その他

オーストラリア

ACCC,アマゾンによるMGMの買収計画を承認

2021年12月16日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文

【概要】

 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は,アマゾンによるMGMの買収計画がオーストラリアのいかなる市場においても競争を著しく阻害するおそれはないとして,当該買収計画を承認した。
 アマゾンは,オーストラリアにおいて,オンライン小売,エンターテイメント,テクノロジーサービスなど,様々な事業を展開している。アマゾンは,ストリーミング・プラットフォームであるプライムビデオを所有・運営しており,定額制のアマゾンプライム会員制度の一部として組み込まれている。また,アマゾンは,アマゾンスタジオを通じて,オーディオビジュアルコンテンツ(AVコンテンツ)の制作にも積極的に取り組んでおり,これらのコンテンツはプライムビデオに独占的にライセンス供与されている。
 MGMは,AVコンテンツを制作し,劇場公開用の映画館,ストリーミング・プラットフォーム等の興行主に対して,配給及びライセンス供与を行っている。MGMは膨大なライブラリーを有しており,最近の代表作としては,ジェームズ・ボンドやロッキー/クリードの映画シリーズ,ヴァイキング(Vikings)やハンドメイズテイル(The Handmaid's Tale)のテレビシリーズなどが挙げられる。
 ACCCの審査は,アマゾンがプライムビデオを優遇するために,他の興行主によるMGMのコンテンツの利用を制限したり,契約条件を悪化させたりする可能性,また,それが実現した場合の競争に与える影響に焦点を当てた。
 また,ACCCは,映画館やストリーミング・プラットフォームといった興行主にとってのMGMのコンテンツの重要性や,アクセスの減少が川下市場に与える可能性のある影響についても,綿密に検討した。
ACCCは,MGMのコンテンツがAVコンテンツの興行主にとって重要な要素になるとは考えにくいと判断した。仮にアマゾンが第三者へのライセンス供与を制限・縮小したとしても,オーストラリアにおける川下市場における競争を実質的に制限することにはならないだろう。
 買収後も,映画館やストリーミング・プラットフォームなどの興行主は,高品質のAVコンテンツを提供する複数のサプライヤーを利用することができる。また,ストリーミング・プラットフォームは,独自のコンテンツを制作したり,独自のコンテンツに資金を提供したりすることが引き続き可能である。
 ACCCは,MGMがジェームズ・ボンドシリーズを含む,最も価値のある作品を独占的に支配しているわけではないため,アマゾンがこれらの作品をプライムビデオにのみライセンスする能力は限定的であると考えている。ジェームズ・ボンドシリーズを共同所有するイーオン・プロダクションズは,今後も劇場公開用ジェームズ・ボンド映画の製作を継続することを公言している。
複数の市場に進出している大規模なデジタル・プラットフォーム事業者による買収の競争への影響は,ACCCにとって引き続き懸念事項である。ACCCは,アマゾンによるMGMの買収が競争を実質的に制限するとは考えていないものの,同様の買収を引き続き注 意深く点検する。
 ACCCは,本件買収計画が米国を含む他の管轄区域の当局による審査の対象であることに留意している。

中国

市場監管総局のSKハイニックスによるインテルの一部事業買収に係る独占禁止法上の審査決定に関する公告

2021年12月22日 国家市場監督管理総局 公表

原文(中国語)

 国家市場監督管理総局(以下「市場監管総局」という。)は,SKハイニックスによるインテルの一部事業(以下「対象事業」という。)の買収案(以下「本件買収」という。)についての買収の届出を受領し,審査を経て,本件買収について,制限的条件を付加して承認すると決定した。
 
1 事案の基本状況
 買収側:SKハイニックスは,1983年に韓国で登記・設立され,1996年に韓国証券取引所に上場,株式は分散しており,最終親会社は存在しない。主としてメモリ,SSD及びイメージセンサー事業を行っている。
 被買収側:対象事業はインテルのストレージ事業の一部分であり,最終親会社はインテルである。主としてNAND型フラッシュメモリ及びSSD関連事業を行っている。
 2020年10月19日,双方の当事会社は契約を締結した。本件買収完了後,SKハイニックスは対象事業を単独支配することになる。
 
