米国
米国司法省は,大手ジェネリック製薬事業者が国内の反トラスト法違反で最高額となる1億9500万ドルの支払いに合意と公表
2020年3月2日 米国司法省 公表
原文
【概要】
司法省は,ニュージャージー州に本社があるジェネリック製薬事業者Sandoz Inc.をジェネリック医薬品に係る顧客割当て,入札談合及び価格カルテルに係る共謀により起訴したと発表した。4件の重罪についての起訴状を,本日,フィラデルフィア州ペンシルバニア東部地区連邦地方裁判所に提出し,Sandozを4件の刑事上の反トラスト法の共謀の罪を犯したとして訴追した。これによって,Sandozは反トラスト局による継続中の調査に係る刑事上の反トラスト法の罪を認めた3社目の事業者となる。本件共謀は,2013年から2015年までの間に行われた。
また,反トラスト局は,Sandozとの間で訴追延期合意を本件罪状に適用した。訴追延期合意において,Sandozは,1億9500万ドルの刑事上の罰金を支払うことに合意し,共謀の罪によって影響を受けた同社の販売額が5億ドル超に上ると認めた。訴追延期合意の下,Sandozは,今後反トラスト局による今後の刑事捜査に全面的に協力することにも同意した。訴追延期合意の一環として,両当事者は,裁判所による承認を条件として,訴追延期合意によって定められた期間中,あらゆる訴追及び被告を訴追する罪状に関する裁判を延期するための共同申請を申し立てることとなる。
訴追延期合意において,Sandozは以下に係る反トラスト法上の共謀の罪に参加していたと認めた。
① ニューヨーク州所在のジェネリック医薬品事業者等との間でのクロベタゾール,デソニド及びナイスタチンに係る共謀
② Kavod Pharmaceuticals(旧Rising Pharmaceuticals)との間でのベナゼプリルHCTZに係る共謀(旧Risingは,2019年12月に同一の共謀で訴追され,訴追延期合意に達している。)
③ ミシガン州所在のジェネリック医薬品事業者との間でのデソニド軟膏等に係る共謀
④ ペンシルベニア州所在のジェネリック医薬品事業者との間でのトブラマイシン吸入剤等に係る共謀
米国司法省は,公衆衛生製品の製造,流通及び販売における反トラスト法違反について関係産業界に注意喚起
2020年3月9日 米国司法省 公表
原文
【概要】
司法省は,本日,マスク,人工呼吸器,診断薬等の公衆衛生製品の製造,流通又は販売に関して,米国反トラスト法に違反する者に責任を追及する旨を言及した。
同省の発表は,連邦,州及び地域の保健当局,民間の医療セクター並びに一般市民がコロナウイルス2019(COVID-19)と呼ばれる呼吸器疾患の集団発生に対応できるようそれらに可能な限り強力な立場を確保するための広範な行政上の取組の一環である。
同省のWilliam.P.Barr.長官は「司法省は,悪意ある者がこの重要な時期に緊急対応の取組,医療従事者又は米国国民に付け込むことのないよう体制を整えている。」,「私は,あらゆる不正行為に立ち向かい,国民を保護するために司法省のリソースを確保することにコミットしている。」と述べた。
個人であれ企業であれ,滅菌手袋やフェイスマスクなどの個人用健康保護用品に関し,価格カルテルや入札談合を行う者は刑事訴追される可能性がある。また,競争者の間で公衆衛生製品の顧客の割当てに合意する場合も訴追される可能性がある。さらに,最近発足を発表した,公共調達に係る談合対策部隊(Procurement Collusion Strike Force)も,連邦,州及び地方の政府機関向けの公衆衛生製品の販売における談合についての警戒態勢をとっている。