米国

米国連邦控訴裁判所は,連邦取引委員会が後発医薬品製造業者であるImpax Laboratoriesに対して下した決定を支持

2021年4月13日 米国連邦取引委員会 公表
原文

【概要】
 米国第5巡回区連邦控訴裁判所は,Impax Laboratories(以下「Impax」という。)が,Endo Pharmaceuticals(以下「Endo」という。)のブランドである徐放性オピオイド鎮痛剤Opana ERの廉価な後発医薬品の消費者への流通を取り止めるために,違法なペイ・フォー・ディレイ又はいわゆる「リバースペイメント」を伴う合意を締結したとする,連邦取引委員会(以下「FTC」という。)の審決を支持する判決を下した。この合意の下で,Impaxは,Endoから正当な理由のなく,多額の支払いを受ける見返りとして,2年半,市場に参入しないこととしたものである。
 同裁判所のGregg Costa判事は,「より制限的でない代替手段が実現可能であったとするFTCによる全会一致の見解を裏付ける,非常に充実した証拠があった。」との意見を記載した。
 FTCのRebecca Kelly Slaughter委員長代行は,「控訴審において,医薬品業界におけるペイ・フォー・ディレイによる取引を通じて消費者が損害を被り,低価格の後発医薬品の流通が阻害されるというFTCの見解が支持されたことについてうれしく思う。本件は,ペイ・フォー・ディレイに係る合意を中止させるためのFTCの職員による長年の活動において,重要な節目となるものである。」と述べた。
 Impaxは,FTCの最終審決によって,ブランド医薬品を販売する先発医薬品メーカーとの間の後発医薬品への参入の先送り又は制限に係る合意だけでなく,認可を受けていない医薬品を含めた,あらゆる種類のリバースペイメントの合意をすること,また,Impaxが他のオキシモルフォンER製造業者とのオキシモルフォンER製品の競争を阻止又は制限するような合意をすることが禁止された。
 なお,FTCは,ImpaxとEndoが,2010年に,2013年1月までの期間,ImpaxがEndoのOpana ERの後発医薬品により,市場に参入しないこととする違法な合意をしたとして,2017年1月,Impaxに対する審判開始を決定した。その後,2021年1月,FTCは,Endo,Impax及びImpaxの親会社である Amneal Pharmaceuticalsが,オキシモルフォンER市場における競争を違法に排除したとして訴訟を提起した。同訴訟は,米国コロンビア特別区連邦地方裁判所において継続している。

 

 

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