、唯一のライバル事業者を買収することを決定した。訴状によれば、本件買収合意は、当事会社の入札への積極的なインセンティブを急速に低下させるため、シャーマン法第1条に違反するほか、提案された買収は競争を実質的に制限することとなるため、クレイトン法第7条にも違反する。
 NSAは、暗号学、シグナルインテリジェンス及びサイバーセキュリティを専門とする主要な国防情報機関であり、米国の政策立案者及び軍隊に対してシグナルインテリジェンスを提供する責務を負っている。通信システムの電子信号及び電子放出から得られるシグナルインテリジェンスは、米国を防衛し、米国及び同盟国の目標を達成するために必要な重要情報を米国の指導部に提供することにより、米国の国家安全保障において重要な役割を果たしている。
 Booz Allenは、マネジメント、テクノロジー、コンサルティング、エンジニアリング等の幅広いサービス及びソリューションを提供する事業者である。
 EverWatchは、投資会社のEnlightenment Capitalが保有するEC Defense Holdimgs LLCの子会社であり、データサイエンス、諜報及びサイバーセキュリティに注力した国防及び諜報活動に係る各種サービスを提供している。

FTC、メタによるアプリ開発事業者の買収計画について、差止訴訟を提起

2022年7月27日 米国連邦取引委員会 公表
原文
【概要】
 米国連邦取引委員会(以下「FTC」という。)は、バーチャルリアリティ(VR)大手Meta(旧Facebook。以下「メタ」という。)及びメタの支配株主かつCEOであるマーク・ザッカーバーグCEOによるWithin Unlimited及び同社が設計・開発したVR専用フィットネスアプリ(virtual reality dedicated fitness app)として人気を博しているSupernaturalの買収について、差止めを求めている。
 メタは、既にVRの各分野において、重要なプレーヤーとなっており、同社が築いたVR帝国には、ベストセラーとなった(VR向け)デバイス、主要なアプリストア、最も成功しているVRアプリ開発事業者7社及びベストセラーとなったアプリの1つが含まれている。
 FTCは、メタ及びザッカーバーグCEOが、本件買収計画により、同社のVR帝国を拡大し、ユーザーに対してVRの価値を証明するフィットネスアプリを違法に買収しようとしていると主張している。
 
 VR産業は、ユニークな没入型のデジタル体験を提供しており、高い成長性及び革新性を特徴とする。VRは、タブレット、携帯電話又はモニターのコンテンツとは異なり、動きながらでも完全に包み込まれるような感覚をユーザーに体験させる。VRのユーザーは、通常、完全な三次元の環境に身を置くために、ディスプレイを備えたヘッドセットを使用してVRを体験する。ソフトウェア会社やスタジオ会社は、ヘッドセットにおいて作動するVRアプリを開発し、アプリストアで配信している。こうしたアプリのコンテンツは、リズムゲームやeスポーツ等様々なジャンルに及ぶ。
 メタは、世界的な巨大テクノロジー事業者であり、Facebook、Instagram、Messenger及びWhatsAppを所有している。また、同社は、最大手のVR機器販売事業者であり、米国におけるアプリの主要プロバイダーでもある。メタは、ザッカーバーグCEOのリーダーシップの下、ヘッドセットメーカーであるOculus VRの買収を皮切りに、VR分野を征服するキャンペーンを開始した。メタが運営するQuest Storeは、ベストセラーとなったQuest headsetsの普及に後押しされ、400以上のアプリをダウンロードできる有力なアプリ・プラットフォームとなった。
 メタは、アプリの拡大の一環として、最も成功しているVRアプリ開発事業者7社を買収し、世界最大のVRコンテンツカタログの一つを保有している。さらに、メタは、Beat Gamesの買収により、極めて人気の高いアプリであるBeat Saberを支配するに至っている。
 Within Unlimitedは、独立系のVR開発スタジオであり、VR専用フィットネスアプリ市場において人気を博しているSupernaturalの設計・開発者である。Supernaturalは、Katy Perry等トップクラスのアーティストの楽曲に合わせて、印象的かつ現実感の高い仮想環境の中で行われる高品質かつ多様なワークアウトを提供するアプリである。Within Unlimitedの共同創設者兼CEOは、「フィットネスは、VRにおけるキラーコンテンツである。」と述べている。
 メタは、VR専用フィットネスアプリ市場における潜在的な参入者であり、必要なリソース及び当該市場において競争するための独自のVRアプリを開発する現実的な可能性を有している。しかし同社は、自社製品の投入を通じて市場に参入する代わりに、Supernaturalの買収を試みることを選択した。メタによるWithin Unlimitedの買収が実行されれば、メタのVR専用フィットネスアプリ市場への参入の可能性を消滅させ、将来的なイノベーション及び市場における競争関係を弱めることとなる。
 また、メタが市場に参入し得るという可能性自体が、VR専用フィットネスアプリ市場の競争に影響を与え得るものであるところ、メタによるWithin Unlimitedの買収が実行されると、そうした競争圧力の低下をもたらす。
 さらに、メタは、Supernaturalの競合である自社のBeat Saberを通じて、より一般的なVRフィットネスアプリ(virtual reality fitness app)市場に既に参入しており、現在、メタとWithin Unlimitedは、互いに新機能を追加し、より多くのユーザーを獲得するために刺激し合っている。しかし、本件買収計画を認めてしまうと、こうした両者間の(VRフィットネスアプリ市場における)競争関係が失われることになる。
 本件緊急差止命令及び予備的差止命令についてFTCの議決が行われたところ、賛成3、反対2で承認された。

