その他

オーストラリア

ACCC、グーグルによるサイバーセキュリティ事業者であるMandiantの買収計画を承認

2022年8月11日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表

原文
【概要】

 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は、グーグルによるMandiantの買収計画を承認する予定である。
 Mandiantは、インターネット上の危機等(インシデント)への対応を専門とするサイバーセキュリティ・コンサルティング・サービスや、その他のサイバーセキュリティ製品を提供している。
 グーグルは、グーグルクラウドや一部のサイバーセキュリティ製品を含む、ソフトウェアやインターネットベースの製品を提供している。
 ACCCのジーナ・キャスゴットリーブ委員長は、次のように述べた。
 「ACCCによる審査の結果、グーグルとMandiantはサイバーセキュリティ製品の供給において競合関係になく、本件買収は競争を大幅に低下させる可能性はないと結論付けた。
 本件審査において、サイバーセキュリティ及びクラウドプラットフォームの製品には、代替供給者が多数存在することが判明したことから、本件買収計画がクラウドプラットフォームやサイバーセキュリティサービスにおいて、競合他社を排除するインセンティブや能力をグーグルに与える可能性は低いと判断した。」
 上記見解に至るに当たり、ACCCはグーグル及びMandiantの顧客や競合他社にヒアリングを実施した。
 

ACCC、ソーシャルメディアに係る競争及び消費者の懸念について調査へ

2022年8月16日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表
原文
【概要】

 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)は、5年間にわたるデジタル・プラットフォームサービス調査の第6回中間報告として、オーストラリアにおけるソーシャルメディアの競争状況について調査を行うこととした。
 また、ACCCは、ディスプレイ広告、スポンサー広告、書き込みに報酬を支払うインフルエンサーなどのソーシャルメディア広告サービスを利用して消費者に宣伝する際に起こり得る消費者問題についても検討するとしている。
 第6回中間報告は、2019年に公表されたACCCのデジタル・プラットフォーム調査におけるソーシャルメディアサービスの分野に係る競争に関する広範な分析に基づき、それを更新する形で行う予定である。
 本日公表した論点ペーパーについては、事業者、消費者及びその他の利害関係者からの意見を求めており、各方面からの意見は第6回中間報告書の内容に深く影響すると考えられる。
 ACCCは、新規のプラットフォームが直面する参入・拡大障壁を含むソーシャルメディアサービスの競争上の問題や、消費者及び事業者が取引先サービス提供事業者を変更しようとする際に直面するハードル及び費用の競争上の問題について検討する。
 また、ACCCは、詐欺による影響や、ソーシャルメディアを通じて事業者が流す誤解を招く又は欺瞞的なコンテンツにさらされた危険など、ソーシャルメディアに関する消費者の経験についても検証する。
 ACCCは、2019年のデジタル・プラットフォームの調査において、フェイスブック(現メタ)が、オーストラリアのソーシャルメディアサービス分野において、実質的な市場支配力を有していると結論付けていた。今回の報告書では、同サービスの2019年以降の変化も踏まえて、ACCCの評価を改定する予定である。
 また、キャスゴットリーブ委員長は、次のように述べた。
 「ティックトックのような新規参入事業者がオーストラリアにおけるソーシャルメディアの競争の在り方を変えてきたのかどうかも含め、我が国におけるソーシャルメディアサービスへの参入・拡大障壁に関する意見を受け取ることにも注力する。」
 さらに、ACCCは、詐欺や誤解を招くコンテンツや欺瞞的なコンテンツのためにソーシャルメディアを使用・濫用することに関する意見も求めている。オーストラリア国民は、2021年、ソーシャルメディアを通じた詐欺によって1億4400万ドル以上の損害を被っており、これは2020年の約2倍、2017年の約4倍にも上る。
 消費者及び事業者が、ソーシャルメディア広告の誤解を招く可能性のある文言を報告するための効果的な手続に係るソーシャルメディア・プラットフォーム事業者からの意見も求めている。
 
