事業者団体とのオンライン会議「愛知県中小企業団体中央会との懇談会 -コロナ禍での公取「中部事務所」の取組-」
令和3年1月29日
令和2年12月16日,WEB会議システムを利用して,愛知県中小企業団体中央会との懇談会を開催しました。中部事務所からはコロナ禍での事務所の取組について説明させていただきました。また,中央会からは,会員組合を対象にしたアンケート調査を基に,コロナ禍前後における下請取引の状況や,会員組合からの御意見・御要望等についてお話がありました。今後,下請法,独占禁止法を適正に運用していく上で大変有意義な意見交換となりました。
本稿では,コロナ禍での中部事務所の取組について,いくつか御紹介させていただきます。
第一は,相談業務に関することです。中部事務所では,下請法,独占禁止法等の相談を受け付けています。この業務によって得られる‘相談件数’は,下請取引等の動向を考察する上で一つの手掛かりになると考えています。図1は,下請法又は独占禁止法について中部事務所に寄せられた相談件数(合計)の推移をみたものです。リーマンショック時の平成21年度は2,000件を超えましたが,それ以降はおおむね1,500件を下回っていました。しかし,令和2年度は,リーマンショック時ほどではありませんが,1,500件を上回るペースで推移しています1。図2は,中部事務所に寄せられた下請法の相談件数の増減率(前年度比,前年同期比)を示したものです。令和2年度に入り,4~6月期10%増,7~9月期14%増,10~12月期19%増と増加基調で推移しています。こうしたことからも,一層の警戒感を持って日々の業務に当たっています。
第二は,下請法違反発見チェックシート(1枚紙のちらし)に関することです2。これは下請法違反を簡易に発見していただくために作成したものです。下請事業者が取引先(発注者)との間で抱えている悩み事や困り事,それらは実は取引先による下請法違反行為であったということがみられます。このチェックシートでは,まず,表(オモテ)を使って,自社の悩み事が,7つの項目3のいずれかに該当するかどうかをチェックしていただきます。7つの項目の中には,例えば,『取引先は,締切日から30日(1か月)以内に下請代金を全額支払っていない(例:毎月末日納品締切・翌々月5日支払=1か月超)』,『取引先は,「歩引き」,「協力費」,「割引料」,「手数料」などとして,当社に責任(落ち度)がないのに,下請代金を減じる。』といったものがあります。一つでもチェックが付いた場合には,取引先が下請法に違反している可能性があります。また,裏面のチャート図を使って,取引先と自社がそれぞれ,下請法上の親事業者,下請事業者に該当するのかを確認することもできます。
第三は,中部事務所のウェブサイトに関することです4。令和2年6月に改装しました。その際には,探している情報に容易に辿りつけるようにするなど利用者目線を重視しました。トップページには,利用者の方々のニーズに合わせて10個の窓口を設けています。例えば,「独禁法,下請法について知りたい(物流特殊指定,クイズ,各種パンフ)」,「これまでの独禁法,下請法違反事件について知りたい」といったものです。該当する窓口をクリックすると詳細な情報へと進んでいくことになります。下請法について知りたい場合には,「独禁法,下請法について知りたい」に続けて,「下請法について知りたい」にある「各種パンフレット」をクリックしてみてはいかがでしょうか。そうすると,公正取引委員会が作成した9つのパンフレット・動画の一覧表(それぞれの特徴等)を見ることができます。それらの中から,御自分のニーズに合ったものを選択していただけます。
以上,三つの取組を御紹介させていただきました。今後,これらの取組をそれぞれブラッシュアップしていく必要があります。その際には,関係団体との連携が大変重要になると考えています。例えば,最初の相談件数は一つの手掛かりにすぎず,現状を把握するためには実際のお話をお伺いすることが必要です。また,二番目のチェックシートについても,より多くの中小企業の皆様方に手に取っていただきたいと考えています。最後のウェブサイトは基本的には皆様からのアクセスをお待ちするものです。今後は,我々の情報を皆様にお役に立つ形で身近なチャネルを通じてお届けすることもできないかと思っています。今後とも,愛知県中小企業団体中央会をはじめ中小企業関係団体との協力関係の強化に努めていきたいと考えています。


1 令和2年度については,同年度4~12月期の前年同期比を令和元年度実績値に乗じることにより算出。
2 以前,「中部事務所デジタル化への取組」の一つとして,「三重弁護士会に対するWeb下請法説明会」を御紹介させていただきました。その中でも触れています。
https://www.jftc.go.jp/regional_office/chubu/chubu_digital/202011miebengoshi_online.html
3 令和元年度において中部事務所管内で実際に発生した違反のうち件数が多かったもの。
4 以前,「中部事務所デジタル化への取組」の一つとして,「中部事務所ウェブサイトの改訂―経緯と工夫―」を御紹介させていただきました。その中でも触れています。
https://www.jftc.go.jp/regional_office/chubu/chubu_digital/202010chubusite_online.html