米国
米国司法省は,アルミ圧延鋼板製造業者Novelisによる同業者Alerisの買収計画の差止めを求めて提訴
2019年9月4日 米国司法省 公表
原文
【概要】
米国司法省は,アルミ圧延鋼板製造業者 Novelisによる同業者Alerisの買収計画について,自動車部品向け圧延アルミシートの北米市場における競争を確保するため,同計画の差止めを求めてオハイオ州北部地区地方裁判所に民事訴訟を提起した。
自動車メーカーは,車体の軽量化,燃費の効率化並びに安全性及び耐久性の向上を目指して,自動車部品向けアルミ部品の製造をNovelis及びAlerisに依存している状況にある。同省反トラスト局は,自動車部品向けアルミシートの製造業者は北米に4社しか存在せず,そのうちの2社による企業結合は,次世代の自動車産業において新たに脅威となる競合事業者を排除するおそれがある旨を主張している。
同局は,当事会社との間で,本件を法的拘束力のある調停に委ねることに合意しており,同調停により,本件における自動車部品製品市場の画定問題は解決するものと考えられる。
なお,同調停は,米国行政紛争解決法(1996年)に基づく制度で,同局が同調停制度を利用するのは初めてのことである。