 

EU

欧州議会、デジタルサービス法案及びデジタル市場法案を正式承認

2022年7月5日 欧州議会及び欧州委員会 公表
原文(欧州議会)
原文(欧州委員会)
【概要】
 欧州議会は、2022年7月5日、本会議において、欧州委員会(以下「欧州委」という。)が2020年12月に提出したデジタルサービス法案(DSA : Digital Services Act)及びデジタル市場法案(DMA : Digital Markets Act)を採択した旨を発表し、また、欧州委は、当該採択を歓迎する旨を発表した。
 欧州議会及び欧州委による報道発表の概要は、それぞれ以下のとおりである。
  
欧州議会による報道発表の概要
 欧州議会は、2022年7月5日、DSA及びDMAに関する最終投票を実施し、DSAは賛成539票、反対54票、棄権30票で採択され、DMAは賛成588票、反対11票、棄権31票で採択された。
 DSAは、新たな義務として以下のものを含んでいる。
(1)オンライン上の違法コンテンツに対抗するための新たな措置及びプラットフォームに対する迅速な対応義務
(2)製品・サービスの安全性確保のための、オンラインマーケットプレイスにおけるトレーサビリティ及び取引業者に対するチェックの強化
(3)プラットフォームの透明性及び説明責任の向上
(4)ミスリーディングな行為並びに子供をターゲットとした広告及び機微な情報に基づいた広告等、特定のタイプのターゲット広告の禁止
・月間利用者数が4500万人以上となる巨大オンラインプラットフォーム(VLOP : Very Large Online Platforms)及び巨大オンライン検索エンジン(VLOSE : Very Large Online Search Engines)は、欧州委が執行するより厳しい義務を遵守しなければならず、当該義務には以下のものが含まれる。
・違法コンテンツの流通、基本的権利及び選挙プロセスへの悪影響、ジェンダーに基づく暴力への悪影響等のシステミックリスク等を予防すること
・独立した監査の対象となること
・プロファイリングに基づく推奨を受け取らないという選択をユーザーに付与すること
・当局及び適格とされた研究者によるデータ及びアルゴリズムへのアクセスを促進すること
 
