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働き方改革に関連して生じ得る中小企業等に対する不当な行為の事例

働き方改革に関連して生じ得る中小企業等に対する不当な行為の事例

令和7年11月27日

はじめに

 政府においては、中小企業・小規模事業者の活力向上に向けた検討が省庁横断的に行われており、公正取引委員会としてもこの検討に参画してきたところである。政府を挙げて働き方改革を推進しているが、取引の一方当事者の働き方改革に向けた取組の影響がその取引の相手方に対して負担となって押し付けられることは望ましくないと考えられる。また、自らが取り組んだ業務効率化の果実が取引相手に奪われてしまい、享受できないこととなると、業務効率化への意欲を損ねることになり、このようなことが生じる場合には、社会全体としての働き方改革の勢いを失わせることにもつながるところであり、公正取引委員会としては、このような場合を含めて、取引の相手方に対して不当な不利益となる行為について、取適法・独占禁止法の違反に対しては、厳正に対処していく。
 ついては、事業者等がどのような行為が違反となるかについて具体的に理解することを助けるため、以下のとおり、想定例を示すこととした。想定例に記載されている行為は、取適法上の委託事業者が、同法上の中小受託事業者に対して行う場合には、同法に違反することになる。さらに、取適法の適用の対象とならない取引であっても、当該行為が「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」行われ、独占禁止法の規定に該当する場合には、同法に違反することになる。
 なお、具体的な行為が違反となるかどうかは、法の規定に照らして個別の事案ごとに判断されることに留意する必要がある。

1 買いたたき

 取引の相手方に対し、一方的に、著しく低い対価での取引を要請する場合であって、取引の相手方が当該要請を受け入れざるを得ない場合には、当該行為は買いたたきとして、違反行為となり得る。(取適法第5条第1項第5号・独占禁止法第2条第9項第5号ハ)

