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オーストラリアオーストラリア競争・消費者委員会はTPG Telecom及びVodafone Hutchison Australiaの企業結合計画を禁止【要約】
2019年5月9日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文
【概要】
オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は,TPG Telecom(以下「TPG」という。)及びVodafone Hutchison Australia(以下「Vodafone」という。)の企業結合計画を禁止することを決定した。
オーストラリアでは,モバイルサービス市場は集中度が非常に高く,Telstra,Optus及びVodafoneの3社が87%のシェアを占めている。同様に,固定ブロードバンド市場の集中度も高く,Telstra,TPG及びOptusの3社がシェア約85%を占めている。
ACCCは,提案のあったTPG及びVodafoneの企業結合計画では,この分野における市場の競争及び将来の競争が減少することになることを懸念した。
ACCCは,特に,本件企業結合によってTPGがモバイルサービス市場の第四の事業者として参入する可能性が無くなることから,モバイルサービス供給市場の競争が実質的に制限されることになると結論付けた。
TPGは,2017年にHuaweiの機器を用いて,モバイルネットワーク市場への展開を開始していた。しかし,2019年1月,同社は,連邦政府の5Gセキュリティガイダンスを理由に,モバイルネットワーク市場への展開を中止する旨公表していた。
しかし,既存の企業はTPGをモバイルサービス市場における強力な潜在的競争業者と見ていた。こうした市場からの評価は,TPGが新しいモバイルサービス事業者として参入することによって価格が下がり,消費者に実質的な便益をもたらすとする見解を裏付けるものであった。