オーストラリア

豪州競争・消費者委員会が提訴した製薬会社ファイザー・オーストラリアに対する支配的地位の濫用事件に係る民事訴訟について豪州連邦裁判所が棄却した旨公表

2015年2月25日 豪州競争・消費者委員会 公表
原文

【概要】

 豪州連邦裁判所は,豪州競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)によるPfizer Australia Pty Ltd.(以下「ファイザー社」という。)に対する件について判決を下した。本件は,ファイザー社が薬局にアトルバスタチン(脂質異常症治療薬)を販売するに際し,2010年競争・消費者法に違反する支配的地位の濫用及び排他的行為を行っていた疑いで民事提訴されたものである。
 ACCCは,ファイザー社が2012年初めに薬局に対し,同社が開発したアトルバスタチンのブランド薬品「リピトール」のジェネリック薬品について,翌12か月間の想定販売量の最低でも75%まで購入することを条件として,大幅な値引きや,過去のリピトールの販売分に係るリベートの支払について提案した旨主張した。今回のファイザー社の提案は,アトルバスタチンの分子特許の期限が切れるのに先立ち,他のジェネリック薬販売業者が薬局に対して競合的な販促の提案を行えない段階で,ファイザー社が薬局に行ったものである。
 豪州連邦裁判所のフリック判事は,ファイザー社は,本件の被疑行為を行うことによりその市場支配力を利用したとしても,2012年1月の当該行為時には,同社の市場支配力はもはやそれほど大きなものではなかった(no longer “substantial”)としてACCCの主張を棄却し,また,ファイザー社が,競争業者による競争的行為を阻止・妨害しようとする目的や実質的に競争を減殺させる目的で,本件被疑行為を実行したとするACCCの主張は,立証が不十分であると判示した。

カナダ

カナダ競争局,より競争的な市場の実現を図るべく,組織再編を実施

2015年3月25日 カナダ競争局 公表
原文

【概要】

 カナダ競争局は,2015年4月1日から新たな組織体制に移行する旨公表した。
今回の組織再編は,カナダの消費者及び事業者にとって,競争的で創造的な市場での繁栄の持続を確保する上で,より強固かつ適応力のある機関を創設するものであり,カナダ競争局内での連携と組織的なシナジー効果を高め,戦略的優先事項に対する現行資源の割当てをより柔軟に行い,カナダ競争局の執行活動と競争促進活動がバランスよく相互に補完できるようにするものである。
 カナダ競争局は, 8部門から次の4部門へ,より効率的でまとまりのある体制へ移行する。
・ 合併・独占的行為部門:合併部門と行政事件(Civil Matters)部門を統合する。
・ カルテル・欺瞞的販売慣行部門:刑事事件部門と公正取引慣行部門を統合する。
・ 競争促進部門:経済政策・執行部門,立法・国際部門及び広報部門を統合し,カナダ競争局の戦略的企画,コンプライアンス促進及び支援活動を担当する。
・ 法人向けサービス部門:電子証拠班と情報センターを傘下に置き,人材開発,情報管理,会計及び総務を担当する。

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