1-1
 事業者は、納期までの期間が通常より短い発注を行い、その結果として取引の相手方が休日勤務を余儀なくさせられ、人件費等のコストが大幅に増加するにもかかわらず、通常の納期で発注した場合の単価と同一の単価を一方的に定めた。
1-2
 事業者は、取引の相手方から、社外秘である製造原価計算資料、労務管理関係資料等を提出させ、当該資料を分析し、「利益率が高いので値下げに応じられるはず」などと主張し、著しく低い取引対価を一方的に定めた。
1-3
 事業者は、取引の相手方との間で取引単価等の取引条件については年間取決めを行っており、緊急に短い納期で発注する場合は別途単価を決めることとしていた。当該事業者は、週末に発注し週明け納入を指示したところ、取引の相手方は、深夜勤務、休日出勤により納期に間に合わせ、当該加工費用は人件費が相当部分を占めることから年間取決め単価に深夜・休日勤務相当額を上乗せした単価で見積書を提出したが、当該事業者は、取引の相手方と十分な協議をすることなく、一方的に、通常の対価相当と認められる見積価格を大幅に下回る年間取決め単価で取引対価を定めた。
1-4
 事業者は、自社の顧客からの納期の短縮要請を受け、部品の製造を委託している取引の相手方に対し、見積りをさせた時点よりも納期を短縮し、その結果として取引の相手方の従業員に深夜勤務を余儀なくさせるにもかかわらず、取引対価の額の見直しをせず、当初の見積価格により通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-5
 事業者は、取引の相手方に対して船舶の製造を委託しており、書面において協議の上、1船当たりの作業時間を書面により定めていたが、一方的に、作業時間当たりの単価を据え置いたまま、1船当たりの作業時間を短く設定することにより、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。その結果、実際に必要となる作業時間との差分だけ人件費等の費用が取引の相手方の負担となった。
1-6
 事業者は、取引の相手方に対して船舶の製造を委託しているところ、同型船の製造を連続で行う場合、必要な作業時間はどの船も同一であるにもかかわらず、合理的な理由もなく一方的に初回発注時の取引対価の額から次回以降の発注時の人件費を1船当たり5パーセントずつ減少させることにより、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-7
 事業者は、取引の相手方に対して水産加工食品の製造を委託しているところ、委託契約の内容には明示されていないにもかかわらず、多頻度小口納入かつ指定時間での配送を要求し、そのため、多頻度生産を行うのに必要な調理加工設備の洗浄・点検作業や配送体制の待機に必要なコストが大幅に上昇するにもかかわらず、一方的に単価を据え置くことにより、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。また、発注に即座に対応する体制を敷くことを求め、従業員の待機を求めたにもかかわらず、待機時間に対する人件費を何ら考慮せず、一方的に、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-8
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託している。委託内容の商品は、品質基準について各種グレードがあり、労務費用及び製造費用は、そのグレードが上がるのに伴って上昇する。当該事業者は、自らと取引の相手方双方で同時期に行われた人事異動のタイミングを機に、従来よりも高いグレードの品質基準を満たすように求めたものの、単価については必要な労務費用及び製造費用の上昇を踏まえず、一方的に取引対価を据え置くことにより、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-9
 事業者は、取引の相手方に対して食品の加工業務を委託している。取引の対象となる食品は、鮮度の劣化・変色が早い性格を持つ。当該事業者は、自らの管理ミスにより、納期に納入された食品を倉庫に保管したまま劣化させていたところ、食品の変色を理由に、取引の相手方に返品し、かつ代替品を週明けまでに納入することを求めた。取引の相手方は従業員を超過勤務させることによってこれに対応することを余儀なくされ、人件費が大幅に上昇するにもかかわらず、当該事業者は、単価修正を認めず、一方的に通常単価に据え置くことにより、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-10
 事業者は、取引の相手方に対して物品の修理業務を委託している。当該事業者は、これまで平日に発注してきたが、顧客からの休日の修理依頼にも対応することとし、取引の相手方にその体制を整えることを求めた。取引の相手方は、従業員を休日出勤させることによってこれに対応することを余儀なくされ、人件費が大幅に上昇するにもかかわらず、当該事業者は、その人件費をおよそ賄えないような取引対価をもって、通常の対価を大幅に下回る取引対価を一方的に定めた。
1-11
 事業者は、通常の発注内容にない特別の仕様を指示したり、配送頻度の変更を指示したりするなどしたため、取引の相手方の作業量が増加し、当該取引の相手方の人件費等のコストが大幅に増加するにもかかわらず、通常の発注内容の場合の単価と同一の単価を一方的に定めた。
1-12
 事業者は、データベース用ソフトウェアの作成を委託している取引の相手方に対し、見積りをさせた当初よりも納期を大幅に短縮したことにより、取引の相手方が必要な体制を整備するためにフリーランスのプログラマーを緊急で募集する必要が生じ、通常よりも高い人件費が必要となるにもかかわらず、当初の見積単価により通常の取引対価を大幅に下回る取引対価を定めた。
1-13
 事業者は、取引の相手方との間で運送業務を委託しており、協議を通じて運行時間を取り決めていたが、その変更の協議をすることなく、当初設定した業務開始の時間が漸次前倒しされ、かつ作業内容も追加的に変更された。こうして変更された内容が引き続き行われるにもかかわらず、当該事業者は、次期契約更新時、一方的に、これらに伴う料金を上乗せする見直しを認めず、通常の対価を大幅に下回る取引対価を定めた。

2 減額

 取引の相手方に対し、商品又は役務を購入した後において、契約で定めた対価を減額することは、減額として違反行為となり得る。(取適法第5条第1項第3号・独占禁止法第2条第9項第5号ハ)

