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ドイツ

ドイツ連邦カルテル庁は,Amazonが,支配的地位の濫用が疑われる契約条項を修正したことから,同社に対する調査を終了

2019年7月17日 ドイツ連邦カルテル庁 公表
原文
 
【概要】

 ドイツ連邦カルテル庁は,AmazonがドイツのAmazonマーケットプレイス上の販売者と締結する契約条項及び取引慣行について支配的地位を濫用している疑いがあるとして,2018年11月から同社に対する調査を行っていたところ,同庁が当該契約条項に競争上の懸念を示したことを受けて同社が当該契約条項を修正したことから,本件調査を終了した。
また,同庁のMundt長官は,「本件手続の結果,Amazonは,ドイツのみならず,ヨーロッパ全域,北米及びアジアを含む世界中のマーケットプレイスにおける販売者の活動に係る契約条項を修正した。」などと述べた。
 主な契約条項の修正項目は,下記のとおりである。
 ⑴ 販売者に不利益を課す責任条項
   Amazonは,販売者に対し,いかなる責任も免除されていた。修正後,Amazonの免責の範囲が狭まった。
 ⑵ アカウントの停止・廃止に係る条項
   Amazonが,Amazonマーケットプレイス上の販売者のアカウントを正当な理由なしに,即時に停止・廃止できることとされていた。修正後,30日前の通知が必要と変更された。
 ⑶ 裁判管轄権に係る条項
   ヨーロッパのAmazonマーケットプレイスに係る提訴はルクセンブルクにある欧州司法 裁判所に限定されていた。修正後,同制限は撤廃された。
 ⑷ 製品情報とそれを使用する権利に係る条項
   販売者は,自身が有する製品情報,商品説明,画像等の広範なプロダクトの使用をAmazonに認めるとともに,他の販売ルートで使用しているものと同じ高い品質のプロダクトを提供しなければならなかった。修正後,Amazonの使用は特定の目的に制限され,同等性条件は撤廃された。
 ⑸ 守秘義務関連条項
   販売者は,Amazonとのビジネス関係について,Amazonにより事前に書面で承諾を得た場合にのみ公表することが認められていた。修正後,同条項の範囲は著しく狭まった。
 ⑹ 製品レビュー及び販売者による評価に係る条項
   Amazonは,Amazon Retail以外からの購入者が提供した製品レビューをプラットフォームから排除していた。Amazonは,偽装されたレビューリスクを主張し,同主張を同庁は納得し,更なる追及を控えた。 

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