2 関連市場
(1)関連商品市場
 審査により,SKハイニックスと対象事業は,PCIeエンタープライズSSD市場,SATAエンタープライズSSD,クライアントSSD及びNAND型フラッシュメモリ市場において,水平的関係にあると認められる。同時に,SKハイニックスは,川上市場のDRAM事業も行っており,川下市場のSSDとは垂直的関係が存在し,NAND型フラッシュメモリとSSDにも同様の垂直的関係が存在する。
 
(2)関連地理的市場
 本件買収の関連商品は,それぞれ全世界で供給と購入が行われており,サプライヤーは全世界で競争を行っている。製品価格は国ごとに明確な差異はないほか,製品運送費が最終販売価格に占める割合も比較的低く,国際的な貿易に顕著な障壁はない。それゆえ,上述商品の関連地理的市場は全世界と画定され,同時に中国国内の市場状況も考察する。
 
3 競合他社の分析
 市場監管総局は,独占禁止法第27条の規定に基づき,企業結合に参加する事業者の関連市場における市場シェア及び市場支配力,関連市場の市場集中度,本件買収が川下ユーザー企業その他の関連事業者に与える影響等の面から本件買収が市場に与える影響を詳細に分析した結果,本件買収が全世界及び中国国内のPCIeエンタープライズSSD市場及びSATAエンタープライズSSD市場に対して競争を排除若しくは制限する効果を有する又はその可能性があると認めた。
 
4 問題解消措置付加の協議
 審査過程において,市場監管総局は,本件買収が競争を排除若しくは制限する効果を有する又はそのおそれがあるという審査意見を速やかに届出会社に告知し,併せて,届出会社といかにしてこの本件買収が競争に対して生み出す悪影響を減少させるかについて何度も協議を行った。届出会社が提出した制限的条件の承諾(訳注:コミットメント,約束の意味。)について,市場監管総局は「事業者集中審査暫定規定」に照らして,制限的条件の有効性,実施可能性及び迅速性の面から評価を行った。
 評価したところ,市場監管総局は,届出会社が2021年12月7日に提出した制限的条件付加承諾案が,本件企業結合がもたらす,競争への悪影響を減少させることができると認めた。
 
5 審査決定
 この企業結合がPCIeエンタープライズSSD及びSATAエンタープライズSSD市場において競争を排除若しくは制限する効果を有する又はその可能性があることに鑑み,届出会社の提出した問題解消措置案に基づき,市場監管総局は,本件買収を,制限的条件を付加して承認するものと決定し,企業結合後の当事会社に対して,以下の義務の履行を求める。
(1)不合理な価格で,中国国内市場でPCIeエンタープライズSSD製品及びSATAエンタープライズSSD製品を供給してはならない。中国国内市場で販売するPCIeエンタープライズSSD及びSATAエンタープライズSSDの価格は,取引条件が同等である状況において,発効日前24か月間の平均価格よりも高くしてはならない。
(2)発効日から5年以内は,PCIeエンタープライズSSD製品及びSATAエンタープライズSSD製品の生産量を持続的に拡大すること。
(3)公平,合理,無差別の原則に基づき,中国国内市場で全ての製品の供給を継続すること。
(4)中国国内市場のユーザーに対して,SKハイニックス又はSKハイニックスが支配するいかなる会社からも,排他的に製品を買うよう強制又は実質的に強制してはならない。PCIeエンタープライズSSD製品とその他の製品,SATAエンタープライズSSD製品とその他の製品を,強制的に抱合せ又はバンドル販売してはならない。
(5)第三者である競争者1名がPCIeエンタープライズSSD及びSATAエンタープライズSSD市場に参入することを支援すること。
(6)販売価格,生産量又は販売量について,中国における主要競争相手と,いかなる競争を排除又は制限する書面又は口頭の取り決め,決定又はその他の協調行為(黙示の協調を含む)を行わないこと。
本決定は公告の日から発効する。

