米国
DOJ、RealPageに対し、競争上機微な情報の共有及び競合他社間の価格調整を終了するよう要求
2025年11月24日 米国司法省 公表
【概要】
1 2025年11月24日、司法省(以下「DOJ」という。)は、全米の賃貸住宅市場においてアルゴリズムを使用した価格調整、情報共有、その他の反競争的行為に対する継続的な取締りの一環として、RealPage Inc.(テキサス州リチャードソンに本社を置く一般的な集合賃貸住宅業界向け収益管理ソフトウェア及びサービス提供会社。以下「RealPage」という。)に対するDOJの申立てを解決するための同意判決案を裁判所に提出した。同意判決案は、数百万人の米国の賃貸人にとって、賃貸住宅市場における自由な競争の回復に資するものとなるだろう。
2 アビゲイル・スレーターDOJ反トラスト局長は、次のように述べた。
「競合企業は独自に価格設定を行うべきであり、アルゴリズムやAIツールが台頭していく中で、我々は反トラスト法の厳格な執行の最前線に立ち続ける。」
3 DOJの訴状によれば、RealPageの収益管理ソフトウェアは、家主から共有された非公開の競争上機微な情報を用いて賃貸価格の設定を行っていた。RealPageのソフトウェアには、賃貸価格の引下げを抑制し、競合他社間の価格を一致させる仕組みも組み込まれていた。また、RealPageは、競合する不動産管理会社が参加する会合を主催し、その会合では競争上機微な情報が共有されていた。
4 DOJが提出した同意判決案について裁判所が承認した場合、RealPageには、次の義務が課される。
(1) ソフトウェアを稼働して賃貸価格を設定する際に、競合他社の非公開かつ競争上機微な情報の使用を差し控えること。
(2) ソフトウェアの基盤モデルの学習を目的に現行の賃貸契約データを使用することを取りやめ、少なくとも12か月以上経過した過去の非公開データに限定してモデル学習を行うこと。
(3) 州レベル(訴状で主張されている市場と比較して広い範囲)よりも細かい範囲の地理的影響を判定するモデルを使用しないこと。
(4) 賃貸価格引下げを抑制する仕組み、又はソフトウェアの競合ユーザー間で価格を一致させる仕組みを削除又は再設計すること。
(5) 競争上機微な情報を収集する市場調査(注1)を取りやめること。
(6) RealPageが主催する収益管理ソフトウェアに関する会合において、非公開データに基づく市場の分析や動向、価格戦略について議論しないこと。
(7) 本同意判決の遵守を確実にするため、裁判所によって任命された監督者(monitor)を受け入れること。
(8) RealPageのソフトウェアを使用した不動産管理会社に対する米国における訴訟(注2)に協力すること。
(注1) 不動産管理者又は不動産所有者からの電話、電子メール、テキストメッセージ、調査又は類似の通信手段を通じた、RealPageが蓄積する非公開データの収集のために行われるもの。(同意判決案5ページ参照)
(注2) 2025年1月7日に、DOJ及び州は、RealPageのアルゴリズムによる価格設定に参加し、賃借人に損害を与えたとして全米最大手の家主6社を被告に追加する修正訴状を裁判所に提出している。
5 Tunney法の規定に基づき、同意判決案は、競争上の影響に関する記述とともに、連邦官報に掲載される。関心のある者は誰でも60 日間の意見募集期間中に、DOJ反トラスト局技術・デジタルプラットフォーム課長代理宛てに同意判決案に関する意見書を提出することができる。ノースカロライナ州中部地区連邦地方裁判所は、60 日間の意見募集期間終了後、公共の利益に適うと判断した場合、最終判決を下すことができる。