 また、DMAは、「ゲートキーパー」に指定された大規模プラットフォーム事業者に対して、以下の義務を設けている。
 ゲートキーパーに指定された者は、以下のことを行わなければならない。
・第三者に対し、自社のサービスと相互運用を行うことができるようにすること
・ビジネスユーザーが、ゲートキーパーのプラットフォームで生成したデータへのアクセスを許可し、ゲートキーパーのプラットフォーム外で自身のオファーを宣伝したり顧客と契約を締結したりできるようにすること
 ゲートキーパーに指定された者は、以下のことを行ってはならない。
・自社のプラットフォームで自社のサービス又は製品を他の第三者よりも有利に位置付けて表示(自己優遇)すること
・ユーザーがプリインストールされていたソフトウェアやアプリをアンインストールしたり、第三者の提供するアプリやアプリケーションストアを利用したりすることを妨げること
・明示的に同意された場合を除き、ターゲット広告に基づくユーザーの個人データを処理すること
 さらに、DMAにおいては、ゲートキーパーに指定された者が本ルールを遵守しない場合には、欧州委は、当該者の直近の事業年度における世界総売上高の10%までの制裁金を賦課することができ、不遵守が繰り返された場合には、当該売上高の20%までの制裁金を賦課することができることが定められている。
 今後は、EU理事会において、DMAは本年7月に、DSAは本年9月に、それぞれ採択されることが見込まれており、両法は採択された後に官報に掲載され、掲載後20日で発効する。DSAは、発効から15か月後又は2024年1月1日のいずれか遅い日から適用され、DSAに規定されるVLOP及びVLOSEに対する義務規定については、その指定から4か月後に適用される。また、DMAは、発効から6か月後に適用される。ゲートキーパーは、指定から最低6か月の期間を経過後、新しい義務規定に従うこととなる。
 
欧州委による報道発表の概要
 欧州委は、DSA及びDMAが欧州議会で採択されたことを歓迎する。これらのデジタルサービス関連法案は、DMAについて本年3月24日に、DSAについて本年4月23日に共同立法者が政治的合意に達した。同法案は、EUで活動する巨大オンラインプラットフォームを対象に欧州委によって執行される。欧州委は、同法案の発効後直ちに執行の役割を担えるよう必要な全ての準備を講じている。

欧州一般裁判所、IlluminaによるGrailの買収について、加盟国からの付託要請を受理した欧州委の決定を支持

2022年7月13日 欧州一般裁判所 公表
原文
【概要】
 欧州一般裁判所は、欧州委員会(以下「欧州委」という。)が欧州合併規則の届出対象でない又は加盟国若しくは欧州経済領域協定(以下「EEA協定」という。)締約国の国内企業結合規制の届出対象でない企業結合について、審査を行う権限を有するとの判決を下した。
 
 Illuminaは、米国のゲノム解読事業者であり、遺伝子解析のための統合システム、特にがんスクリーニング検査の開発などに使用される次世代ゲノムシーケンサーを開発、製造及び販売している。Grailは、米国のバイオテクノロジー事業者であり、がんスクリーニング検査の開発にゲノムシークエンスを利用している。
 2020年9月21日、上記2社(以下「当事会社」という。)は、IlluminaによるGrailに対する独占的支配権の取得計画について公表した。当事会社の売上高が閾値を超えなかったため、本件企業結合は、理事会規則139/2004号(2004年1月20日)企業集中規制(以下「企業結合規則」という。)第1条に基づく  届出がなされなかった。また、加盟国及びEEA協定の締約国の閾値にも達していなかったため、届出が行われなかった。
 加盟国の競争当局は、企業結合規則第22条に基づき、閾値に達しないものの、加盟国間の通商に影響を与え、かつ当該加盟国の領域内における競争に著しい影響を与えるおそれのある企業結合について、欧州委に企業結合審査の付託を要請することができる。
 欧州委は、2020年12月7日に本件企業結合に関する申立てを受け予備審査を行い、本件企業結合は加盟国の競争当局による付託の対象となる条件を満たすとの結論に達した。予備審査に基づき、欧州委は、特に本件企業結合が域内市場の競争に及ぼし得る影響について、本件企業結合が実施されれば、欧州で多く の事業活動をしてきたIlluminaが欧州市場において、Grailの競合他社のがん検診の開発に必要な次世代シーケンサーへのアクセスを阻害することが可能となり、その結果、将来的に競合他社の成長を制限することが可能となることを懸念した。そこで欧州委は、2021年2月19日、加盟国に対して書簡を送付し、本件  企業結合について通知した上、企業結合規則第22条に基づく付託要請を送付するよう呼びかけた。2021 年3月9日、フランス競争委員会が付託要請を送付し、その後、ギリシャ、ベルギー、ノルウェー、アイスランド及びオランダの競争当局が付託要請を送付した。欧州委は、2021年3月11日、当事会社に付託要  請について通知した(「情報レター」)。そして、欧州委は、2021年4月19日、各競争当局からの付託要請及び参加要請を受理することを決定した(「受理決定」)。
 Illuminaは、Grailの支援も受け、受理決定及び情報レターの取消しを求めて訴訟を提起した。一般裁判所は、迅速手続を経て構成員を増員したパネルの結論に基づき、当事会社の訴えを全面的に却下した。今回、一般裁判所は、付託した加盟国において届出義務はないものの、競争上の重要性が売上高に反映されて いない事業者の買収を伴う企業結合への企業結合規則第22条に規定される付託メカニズムの適用について、初めて判決を下した。本件では、一般裁判所は、原則として、本件のような状況では欧州委が審査権限を有するとみなされる可能性があることを認めている。さらに、一般裁判所は、本件のような状況において 加盟国が付託要請を提出する期間として定められている15営業日の始期の解釈についても明確にしている。
 今回の一般裁判所判決は、2021年3月31日に発表された「企業結合規則第22条に定められた加盟国と欧州委員会との間の移送制度の適用に関するガイダンス」に従って、企業結合規則第22条に規定されている付託メカニズムの適用に関する欧州委の新しいアプローチを予見するものであり、同条の執行によって、EUの企業結合規制が、重要な競争力を潜在的に有する革新的事業者による企業結合に対してより適切に対処する道が開かれたことになる。