背景
 ACCCのデジタル・プラットフォーム部門は、財務大臣の指示を受け、オーストラリアにおけるデジタル・プラットフォームサービスの供給分野並びにデジタル・プラットフォームサービスの競争及び消費者への影響を調査するため、5年にわたる市場調査を行っている。この調査の進捗は6か月毎に財務大臣に報告され、様々な形態のデジタル・プラットフォームサービス及びデータブローカーを含む広告サービスについても検証していく予定である。
 本件調査報告書は、第6回報告書として、2023年3月31日までに財務大臣に提出される予定である。
 デジタル・プラットフォームサービス市場における競争及び消費者の懸念に対処するための新しい規制の枠組みへのニーズに応えるため、ACCCの第5回報告書は、2022年9月30日までに財務大臣に提出されることになっている。
 第6回報告書においてACCCが焦点を当てるソーシャルメディア・プラットフォームには、フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、ティックトック及びスナップチャットが含まれている。ユーチューブやReddit、Discordのような、上記のソーシャルメディアサービスと似た特徴を持つプラットフォームについても検討されている。また、ACCCは、BeRealのような、オーストラリアにおける新規のソーシャルメディア・プラットフォームの参入についても注視していく。

英国

CMA、不動産技術・ソフトウェアプロバイダーであるDye&Durhamに対し、同社が取得したTMグループの売却を命令

2022年8月3日 英国競争・市場庁 公表

原文

【概要】

 英国競争・市場庁(以下「CMA」という。)は、企業結合審査の2次審査の結果、Dye & DurhamによるTMグループの買収が、イングランド及びウェールズにおける不動産物件検索サービスの供給市場における競争を実質的に減殺することが明らかになったとして、Dye & Durhamに対して既に取得したTMグループの売却を命じることとした。
 不動産物件検索報告書(Property search reports)は、物件の売買が成立する前に、物件の所有権、アクセス権、計画制限、上下水道サービス、洪水リスク、その他の重要な情報など、買い手と売り手が必要とする全ての事実を把握していることを確認するために使用されるものである。同報告書は、不動産の売買を行う個人及び法人に代わり、不動産取引専門弁護士、事務弁護士、不動産事業者及び住宅ローン仲介事業者が、Dye & Durham、TMグループ等の事業者に作成を発注しているものである。不動産物件検索サービスの料金は、ほぼ全ての不動産取引で発生し、住宅購入者が支払う不動産取引手数料の中に含まれて いることが多い。
 クラウドベースのソフトウェア及びテクノロジーソリューションの国際的なプロバイダーであるDye & Durhamは、2021年7月に英国スウィンドンに所在するTMグループを9150万ポンドで買収する計画を発表した。当事会社は、様々な異なるブランドの下、英国の顧客に不動産物件検索サービスを提供している。
 当事会社は、本件買収計画についてCMAに届け出なかったが、CMAは、企業結合の継続的監視活動の中で本件買収の潜在的な懸念を認め、2021年10月に初期審査を開始し、2021年12月には独立チームが主導する2次審査へと移行した。2次審査では、当事会社の戦略文書及び顧客調査並びに顧客、競合他社及び他の業界関係者から提供された広範な情報など、様々な証拠を検討した。
 当事会社は、本件買収前は熾烈な競合関係にあり、買収後には市場最大の供給事業者となることが明らかとなった。また、CMAは、本件買収により、市場には2つの別の国内大手事業者が残るのみで、小規模事業者との競争は、本件買収により失われる競争を回復するものではないと判断した。
 したがって、CMAは、本件買収が競争を低下させ、市場におけるイノベーションの低下、価格の上昇及びサービスの質の低下につながるおそれがあると結論づけた。これは、イングランド及びウェールズにおいて住宅及び商業用不動産を売買する個人及び法人にとって、より悪い取引を意味する可能性がある。
 CMAは、このような競争の喪失に対処するため、Dye & DurhamがTMグループをCMAの承認を受けた適切な買い手に売却しなければならないと結論付けた。

韓国

KFTC、調達庁が発注する鉄筋に関する入札において数年間にわたり入札談合を行っていた11社に総額2565億ウォンの課徴金を賦課し、うち7社(韓国7大製鋼会社)を検事総長に告発

