オーストラリア

オーストラリア競争・消費者委員会,ワイヤーハーネスの受注調整に関与したとして950万オーストラリアドルの制裁金を矢崎総業に課した連邦裁判所の判決について,制裁金が過小である等として連邦控訴裁判所に控訴

2017年5月30日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文

【概要】

 オーストラリア競争・消費者委員会は,矢崎総業に対して,共謀行為を行っていたとして950万オーストラリアドルの制裁金の支払いを課した連邦裁判所の判決について控訴した。
 Rod Sims委員長は本件について次のとおり発言した。「委員会は,連邦裁判所に対して,矢崎総業の事業規模及び同社が行った共謀行為の悪質性を考慮し,同社には4200万から5500万オーストラリアドルの制裁金の支払いを命ずるべきであると主張していた。同裁判所のBesanko判事は,矢崎総業の行為について,計画的,巧妙かつ手の込んだものであるとしていた。委員会としては,制裁金はこの点を適切に反映する必要があるだけでなく,すべての企業に対して競争法違反行為への強烈な抑止効果となるだけの深刻な結果をもたらすべきであると主張するつもりである。もし制裁金が共謀行為の悪質性に見合うものでなければ,大企業は国内競争法に違反した際の制裁金を,せいぜい事業遂行上の費用としか考えなくなってしまう。」。
 なお,オーストラリア競争・消費者委員会は,同Besanko判事が,矢崎総業の子会社であるオーストラリアン・アローに関して,2003年から2008年の間に矢崎総業が結んだ共謀の合意を実施しなかったとの認定をしたことについても控訴している。

背景

 2015年11月24日,連邦裁判所は,2003年から2008年の間,矢崎総業が,トヨタが発注する,オーストラリア国内で製造されるトヨタ・カムリ用のワイヤーハーネスの供給について,競争事業者と受注調整していたと認定し,2017年5月9日,矢崎総業に対して総額950万オーストラリアドルの制裁金を支払うことを命じていた。

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