欧州委員会、アマゾンから提出されたマーケットプレイス上の販売事業者のデータの利用並びにBuy Box及びアマゾンプライムへのアクセスに関する確約案について、意見募集を開始

2022年7月14日 欧州委員会 公表
原文
【概要】

 欧州委員会(以下「欧州委」という。)は、アマゾンによるマーケットプレイス上の販売事業者の非公開データの利用並びに販売事業者に「Buy Box」及び「アマゾンプライム・プログラム」へのアクセスを与える際に偏重がある可能性に関する競争上の懸念に対処するため、アマゾンから提出された確約案について、意見募集を開始した。
 
欧州委の審査
 アマゾンはデータ駆動型のビジネスを行う事業者であり、小売事業に関する意思決定のほとんどは、関連データを基にした自動化されたシステムによって行われている。アマゾンはプラットフォームとして2つの役割を担っており、同社は、販売事業者が消費者に商品を直接販売できるマーケットプレイスを運営すると同時に、販売事業者と競合する小売業者として自社のマーケットプレイス上で商品を販売している。アマゾンは、この2つの立場を有する結果、プラットフォーム上で、販売事業者の非公開ビジネスデータを含む大量のデータを利用することができる。
 欧州委は、2019年7月17日、アマゾンが自社のマーケットプレイスを利用する独立販売事業者の非公開データを利用することがEU競争法に違反するかについて、正式審査を開始した。そして、2020年11月10日、欧州委は、プラットフォームにおける公正な競争を歪め、効果的な競争を妨げることになるため、アマゾンがマーケットプレイス上の販売事業者のビジネスデータに基づいて小売に関する意思決定を調整するべきではない旨の予備的見解について説明した異議告知書を発出した。
 
 欧州委は、上記と並行して「Buy Box」及び「アマゾンプライム・プログラム」についても審査を開始した。
(1) アマゾンの「Buy Box」は、特定の販売事業者の商品を目立つように表示し、購入ボタンをクリックすることで商品を迅速に購入できるようにするものである。
(2) 「アマゾンプライム・プログラム」は、月会費又は年会費を支払う顧客にプレミアムサービスを提供し、一定の条件の下で、販売事業者にプライム会員への販売を認めているものである。
 欧州委は、「Buy Box」及び「アマゾンプライム」のルールと基準の双方が、アマゾン自身の小売事業及びアマゾンの物流・配送サービスを利用するマーケットプレイス上の販売事業者を不当に優遇していることを予備的に確認した。この偏重は、上記以外のマーケットプレイス上の販売事業者、その独立配送業者、他のマーケットプレイス及び最も買い得な商品を目にすることができないかもしれない消費者に害を及ぼす可能性がある。
 