英国

CMA,アップル及びグーグルの複占は競争と選択を制限すると発表

2021年12月14日 英国競争・市場庁 公表
原文

【概要】

 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)が発表したモバイルエコシステムに係る市場調査に関する中間報告では,アップル及びグーグルの複占のために,ユーザーが損害を被っていることが指摘されている。
 
モバイル端末を「強く掌握する」企業
 2021年初め,CMAは,アップル及びグーグルが,両社の「エコシステム」を形成するOS(iOSとAndroid),アプリストア(App StoreとPlay Store)及びウェブブラウザ(SafariとChrome)を過度に支配しているとの懸念から調査を開始した。
 モバイル端末の購入者は,基本的にアップルのiOSかグーグルのAndroidのどちらかのエコシステムに入ることになる。その結果,アップル及びグーグルは,モバイルアプリ,ウェブサイト等のオンラインコンテンツをユーザーにどのように提供するかをコントロールすることができる。また,自社のサービスに有利になるような環境を整えることも可能である。例えば,アップルはiPhone及びiPadに自社のアプリストア以外のアプリストアをインストールすることを禁じており,同社のブラウザであるSafariもiPhoneやiPadにプリインストールされている。また,グーグルのブラウザであるChromeとアプリストアは,ほとんどのAndroid端末にプリインストールされている。
 CMAは,この状態が顧客にとって,競争及び有益な選択肢の減少につながっていることを懸念している。また,いわゆる「ウェブアプリ」及びiOSデバイスを使用してクラウドサービスを通じて行うゲームなど,革新的な新製品及びサービスの恩恵を人々が十分に享受できていないように見受けられる。また,CMAは,アップルの携帯電話,アプリの使用料,アプリ内での購入などにおいて,より競争的な市場と比較して高い価格に人々が直面するおそれがあることを懸念している。
 
モバイルエコシステム
 CMAは,アップル及びグーグルがその市場支配力を利用して,ほぼ自己完結型のエコシステムを構築できたと暫定的に認定している。その結果,他の事業者が新たなシステムで参入し,有意義な競争をすることは極めて困難となっている。
 アップルは,自社以外のアプリストアを認めず,他のブラウザの機能を制限するルールを設けている。グーグルは,Androidプラットフォームをオープンソースで提供しているにもかかわらず,Android端末メーカーとの契約により,アップルと同様の状況が見受けられる。これらの契約によって,Play Store及びChromeのプリインストールが推奨されており,Androidユーザーの圧倒的多数に利用されている。
 また,アプリ開発者は,アップル及びグーグルのアプリストアへのアクセスに関するルールを遵守しなければならないが,このルールは過度に制限的であるという声もある。開発者は,ユーザーにアクセスするためにこれらの条件を受け入れる必要があり,それらの条件にはアップル及びグーグルに30%の手数料を支払うことも含まれることがある。
 アップル及びグーグルは,このような規制の多くは,ユーザーに対するサービス全体のセキュリティ及び品質を維持するために必要であり,場合によってはユーザーの個人情報を保護するためにも必要であると主張している。CMAは,これらの考慮するべき事項が極めて重要であることに同意するが,アップル及びグーグルが,他のアプローチが利用可能であるにもかかわらず,このような主張をすることにより,自社のサービスを優遇し,有益な選択を制限していることを懸念している。
 本報告書では,これらの問題を解決するために,以下のような様々な対応を示している。
・ ユーザーが端末を買い換えようとする際に,機能性やデータを失うことなく,容易にiOSとAndroidの端末の切り替えができるようにすること。
・ いわゆる「ウェブアプリ」を含め,App StoreやPlay Store以外の方法でアプリをインストールしやすくすること。
・ 全てのアプリが,アップル及びグーグルの決済システムに縛られるのではなく,ゲームの課金やサブスクリプションなどのアプリ内決済の方法をユーザーが選択できるようにすること。
・ ブラウザなどのサービスにおいて,アップル及びグーグルに代替するものをユーザーが選択しやすくすること。特に,デフォルトで使用するブラウザを容易に設定できるようにすること。
 