2022年8月11日 韓国公正取引委員会 公表
原文
【概要】

 韓国公正取引委員会(以下「KFTC」という。)は、調達庁が2012年から2018年の間に定期的に発注した鉄筋の年間単価契約入札において、事前に落札量を配分し、入札価格を合意した現代製鉄株式会社、東国製鋼株式会社、大韓製鋼株式会社、韓国鉄鋼株式会社、ワイケイスチール株式会社、ファニョン鉄鋼工 業株式会社、韓国製鋼株式会社、株式会社ファジン鉄鋼、株式会社コスチール、サムスン鉄鋼株式会社及びドンイル産業株式会社(以下それぞれの社名から「株式会社」を省略する。)の11社に対し、是正命令とともに総額2565億ウォンの課徴金を賦課した。また、このうち、現代製鉄、東国製鋼、大韓製鋼、韓国 鉄鋼、ワイケイスチール、ファニョン鉄鋼工業及び韓国製鋼の7社及びその元・現職職員9名については検事総長に告発することを決定した。
  
 今回の措置は、鉄筋の公共分野での調達市場において秘密裏に長期間にわたって行われていた入札談合を摘発し、制裁を加えたものである。これは、民間分野における鉄筋価格カルテル、鉄スクラップの購入カルテルに続いて、公共分野における鉄筋の入札談合にも厳重な制裁を加えることで、製鋼会社がカルテル・入札談合を通じて競争を制限してきた慣行を打破するものである。これにより、今後、鉄筋等の販売市場において競争秩序が確保されることが期待される。
 
 KFTCは、物価上昇の懸念が続く現在の局面において、国民生活に密接した分野のほか、産業の競争力を低下させる原材料、中間財のカルテル・入札談合に対する点検を強化し、カルテル・入札談合の摘発時には厳重な制裁を加えていく。
 
1 入札の概要及び入札行動
本件入札
 調達庁は、地方自治体、市、道の教育庁傘下の各級学校など、各種公共機関が使用する鉄筋を購入するため、1年又は2年単位で定期的に、総契約金額約9500億ウォンになる合計130万~150万トンの鉄筋について入札を実施している。130万~150万トンは、国内全体の鉄筋生産能力(生産量)の10~15%程度を占める。
 鉄筋は、鉄スクラップ(古鉄)を溶かしてビレット(Billet)等を生産する工程である製鋼工程と、ビレット等を圧延する圧延工程を通じて製造される。現代製鉄、東国製鋼、大韓製鋼、韓国鉄鋼、ワイケイスチール、ファニョン鉄鋼工業及び韓国製鋼は、製鋼施設を備えており、製鋼工程と圧延工程を通じて鉄筋を製造する製鋼会社である(以下、上記7製鋼会社を「7大製鋼会社」という。)。
 また、ファジン鉄鋼、コスチール、サムスン鉄鋼、ドンイル産業は、製鋼施設を備えておらず、ビレット等を購入した後、圧延工程を通じて鉄筋を製造する圧延会社である(以下、「圧延会社4社」という。)。
 上記の7大製鋼会社及び圧延会社4社が本件入札談合に参加した。
 
入札方式 
 本件入札は、希望数量競争入札方式で実施された。希望数量競争入札とは、入札者が契約を希望する数量と単価を入札し、最低価格で入札した者の順に、調達庁が入札公告した物量に到達するまで入札者を落札者と定める方式である。
 このような希望数量競争入札においては、各入札者の入札価格で契約が締結されるのが一般的であるが、本件入札では、最低価格で入札した入札者の価格で他の入札者も契約が締結された。そのため、一般的な方式では、事前に落札物量を配分した場合、入札価格まで合意する必要はないが、本件入札では最低入札価格が適用されるため、入札価格も合意する必要があった。
 
一般的な希望数量競争入札VS本件の希望数量競争入札

一般的な希望数量競争入札

本件の希望数量競争入札

<総公告物量3万トンに対し、A、B、C及びDが入札に参加して、下記のとおり入札した場合>
(単位:トン、ウォン)

区分

入札物量

入札価格

落札物量

契約価格

A

15,000

9,900

15,000

9,900

B

10,000

9,950

10,000

9,950

C

10,000

9,970

5,000

9,970

D

5,000

9,990

0

-

<総公告物量3万トンに対し、A、B、C及びDが入札に参加して、下記のとおり入札した場合>
(単位:トン、ウォン)