提示された確約案
 アマゾンは、両審査に関連する欧州委の競争上の懸念に対処するため、以下の確約案を提示した。
 
(1) アマゾンは、マーケットプレイス上の独立した販売事業者の活動に関連する又はそこから派生する非公開データを当該販売事業者と競合する自社の小売事業のために使用しないことを確約する。これは、アマゾンの自動化ツールと、アマゾンマーケットプレイスからのデータを小売事業の意思決定のために相互利用することができる従業員の両方に適用される。関連するデータは、個別データ及び集計データの両方が含まれ、例えば、販売条件、収益、出荷、在庫関連情報、消費者のアクセスデータ又はプラットフォーム上の販売事業者のパフォーマンスなどが含まれる。アマゾンは、これらのデータをブランド商品及びプライベートブランド商品を販売する目的で使用しないことを確約する。
   
(2) アマゾンは、「Buy Box」に関して以下のことを確約する。
〇「Buy Box」の獲得者を決定するために販売事業者のオファーをランク付けする際に、全ての販売事業者を平等に取り扱うこと。
〇さらに、価格又は配送、あるいはその両方に関して最初のオファーと十分に差別化された2番目のオファーがある場合、「Buy Box」の獲得者に対して2番目の競合オファーを表示すること。どちらのオファーに対しても、同じ説明を表示し、同じ購入手順を提供すること。これにより、消費者の選択の幅が広がる。

(3) アマゾンは、「アマゾンプライム」に関して以下のことを確約する。
〇マーケットプレイス上の販売事業者及び「アマゾンプライム」への商品提供の資格について、非差別的な条件及び基準を設定すること。
〇「アマゾンプライム」上の販売事業者が、物流・配送サービスを提供する配送業者を自由に選択し、選択した配送業者と条件について、直接交渉できるようにすること。
〇「アマゾンプライム」を通じて入手した、第三者である配送業者の条件及びパフォーマンスに関するいかなる情報も、自社の物流サービスのために使用しないこと。これは、配送業者のデータが競合するアマゾンの物流サービスに、直接流出しないようにするためである。

 確約案は、欧州経済領域におけるアマゾンの現在及び将来の全てのマーケットプレイスを対象としている。ただし、イタリア競争当局が2021年11月30日に下した決定により、イタリア市場に関して、既にアマゾンに問題解消措置が課されていることから、「Buy Box」及び「アマゾンプライム」に関連する確約案 は、イタリアを除外している。
 確約は5年間有効であり、トラスティが実施状況を監視し、欧州委に定期的に報告する。
 欧州委は、全ての利害関係者に対し、2022年9月9日までアマゾンの確約案について意見募集を行う。

英国

CMA、アマゾンのマーケットプレイスについて、審査を開始

2022年7月6日 英国競争・市場庁 公表
原文

【概要】
 英国競争・市場庁(以下、「CMA」という。)は、7月6日、アマゾンが運営するアマゾンマーケットプレイスについて1998年競争法に違反している疑いがあるとして、審査を開始した旨を公表した。欧州委員会(以下「欧州委」という。)が同様の懸念について現在審査中であるが、英国は欧州連合から離脱したため、欧州委の調査の対象外とされている。
 アマゾンマーケットプレイスに出品されている商品の一部は、アマゾンの小売部門を通じて供給されている。しかし、大半はサードパーティの販売者によって供給されている。アマゾンはこれらの販売事業者に対し、消費者とのマッチングなど、販売に不可欠なサービスを提供している。また、アマゾンは、保管、梱包、配送など、販売プロセスの一部を代行するオプションサービスも提供している。
 
 CMAの審査では、英国においてアマゾンが支配的な地位を有しているかどうか、また、アマゾンがその地位を濫用し、アマゾンの小売部門以外のサードパーティの販売事業者と比較して、アマゾンの小売部門又はアマゾンのオプションサービスを利用する販売事業者に対して不当な利益を与えることによって競争を歪めているかどうかが検討される。
 
  CMAの審査は、主に3つの分野に焦点を当てている。
(1)アマゾンが、どのようにしてサードパーティの販売事業者のデータを収集・使用しているか。これは、アマゾンに対して不当な優位性を与えているかどうかを含む。
(2)アマゾンが、アマゾンマーケットプレイスに表示される「Buy Box」に、優先的に又はお勧めとして表示される販売事業者を割り当てるための基準をどのように設定しているか。「Buy Box」とは、アマゾンの商品のページに目立つように表示され、特定の販売事業者の商品について「Buy now」又は「Add to Basket」を1クリックして選択できるようにするボタンである。
(3)アマゾンが、プライムラベルをどのように設定しているか。プライムラベルとは、アマゾンのプライム会員が、商品が迅速に配送されるなど利便性の高いサービスが受けられることを示すラベルである。
 
