米国

米国司法省反トラスト局は,新型コロナウイルス感染症の血しょう療法を開発する企業に対し,ビジネスレビューレターを発出

2021年1月12日 米国司法省 公表
原文 原文<ビジネスレビューレター>

【概要】
 米国司法省反トラスト局(以下「反トラスト局」という。)は,本日,Baxalta US,Emergent BioSolutions,Grifols Therapeutics及びCSL Plasmaの4社(以下「当事会社」という。)が,新型コロナウイルス感染症の回復期血しょうを収集するための品質基準を設定する米国保健福祉省生物医学先端研究開発局(以下「BARDA」という。)を支援する活動案について,問題としないことを公表した。
 マカン・デラヒム反トラスト局長(当時)は,次のとおりコメントした。
 「本件の公的機関と民間部門との連携は,新型コロナウイルス感染症の治療薬を開発するためのイノベーションを支援するものであり,反トラスト局は,引き続き,パンデミックという喫緊の課題に対処する事業者が反トラスト法上の複雑な問題に直面する際には,いつでも助言や支援を行うものである。」
 反トラスト局のビジネスレビューレターによれば,回復期血しょうとは,新型コロナウイルスに感染し,かつ,回復した人々から採集されるものである。回復期血しょうは,点滴により直接患者に投与されるほか,高度免疫グロブリン療法(Hyperimmune globulin (HIg) therapies)を実施する際に使用される。当事会社は,BARDAの品質保証パラメータの開発を支援することを目的としており,「ワープ・スピード作戦」(訳注:新型コロナウイルス感染症向けワクチンの迅速な開発プロジェクト)の下,輸血目的で直接収集された新型コロナウイルス感染症の回復期血しょうは,事業者の新型コロナウイルス感染症を対象とする高度免疫グロブリン療法の開発・製造の際に再利用できる。反トラスト局は,本件の取組が新型コロナウイルス感染症の治療法の開発を最も効率的に促すという点で競争促進的なものであり,それにより,米国民の健康及び安全が改善されることになると考えている。また,本件のレビューを要請した当事会社は,当事会社の行為によって競争が減殺されるリスクを最小化する安全策を講じている。
 本件は,反トラスト局及び連邦取引委員会が新型コロナウイルス感染症に関する反トラスト上の共同声明における迅速・簡易レビュー手続を公表してから6件目の同感染症関連のビジネスレビューレターである。


 

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