米国
米国司法省,ユナイテッド航空によるニューアーク・リバティー国際空港の発着枠の独占を阻止するために民事提訴
2015年11月10日 米国司法省 公表
原文
【概要】
司法省は,ニューアーク・リバティー国際空港(以下「ニューアーク国際空港」という。)における競争を維持するために,ユナイテッド航空とデルタ航空との取引計画の阻止を求めて民事提訴した。
ニュージャージー州ニューアーク連邦地方裁判所に提訴した司法省反トラスト局は,ユナイテッド航空による当該空港の24の発着枠の買収は,ユナイテッド航空の既に確立している当該空港での独占的地位を高め,参入障壁を強固とし,他の航空会社が当該空港でユナイテッド航空に対抗できる能力を弱めるであろうとしている。その結果,毎年,当該空港を利用している3500万人の乗客は,運賃の上昇と選択肢の減少を余儀なくさせられるおそれがある。
司法省の訴状によれば,ユナイテッド航空は,当該空港を利用する航空会社に連邦航空局が割り当てた発着枠のうち73%を既に有しており,それは,同社に次ぐ競争事業者が有する発着枠の10倍以上にのぼる。70以上の発着枠を有する航空会社は他にいない。また,サウスウエスト航空,ジェットブルー航空,ヴァージンアメリカ航空といった競争事業者によるニューアーク国際空港の発着枠の買収が行われたことで,ユナイテッド航空は他の事業者との競争を余儀なくされ,その結果,運賃が下落し,消費者の選択する機会が拡大したとしている。