 欧州委は、既に同じ分野を対象とした2つの審査を実施している(訳注:「マーケットプレイスにおける販売事業者データの使用に関する審査」並びに「「Buy Box」及びプライムラベルに関する審査」)。CMAは、英国における独自の審査を進めていく過程で、欧州委との連携を図ることになる。

CMA、Pfizer及びFynnに対して、総額7000万ポンドの制裁金を賦課

2022年7月21日 英国競争・市場庁 公表
原文

【概要】
 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は、フェニトインナトリウムのカプセル(訳注:てんかん発作の予防薬。以下「フェニトインカプセル」という。)の供給価格について、不当な高価格を設定することにより1998年競争法に違反していたとして、Pfizerに対して約6330万ポンドの制裁金を、Fynn Pharma(以下「Flynn」という。)に対して約670万ポンドの制裁金を、それぞれ賦課した。
 Pfizer及びFlynnの競争法違反行為により、英国の国営医療サービス事業(National Health Service(以下「NHS」という。))の負担額は、1年間で約200万ポンドから約5000万ポンドに上昇した。
 
 CMAは、詳細審査の結果、Pfizer及びFlynnは4年以上にわたりフェニトインカプセルに不当に高い価格を設定し、最終的にNHSがその価格を負担していたとして、Pfizer及びFlynnに対して制裁金を賦課した。
 
 両社が以前はエパヌチンと呼ばれていたこの薬のブランド名を変更することにより、この薬が価格規制の対象外となって以降、両社は供給価格を自由に設定できるようになった。当時、Pfizer及びFlynnは、英国でフェニトインカプセルを独占的に販売していたため、NHSは、この重要なてんかん治療薬の高騰した最終価格を支払う以外に選択肢がなかった。
 
 その後、Pfizerは、4年間にわたり、Flynnへの供給価格について7.8倍から16倍引き上げた。Flynnは、卸売業者や薬局への販売価格について23倍から26倍引き上げた。これらの違反行為により、NHSが負担するフェニトインカプセルの年間コストは、2012年の約200万ポンドから2013年には約5000万ポンドに増加した。
 
 CMAは、最初の審査を経て、2016年12月に、Pfizer及びFlynnの行為が競争法に違反すると認定した。これに対し、Pfizer及びFlynnは、競争審判所(Competition Appeal Tribunal(以下「CAT」という。))に異議を申し立てた。CATは、市場画定及び支配に関するCMAの審査結果を支持したものの、Pfizer及びFlynnの設定した価格が、支配的地位の濫用に該当するという結論については棄却した。CATは、この点については更なる検討を要すると判断し、CMAに対して差し戻した。
 
 CMA及びFlynnはその後、控訴裁判所(Court of Appeal)に控訴した。2020年3月、控訴裁判所はFlynnの訴えを全面的に棄却し、CMAが主張した不当な価格設定に関するリーガルテスト(legal test for unfair pricing)の実施を支持する判決を下した。これを受けて、CMAはCATから差し戻された事項について再審査することを決定し、2020年6月に現在の審査(再審査)を開始した。
 追加の証拠収集と分析を経て、CMAは、Pfizer及びFlynnの行為はそれぞれの市場における支配的地位の濫用に該当し、フェニトインカプセルに不当な供給価格を設定していたと認定した。
 

韓国

KFTC、ソウル地下鉄2号線、金浦(キンポ)都市鉄道などの鉄道車両の談合を摘発

2022年7月13日 韓国公正取引委員会 公表
原文

 韓国公正取引委員会(以下、「KFTC」という。)は、コーレイル(韓国鉄道公社)、ソウル交通公社等の鉄道運営機関が2013年1月から2016年11月の期間に発注した鉄道車両購入に係る、ソウル地下鉄2号線、金浦都市鉄道、釜山地下鉄1号線等の入札6件において、事前に落札予定者を決定していた現代(ヒョンデ)ロテム株式会社、株式会社宇進産電(ウジンサンジョン)の2社と、2019年2月から2019年12月の期間に発注した鉄道車両購入に係る、ソウル地下鉄5、7号線、GTX等の入札5件において、各社が受注する物件を事前に配分していた現代ロテム株式会社、株式会社宇進産電及び株式会社ダウォンシス(以下それぞれの社名から「株式会社」を省略する。)に対し、是正命令とともに、総額564億ウォン(暫定) の課徴金を賦課することとした。
 
