オーストラリア

豪州競争・消費者委員会,海上輸送事業者シー・スイフト社による日本郵政傘下トール・マリーン社の買収について反対する旨決定

2015年7月9日 豪州競争・消費者委員会 公表
原文

【概要】

 豪州競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は,Sea Swift Pty Ltd(以下「シー・スイフト社」という。)によるToll Marine Logistics Australia(以下「トール・マリーン社」という。)(同社は,日本郵政の子会社Toll Holdings(以下「トール社」という。)の傘下にある。)の北部特別地域及びクイーンズランド州最北端地域の海運事業の買収計画について,競争を実質的に減殺するおそれがあるとして反対する旨決定した。
 ACCCのフェザーストン委員は,「シー・スイフト社及びトール・マリーン社の両社は,北部特別地域及びクイーンズランド州最北端地域における海運事業の最大手事業者であり,多くの路線で定期的に運送事業を行っているのは2社のみである。過去2年間,両社は互いに熾烈な価格競争を行っていた。このような価格競争を行っている間,トール社は,自社の事業をシー・スイフト社に対して高額で売却し,シー・スイフト社の株式20%を保有する旨合意した。今回の買収計画は,両社間の競争を排除するだけでなく,他の海運事業者による新規参入又はシェア拡大を阻む障壁を大きくするおそれがある。今回の買収計画は,これらの市場におけるシー・スイフト社の地位及び権限を強化し,他の海運事業者に対し,トール社の市場退出によって生ずるシェア拡大の機会を失わせるものである。ACCCが認識している限り,トール社は,自社の事業を市場で売り出すこと,若しくは,今回売却する事業又は当該事業で用いられる資産について他の潜在的買収候補者を探すことをしなかった。シー・スイフト社は,熾烈な価格競争の終了及びトール社の市場からの退出で最も利益を得る事業者であり,シー・スイフト社が当該事業の取得のためにもっとも高い金額を支払うだろうとトール社が考えたこと自体,驚くべきことではないが,ACCCは,事業者が当該資産を売却することによる事業者の商業上の利益ではなく,競争上の効果について検討しなければならないのである。」と述べている。
 ACCCは,今回の買収計画について,競争を実質的に減殺するおそれがあるという予備的見解を既に示していた。当事会社は,当該懸念に対処するため,ACCCに対して確約(undertakings)を提案した。ACCCは,当該確約案を検討し,当該確約案は競争上の懸念に対処できないと判断した。

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