区分

入札物量

入札価格

落札物量

契約価格

A

10,000

9,900

10,000

9,900

B

8,000

9,950

8,000

9,900

C

7,000

9,970

7,000

9,900

D

5,000

9,990

5,000

9,900

 
入札行動
 本件入札は、配達場所、運搬条件及び鉄筋の鋼種・規格等により、(2013年入札は3分類)に分けて実施された。そして、本件入札は、5分類毎に希望数量と入札価格で応札しなければならない多少複雑な入札方式であるにもかかわらず、以下の表のとおり、入札参加者は2012年入札から2018年入札まで、長期間にわたり毎回、一定の量を落札していた。
 また、分類別に応札しなければならないため、計28件の入札があったが、希望数量競争方式の入札において、失格業者が一度も発生しなかった。
 
業者別の落札率
(単位:%)

区分

2012年入札
 

2013年入札
 

2014年入札
 

2015年入札
 

2017年入札
 

2018年入札
 

現代製鉄

36.0

35.4

33.6

31.5

30.9

30.6

東国製鋼

18.2

18.3

19.4

19.8

20.1

20.0

大韓製鋼

9.5

10.0

10.4

10.7

10.8

10.8

韓国鉄鋼

10.3

10.3

10.0

10.0

10.0

10.1

ワイケイスチール

9.3

9.4

9.1

9.2

9.3

9.2

ファニョン鉄鋼工業

7.3

7.1

6.9

7.2

7.1

7.1

韓国製鋼

6.3

6.3

6.4

6.5

6.8

6.8

ハンジン製鋼

2.3

2.5

2.5

2.7

-

-

ドンイル産業

0.8

-

-

-

-

-

東亜SNT

-

0.7

1.3

1.4

1.9

2.1

韓東鉄鋼工業

-

-

0.4

0.5

-

-

サムスン鉄鋼

-

-
 

-
 

0.5
 

0.6
 

0.6
 

ファジン鉄鋼

-

-

-

-

1.6

1.6

コスチール

-

-

-

-

0.9

1.1

合計

100.0

100.0

100.0

100.0

100.0

100.0

 
 また、以下の表のとおり、入札参加業者らの入札率は98.94~99.99%であり、特に2012~2015年にはほぼ99.90%以上で、ほとんどが99.95%を超えている。
 
業者別の入札率
(単位:%)

区分

2012年入札

2013年入札

2014年入札

2015年入札

2017年入札

2018年入札

現代製鉄

99.98
 

99.92
 

99.95
 

99.94
 

99.89
 

98.94
 

東国製鋼

99.98
 

99.92
 

99.96
 

-
 

99.87
 

99.48
 

大韓製鋼

99.98
 

99.95
 

99.96
 

99.98
 

99.85
 

99.38
 

韓国鉄鋼

99.98
 

99.94
 

99.96
 

99.95
 

99.83
 

98.95
 

ワイケイスチール

99.98

99.94
 

99.96
 

99.96
 

99.84
 

99.60
 

ファニョン鉄鋼工業

99.99
 

99.96
 

99.96
 

99.98
 

99.82
 

99.72
 

韓国製鋼

99.98

99.94

99.98

99.98

99.86

99.67

ハンジン製鋼

99.99

99.89

99.95

99.95

-

-

ドンイル産業

99.99

-

-

-

-

-

東亜SNT

-

99.89

99.95

99.95

99.80

99.21

韓東鉄鋼工業

-

-

99.99

99.99

-

-

サムスン鉄鋼

-

-

-
 

99.95

99.80

99.70

ファジン鉄鋼

-

-

-

-

99.78

99.55

コスチール

-

-

-

-

99.78

99.45

 
2 具体的な違反行為の内容
違反行為
 現代製鉄等11社は、2012年~2018年の期間に、調達庁が定期的に発注した希望数量競争方式の鉄筋の年間単価契約入札に参加し、事前に11社が落札する総量を定めた後、この総量を各業者別に配分するとともに、入札価格を合意した。
 
入札談合参加者の入札参加状況

区分
 

2012年入札

2013年入札

2014年入札

2015年入札

2017年入札

2018年入札

国内


製鋼会社

現代製鉄

東国製鋼

大韓製鋼

韓国鉄鋼

ワイケイスチール

ファニョン鉄鋼工業

韓国製鋼

圧延会社

ドンイル産業

 

 

 

 

 

ハンジン製鋼

 

 

東亜SNT

 

韓東鉄鋼工業

 

 

 

 

サムスン鉄鋼

 

 

 

ファジン鉄鋼

 

 

 

 

コスチール

 

 

 

 