1 違反行為
第1共同行為 2013年1月~2016年11月 現代ロテム及び宇進産電の2社の談合
合意背景
 現代精工、大宇重工業及び韓進重工業の3社が、1999年に、現代ロテムの前身である「韓国鉄道車両株式会社」に統合され、国内の鉄道車両製造市場は、2015年まで、事実上、現代ロテムの独占体制にあった。
 一方、宇進産電は、現代ロテムの鉄道車両に電装品等を供給し、売上のほとんどを現代ロテムに依存していた。
 このような状況において、宇進産電は、2010年に、釜山地下鉄4号線に関連する軽電鉄車両を製造・納入し、現代ロテムは、宇進産電を鉄道車両製造市場における潜在的な競合事業者であると考え始めた。
 このため、現代ロテムは、2013年に発注された「金浦都市鉄道列車運行システム一括購入設置入札」において、宇進産電との競争を事前に回避しようとした。
 現代ロテムの部品協力会社としての性格が濃かった宇進産電も、競争ではなく合意を通じて、安定的に現代ロテムに電装品等を供給しようとする動機があった。
 
合意内容
 2社は、鉄道車両購入に係る入札6件において、現代ロテムが落札できるよう、宇進産電は応札しないこと、又は談合の協力者として参加し、その見返りとして、入札事業に関連する下請の一部に入ることについて、3回にわたって合意し、これを実施した。
 
第1共同行為の合意対象入札リスト
(単位:百万ウォン)

 

公告名

公告日

需要機関

契約金額

金浦都市鉄道列車運行システム一括購入設置

2013年1月10日

韓国鉄道施設公団

203,778

電動車調達購入要請
(2号線200両)

2015年2月3日

ソウルメトロ(現ソウル交通公社)

209,600

コーレイル空港鉄道電動車2編成購入

2015年3月4日

韓国鉄道施設公団

26,525

5号線(河南線)電動車
調達購入契約依頼

2015年10月30日

ソウル特別市都市基盤施設本部

48,275

釜山市1号線電動車
40両製作購入

2016年1月5日

釜山交通公社

52,800

都市鉄道9号線電動車
32両購入

2016年9月28日

ソウル特別市都市基盤施設本部

44,094

 
 本件入札は、単独応札によって2回以上不調になれば、「再公告による随意契約」で契約が締結されるところ、この場合、一般に、事業者は、随意示談の過程で高い交渉力を持つようになるため、現代ロテムは、この点を利用して、最大限高い金額で入札事業を受注しようとした。ただし、発注機関が入札を有効に成立させるために複数の入札参加者を要求した場合、宇進産電が協力業者として参加し、現代ロテムが通知した価格で入札していた。
 
第2共同行為 2019年2月~12月 現代ロテム、宇進産電及びダウォンシスの3社の談合
合意背景
 宇進産電及びダウォンシスが、2015年から本格的に入札に参加し、鉄道車両1両当たりの価格は、現代ロテムの独占体制の1999年から2014年までの間の平均11.6億ウォンから、2015年から2018年までの間は、平均8.1億ウォンへと急激に下落した。 
 また、前記第1で述べた共同行為の終了以降、2017年から2018年の間に、鉄道車両調達の入札において、実際に競争が行われ、3社間の競争が激しくなった。
このため、2018年末頃から、国内の鉄道車両業界内において、低価格受注を防止して収益を最大化すべきという共通認識が形成され、鉄道車両の製造能力が向上したダウォンシスを含め、国内の全ての鉄道車両製造事業者3社の間での談合が2019年2月に始まった。
 
合意内容
 現代ロテム、宇進産電及びダウォンシスの3社は、2019年2月から2019年12月の期間に発注された入札5件のうち、①宇進産電は「5、7号線新造電車の車両(336両)購入入札(2019年2月)」において、②ダウォンシスは「幹線型電動電車の車両(EMU-150)(208両)の購入入札(2019年9月)」において、③現代ロテムはその他3件の入札において、ぞれぞれ受注することで、配分内容について事前に合意した。ただし、第2で述べる共同行為は、第1の共同行為とは異なり、3社がいずれも鉄道車両製造事業者の立場において行った合意であるため、下請の内容を含めていない。
 