戦略的市場地位
 CMAのこれまでの調査によると,アップル及びグーグルは,彼らのエコシステムにおける活動において,デジタル市場における新たな競争促進体制を構築するための政府による最近の提案における,「戦略的市場地位(Strategic Market Status)」(以下「SMS」という。)の指定の基準を満たすことが示唆されている。これらの提案は,協議過程やその後の立法過程の結果,変更される可能性があるため,継続的な見直しが必要とされている。
 この提案が立法化されれば,CMAに設置されるDMUが,どの「ビッグテック」事業者がSMSの地位にあることを認定する最終責任を負うことになる。SMSの地位にあると認定されたビッグテックは,その行動を管理し,強力な地位を利用することを防ぐために,法的強制力のある行動規範に直面することになる。
 上記の点を考慮したCMAの現在の見解は,デジタルエコシステム分野における事業者の市場支配力は,政府が最近,権限の付与を提案したDMUを通じて対処するのが最善であるというものである。また,CMAは,最近協議された,政府による競争法及び消費者法の権限の強化も待望している。
 一方,CMAはアップルのApp Store及びグーグルのプライバシーサンドボックスに係る提案について,競争上の懸念により,審査を行っている。いずれの審査もモバイルエコシステムに関する本件審査の範囲に含まれる問題を検討しているが,モバイルエコシステムに関する本件審査は,より広範なものである。CMAは,顧客や他の事業者にとって最良の結果が得られるよう,これら全ての関連案件について,連携したアプローチを採用する予定である。
 CMAは,最初の調査結果について意見募集手続を行っており,2022年2月7日を期限としている。また,今後,調査を継続し,2022年6月に最終報告書を発行する予定である。

ドイツ

ドイツ連邦カルテル庁,音響機器メーカーのボーズに制裁金を賦課

2021年12月2日 ドイツ連邦カルテル庁 公表
原文
【概要】

 ドイツ連邦カルテル庁は,フリードリヒスドルフに本社を置くBose GmbH(以下「ボーズ」という。)に対し,再販売価格維持を行ったとして,総額約700万ユーロの制裁金を課した。ボーズは,高性能(high-end)な電子機器を製造販売しており,当該分野における同社の活動は,主にスピーカーやヘッドフォンなどのオーディオ製品の販売が主となっている。本件手続は,オーストリア競争当局からの公的支援の要請と,2018年3月に実施された立入検査に基づき開始された。
 ボーズの従業員は,通常の仕入価格の交渉に加えて,販売価格を設定するための協調手段について,正規販売店との間で合意していた。その内容は,一般的には販売価格の引上げであり,場合によっては具体的な価格が設定されることもあった。このようにしてボーズは,正規販売店が提示する販売価格が同社の推奨小売価格を大きく下回らないようにし,また,ボーズの従業員は,これを監視していた。ボーズは,販売店が推奨小売価格を大きく下回って販売していた複数の事案に介入し,多くの場合,販売店は,ボーズから異議を唱えられた行為を取りやめた。販売店は,他の販売店が提示した(低すぎる)販売価格についてボーズに報告することで,当該違反行為における役割を担っていた。
 制裁金を設定するに当たり,当局は,ボーズがドイツ連邦カルテル庁に広く協力し,更には和解が成立したことを考慮した。制裁金賦課命令は最終的なものである。関係する販売店及びボーズの代表者に制裁金は課されなかった。
 

イタリア

AGCM,支配的地位を濫用していたとして,アマゾンに対して約11億2800万ユーロの制裁金を賦課

2021年12月9日 イタリア競争・市場保護委員会 公表
 原文(伊語) 原文(英語)

