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豪州

独立系ガソリン小売業者はドライバーに選択肢を提供し、ガソリン価格の低下につながる可能性がある(オーストラリアのガソリン小売市場)

2025年11月11日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表

原文

【概要】

1 概要
 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」という。)が公表したガソリン業界の動向に関する最新の報告書(以下「ガソリン業界報告書」という。)によると、中小規模の独立系ガソリン小売業者が大手チェーンと競合する都市では、ガソリン価格が一般的に安いことが判明した。 

2 ガソリン業界報告書の重要なポイント
(1) オーストラリアの石油市場の全体構造(図1) 
 アンポル、BP、エクソンモービル及びヴィヴァ・エナジー(以下「大手4社」という。)は、オーストラリア全土でガソリンの供給(国内精製又は輸入による。)及び卸売を行っている主要な企業である。2023~24年には、大手4社が、オーストラリア全体で供給するガソリンの約88%を、卸売販売するガソリンの約85%をそれぞれ占めている。
 一方、オーストラリア全土では多種多様なガソリン小売業者が営業しており、小規模な独立系小売業者が約26%を、他の大手小売ブランド(セブン・イレブン、EGグループ、シェブロン/カルテックス、ユナイテッド・ペトロリアム、オン・ザ・ラン)が約34%をそれぞれ占めている。

 図1 2023~24年の供給・卸売・小売部門におけるガソリン供給量の国内市場シェア(%)(注1)
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(注1) ACCCウェブサイトからの引用。本図の市場シェアは、ACCCのガソリン監視プログラム対象企業から取得したデータやオーストラリア連邦気候変動・エネルギー・環境・水資源省の「オーストラリア石油統計2025」に基づく小売データを用いて、ACCCが算出したものである。

(2) 小売部門
 2023~24年にACCCが監視対象とした8つの小売ブランドは、オーストラリア全土の小売ガソリン販売量の約74%を占めた。これにはアンポル、BP、ヴィヴァ・エナジー、セブン・イレブン、EGグループ、シェブロン/カルテックス、ユナイテッド・ペトロリアム、オン・ザ・ランが含まれる。スピードウェイやメトロ・ペトロリアム、フリーダム・フューエルズ、バジェット、ヴァイブ、パール・エナジー等の独立系小売業者や少数の小売拠点を有する事業者(総称して「小規模独立系小売業者」と呼ばれる。)は、2023~24年のオーストラリア全土のガソリン販売量の約26%を占めた。小規模独立系小売業者は少なくとも30の異なる小売ブランドで構成されており、2017~18年のオーストラリア全土のガソリン販売量の18%から、2023~24年には約26%へと、市場シェアは時間とともに徐々に増加している。この期間中、オーストラリアの小売店舗総数は増加した一方で、様々な要因によりガソリン需要は減少した。こうした傾向は、人口増加や、長らくガソリン小売業者の重要な収益源となってきた燃料以外の日用品・サービスへの需要拡大を反映している可能性がある。

(3) 消費者部門 
ア 主要都市ごとの分析(図2)
  一部の主要都市では競合ブランド数が他の都市と比較して多い。2023~24年のガソリン販売量に基づき、ACCCは小規模独立系グループがシドニー、メルボルン、アデレードで最も強い存在感を示し(それぞれ41%、29%、34%)、ブリスベンとキャンベラでは存在感が小さい(それぞれ15%、17%)と推定している。
 2022年7月から2024年6月にかけて、主要都市の中でキャンベラのレギュラー無鉛ガソリン平均小売価格は1リットルあたり194.4セントで最高値を記録し、ブリスベンが192.7セントで2番目に高かった。同期間において、シドニーとアデレードのレギュラー無鉛ガソリン平均価格は比較的低く(それぞれ1リットルあたり190.2セント、184.2セント)、パースは同期間において、主要都市間で最も低い平均小売ガソリン価格(1リットルあたり182.8セント)を記録した。
  ACCCの過去の分析によると、一部地域において特定の小規模独立系小売業者が比較的低価格のガソリンを提供することが多いことが判明している。また、ACCCは、活発かつ効果的な競争の欠如が特定地域においてガソリン価格が比較的高くなる主な要因であることも確認している。独立系小売業者が販売するガソリンは、一般的により知名度の高いブランドが販売するものと同一の精製所又は輸入ターミナルから供給されている。

図2 2023~24年における主要都市の小売部門におけるガソリン供給量の国内市場シェア(%)(注2)
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(注2) ACCCウェブサイトからの引用。ACCCの計算は、ACCCのガソリン監視プログラムに参加する企業から得たデータに基づく。またACCCの推定値は、オーストラリア連邦気候変動・エネルギー・環境・水資源省の「オーストラリア石油統計2025」及びインフラ・運輸研究経済局の「オーストラリアの道路車両、2024年1月」に基づく。

イ 競争的な市場行動の促進
  燃料価格アプリやウェブサイトで入手可能なほぼリアルタイムの燃料価格は、自動車利用者がより低価格の小売店を容易に比較検討するのに役立つ。また、これらのアプリやウェブサイトの利用可能性は、価格競争を積極的に行う小売業者に報いることで競争的な市場行動を促進する。それは、ガソリン販売価格が自動車利用者によって容易に確認され、行動に移されるからである。
 最近では、ビクトリア州で、ガソリン小売業者に対し価格データを可能な限り速やかに報告することを義務付ける制度が導入された。これにより、同州のドライバーは包括的なガソリン価格データを入手できるようになった。同様の制度は他の全ての管轄区域で既に存在している。

3 本報告書の公表に関して、ACCCアナ・ブレイキー委員は次のように述べた。
(1) 競争が活発化すれば、消費者はより良い結果を得られる。価格低下もその1つである。
(2) 我々の調査では、小規模な独立系ガソリンスタンドが多く存在する都市では、消費者がより競争力のあるガソリン価格を見つけられるケースが多いことが判明した。
(3) 消費者は複数の店舗を比較検討し、リアルタイムに近いガソリン価格アプリやウェブサイトを活用して、地域内でより低い販売価格を見つけることを推奨する。

4 背景
 2022年12月14日、オーストラリア財務大臣は、ACCCに対し、石油製品及び関連サービスの供給に関連する価格、コスト及び利益の監視を継続するよう指示を発出した。
 同財務大臣による指示は、2010年競争・消費者法第95ZE条1の規定に基づくもので、2022年12月15日から3年間効力がある。ACCCは、同指示に基づき、四半期ごとに主要都市及びオーストラリア全土の190以上の地方都市における価格変動に焦点を当てたガソリン監視報告書や、ガソリン市場における消費者の関心事の特定の側面に焦点を当てたガソリン業界報告書を作成する。

 

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