第2共同行為の合意対象入札リスト
(単位:百万ウォン)

 

公告名

公告日

需要機関

契約金額

落札予定者

5、7号線新造電車の車両
(336両)購入

2019年2月27日

ソウル交通公社

373,100

宇進産電

幹線型電動電車の車両
(EMU-150)(208両)購入

2019年9月16日

コーレイル

382,100

ダウォンシス

京仁線、果川安山線、分唐線、一山線新造電車の車両(448両)購入

2019年11月6日

コーレイル

638,606

現代ロテム

ピョルネ線(8号線)電動電車の車両購入

2019年10月17日

ソウル特別市都市基盤施設本部

71,196

現代ロテム

GTX-A路線運航車両購入

2019年12月13日

SGレール

345,213

現代ロテム

 
合意方法
 当時、宇進産電及びダウォンシスは法的紛争中であり、「現代ロテム及び宇進産電」、「現代ロテム及びダウォンシス」間の役職員の会合及び連絡等を通じて合意した。
特に現代ロテムは、合意過程において自らを「長男」と呼ぶなど強い仲裁の意志を示し、現代ロテムの主導の下で、関係が悪化した宇進産電及びダウォンシスを含む3社間の合意が成立した。
 
合意の実行
 3社の役職員は、最初の合意以降も粘り強く連絡を取り、合意を実行した。
 一例として、宇進産電が受注し、その他の事業者は応札しないことで合意がなされた「5、7号線新造電車の車両購入入札(2019年2月)」にダウォンシスが発注先の要請により参加することになると、宇進産電の役員は、それまで不和であったにもかかわらず、ダウォンシスの役員に会って、協力者として入札 参加する(宇進産電が通知した価格で入札する)約束を得た。
 以後、宇進産電は、ダウォンシスの入札協力への見返りとして、両社間で進行中であった法的紛争に関連する抗告を取り下げた。
 また、ダウォンシスが受注し、その他の事業者は応札しないことで合意がなされた「幹線型電動電車の車両(EMU-150)の購入入札(2019年9月)」の前に、ダウォンシスが現代ロテムの合意の実行(当該入札に不参加)について再度確認を求めると、現代ロテムの職員がダウォンシスの役員に対し、「現代ロテムは当該入札に参加しない」という内容の秘密文書をテレグラム(訳注:チャットアプリ)を通して送付した。
 
2 適用法条 ‧ 是正措置
適用法条
 (第1共同行為)
旧「独占規制及び公正取引に関する法律」第19条第1項第8号(入札談合)
(2021年12月30日施行の現行法(第17799号)の第40条第1項第8号)
(第2共同行為)
旧「独占規制及び公正取引に関する法律」第19条第1項第3号(物量配分談合)
(2021年12月30日施行の現行法(第17799号)の第40条第1項第3号)
 
是正措置・課徴金
 KFTCは、3社に是正命令を発出するとともに、現代ロテムに約323億ウォン、宇進産電に約148億ウォン及びダウォンシスに約93億ウォンの総額564億ウォンの課徴金を賦課することとした。
                         
 今回の措置は、2015年以前の現代ロテムの独占、その後の現代ロテム、宇進産電及びダウォンシスの3事業者のみで構成された閉鎖的な鉄道車両製造市場において数年にわたり発生した談合を摘発・制裁したものであり、1回の取引量と取引金額の規模が大きく、国家の基幹産業と連携し経済的波及力の大きい交通産業内の競争制限行為を是正したことに意義がある。
 特に、第2共同行為の場合、国内の鉄道車両製造市場における事業者全員の合意であるため、入札の競争が制限されていたところ、今回の措置を通じて、国民の重要な交通手段である鉄道車両製造市場における競争秩序が回復すると期待する。
 KFTCは、今後も、多くの国民が利用する交通施設に関連する談合に対する監視を強化し、法違反の摘発時には、国民の安全な交通環境作りと公共予算の削減のために、厳重に制裁していく。

 

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