【概要】

 イタリア競争・市場保護委員会(以下「AGCM」という。)は,Amazon Europe Core S.à r.l.,Amazon Services Europe S.à r.l.,Amazon EU S.à r.l.,Amazon Italia Services S.r.l.,Amazon Italia Logistica S.r.l.(以下「アマゾン」という。)に対して,EU機能条約第102条に違反するとして,11億2800万ユーロの制裁金を課した。
 アマゾンは,イタリアのマーケットプレイスの仲介サービス市場において支配的な地位を有しており,当該地位を利用して,Amazon.it(訳注:アマゾンがイタリアで運営するマーケットプレイス)上で活動する出品者のアマゾンの物流サービスである「Fulfilment by Amazon(FBA)」の利用を促進することで,競合事業者が提供する物流サービスに不利益を与えるとともに,自社の支配的地位を強化した。
 AGCMは,FBAの利用が,Amazon.it上での認知度向上及び売上げ増加に不可欠な,一連の独占的恩恵に結びついているものであると判断した。当該恩恵のうち,認知度向上及び売上げ増加に最も関連があるものは,プライムラベル(Prime label。商品ページに表示される”Prime”マークのことをいう。プライム会員に対して商品が迅速に配送されるなど利便性の高い商品として認知される。)である。プライムラベルに(登録すること)よって,アマゾンのロイヤルティプログラム会員である700万人以上の消費額の高い上得意顧客への販売がより容易になる。アマゾンは,第三者である出品者がFBAを利用しないと申し出た場合,プライムラベルへの登録ができないようにしていた。
 また,出品者は,プライムラベルに(登録することに)よって,ブラックフライデー(Black Friday),サイバーマンデー(Cyber Monday),プライムデー(Prime Day)など,アマゾンが開催する著名なスペシャルイベントに参加できるようになり,出品者の商品がBuy Box(訳注:商品ページの右上に表示されるショッピングカートボックス)に表示される注目商品に選ばれる可能性が高まる。
 審査の結果,このような恩恵は,Amazon.itにおける認知度向上,売上げ増加及び出品者の成功に不可欠なものであることが分かった。
 また,FBAを利用する出品者は,FBAを利用しない出品者のパフォーマンスを監視するためにアマゾンが運用している厳格なパフォーマンス評価の対象外となっていた。FBAを利用しない出品者は,当該パフォーマンス評価の結果によって,最終的には,Amazon.itにおいて,アカウント停止につながる可能性がある。
 上記行為により,アマゾンは,競合する電子商取引物流事業者がアマゾンのFBAと同等の品質のサービスを提供可能であることをオンラインの出品者に示すのを妨げることで,当該事業者に不利益を与え,それにより,Amazon.it上での商品の表示を確保することを可能にした。当該行為によって,電子商取引の荷物の配送においても,アマゾンと競合他社との間で市場支配力の差を拡大させた。
 本件市場支配的地位の濫用の結果,競合のマーケットプレイスも被害を受けている。なぜなら,FBAを利用する出品者は,倉庫のコストが重複しないよう,少なくともAmazon.itと同程度の品ぞろえで他のオンラインプラットフォームで商品を販売することを控 えるようになるからである。
 AGCMは,アマゾンの本件濫用戦略を特に深刻なものであると判断し,その深刻さ,期間,既に生じている影響及びグループの規模を考慮して,制裁金を課すことを決定した。
 また,AGCMは,関連市場の競争状態を直ちに回復させるために,アマゾンに対して,監視トラスティ(monitoring trustee)による監視(review)の対象となる行動的問題解消措置を課した。
 特にアマゾンは,プライム会員の顧客に保証しようとしているサービスのレベルに応じて,注文履行に関する公正かつ差別的でない基準に沿った全ての第三者の出品者に対して,Amazon.itにおける販売上の恩恵及び認知度を付与しなければならない。
 アマゾンは,そのような基準を定めて公表し,決定の日から1年間,Amazon.itにおける出品者の注文の物流に関する料金及びその他の契約条件について,FBA以外の運送事業者及び/又は競合する物流事業者と,出品者に代わって交渉してはならない。

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