* 14社が本件入札談合に参加したが、株式会社東亜SNT、株式会社韓東鉄鋼工業及び株式会社ハンジン製鋼の3社は、破産宣告又は廃業により終結している。
(訳注)○は応札を意味する
 
落札量の配分
 落札量は、各業者の生産能力、調達庁との過去の契約量等を基準として配分された。
 
3 適用法条・措置内容
適用法条
旧「独占規制及び公正取引に関する法律」第19条第1項第3号(物量配分談合)及び第8号(入札談合)
* 2021年12月30日に 施行された現法律(第17799号)上の該当法条は、第40条第1項第3号及び第8号である。
 
措置内容
 KFTCは11社に対し、是正命令とともに総額2565億ウォンの課徴金を賦課し、このうち7大製鋼会社及び7大製鋼会社の入札担当者9名については、検事総長に告発することを決定した。
 
是正命令
 入札談合に参加した11社(ワイケイスチールの場合、分割存続会社であるヤマトコリアホールディングス)に対して、「行為禁止命令」を課すことを決定した。
 
課徴金
 入札談合に参加した11社に対し、総額2565億ウォンの課徴金を賦課することを決定した。
 
事業者別課徴金賦課内訳
(単位:百万ウォン)

事業者名

課徴金額

事業者名

課徴金額

現代製鉄

86,613

東国製鋼

46,107

大韓製鋼

29,040

韓国鉄鋼

31,830

ワイケイスチール

23,653

ファニョン鉄鋼工業

20,607

韓国製鋼

16,344

ファジン鉄鋼

1,186

コスチール

805

サムスン鉄鋼

240

ドンイル産業

82

-

-

合計

256,507

 
法人の刑事告発
 本件入札談合を主導したり、入札談合の事実を否定したりすることで、KFTCの調査に協力しなかった7大製鋼会社(ワイケイスチールの場合、分割存続会社であるヤマトコリアホールディングス)については、検事総長に告発することを決定した。
 
役員等の刑事告発
 入札談合の主導性等を考慮して、現代製鉄の元・現職職員2名、東国製鋼、大韓製鋼の元職員各1名、韓国鉄鋼、ワイケイスチール、ファニョン鉄鋼工業の現職職員各1名、韓国製鋼の現職職員2名についても、検事総長に告発することを決定した。
 
 なお、ワイケイスチールは、2020年9月1日に、ヤマトコリアホールディングス株式会社に商号を変更し、同日、鉄筋事業部門を分割し、新設法人であるワイケイスチール株式会社を設立した。本件入札談合は、鉄筋の製造・販売に関連するものであるため、課徴金は、鉄筋事業部門を担当する分割新設会社であ るワイケイスチールに賦課する。一方で、是正命令及び刑事告発は一身専属的な性質等があるため、分割存続会社であるヤマトコリアホールディングスを対象に行う。
 
4 意義‧今後の計画
 今回の措置は、公共分野の鉄筋入札市場において、秘密裏に長期にわたって行われた入札談合を摘発するとともに制裁を加えたもので、住宅、建設産業に直接影響を及ぼすなど、経済的波及力が大きい鉄筋市場における競争制限行為を是正したことに意義がある。
 また、KFTCは、韓国製鋼を除く製鋼会社6社が2015年5月から2016年12月の期間中に鉄筋の販売価格について合意した民間分野における鉄筋価格のカルテルに対して、総額1194億ウォンの課徴金を賦課し、このうち5社を刑事告発した。さらに、KFTCは、ファニョン鉄鋼工業を除く製鋼会社6社が2010年から 2018年の期間に鉄筋等の原材料となる鉄スクラップ (古鉄) の購買基準価格を鉄スクラップ購入カルテルに対して、総額3000億ウォンの課徴金を賦課し、このうち4社を刑事告発した。
 これらのカルテルに続き、公共分野における鉄筋入札談合についても厳重な制裁を加えることで、製鋼会社が入札談合を通じて価格等を人為的に調整してきた慣行を打破し、今後の鉄筋等販売市場において、競争秩序が確保されることが期待される。
 KFTCは、物価上昇の懸念が続く現在の局面において、国民生活に密接した分野のほか、産業の競争力を低下させる原材料や中間財のカルテル・入札談合に対する点検も強化することで、カルテル・入札談合の摘発時には厳重な制裁を加えていく。

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