2-1
 事業者は、自己の一方的な都合により設計変更、図面提供の遅延等をしたにもかかわらず、取引の相手方の納期延長を認めなかったため、取引の相手方が、休日勤務することで対応したにもかかわらず、結果として納期に間に合わなかったことから、取引の相手方に対し、納期遅れのペナルティの額を差し引いた取引対価しか支払わなかった。
2-2
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しており、あらかじめ協議によって納期及び対価並びに緊急時対応による労務費用追加分の上乗せに関する特約を定めていた。当該事業者は、緊急対応の必要があるとして、協議時点で定めた納期から短縮された期日での納品を求めた。取引の相手方は、当該期日に納品を間に合わせるため従業員に超過勤務をさせた上でこの要請に対応し、後日、従業員の残業代に相当する金額を上乗せして取引対価を請求したが、当該事業者は受け入れず、上乗せした金額を差し引いた、当初の見積書に記載の取引対価しか支払わなかった。
2-3
 事業者は、自己の一方的な都合により取引の対象となる商品若しくは役務の仕様等の変更、やり直し又は追加的な提供を要請した結果、取引の相手方の作業量が大幅に増加し、深夜勤務を要することとなった。当初の契約では、当該作業量の増加分に係る対価は別途、追加的に支払うことを書面で合意していたにもかかわらず、その追加支払い分を差し引いた取引対価しか支払わなかった。
2-4
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しており、取引の相手方と書面において短納期発注に対しては「特急料金」を定めていた。ある発注が通常よりも短期のリードタイムであったため、特急料金を適用するものに相当したことから、取引の相手方はその分を上乗せした請求を行ったが、当該事業者は、予算が足りないなどの理由により、特急料金を支払うことなく、当該料金を差し引いた、通常の納期の取引対価しか支払わなかった。
2-5
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託している。契約書には、平日・日中の日(月)産能力及び週末・早朝夜間の人件費上昇分の上乗せを請求する旨が定められていた。当該事業者が契約書に示された生産能力を超えた数量を発注したため、取引の相手方は、これに応ずるべく、従業員の勤務時間を大幅に延長することで対応し、契約書に定められたとおりの人件費を上乗せした費用を請求したが、当該事業者は、追加費用を負担せず、当該費用を差し引いた、契約で定められた通常の取引対価しか支払わなかった。
2-6
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しているところ、その発注の納期が著しく短期である場合には、取引の相手方の従業員が超過勤務することなどにより発生した追加費用は当該事業者が負担するという取決めになっているにもかかわらず、当該事業者は、この費用を差し引いた取引対価しか支払わなかった。
2-7
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託している。この委託は継続的に行われており、当期の単価は、前期の単価と同一と定められたところ、取引の相手方は自らが取得した特許を用いることにより、製造費用の低減を実現した。当期中、当該事業者は「工程監査」と称して、取引の相手方の工場の作業ラインを視察したところ、当該特許の利用及び費用低減の事実を認識し、このことを理由として、既に発注したものについてまで遡って単価を減額した。
2-8
 事業者は、取引の相手方に対してプログラムの作成を委託しているところ、当該事業者が作業の途中で当初指示した仕様を一方的に変更したため、取引の相手方が深夜勤務をすることで対応したものの、納期に間に合わなかったことから、納期遅れを理由として取引対価を減額した。
2-9
 事業者は、取引の相手方に対してソフトウェアの作成を委託しており、その取引対価は、その作成を担当した技術者の時間当たりの単価と工数から想定される作業時間数を乗じた額と定めていた。取引の相手方は、自らの業務を効率化するなどにより、成果物の品質を落とすことなく作業時間数を大幅に削減することに成功し、定められた納期内に納品を行ったが、当該事業者は、作業時間が想定されたほどかからなかったことを理由として、契約で定めた取引対価を減額した。

3 不当な給付内容の変更・やり直し

 取引の相手方に対して、取引の相手方の責めに帰すべき理由がないのに、取引の相手方の給付の内容を変更させることや、商品を受領した後又は役務の提供を受けた後に、取引の相手方に対し、給付をやり直させることによって、取引の相手方の利益を不当に害する場合は、不当な給付内容の変更・やり直しとして違反行為となり得る。(取適法第5条第2項第3号・独占禁止法第2条第9項第5号ハ)


3-1
 事業者は、商品又は役務の受領前に、自己の一方的な都合により、あらかじめ定めた商品又は役務の仕様を変更したにもかかわらず、その旨を取引の相手方に伝えないまま、取引の相手方に継続して作業を行わせ、納入時に仕様に合致していないとして、取引の相手方にやり直しをさせた。取引の相手方は、これに対応するために長時間労働を余儀なくされた。
3-2
 事業者は、取引の相手方が仕様の明確化を求めたにもかかわらず、正当な理由なく仕様を明確にしないまま、取引の相手方に継続して作業を行わせ、その後、取引の相手方が商品を納入したところ、発注内容と異なることを理由に、やり直しをさせた。取引の相手方は、これに対応するために通常の体制よりも多くの従業員による作業を余儀なくされ、他の業務に支障が生じた。
3-3
 事業者は、取引の相手方に対して印刷・製本等を委託しているところ、顧客からの要請を理由に、当初の納期を変更せずに追加の作業を行わせ、それらに伴う人件費増加等が生じたにもかかわらず、そのために必要な費用を負担しなかった。
3-4
 事業者は、取引の相手方に対して部品の製造を委託しているところ、当初の発注から設計・仕様を変更したことにより、取引の相手方にその変更への対応や当初の納期に間に合わせるための人件費増加等が生じたにもかかわらず、その費用を負担しなかった。
3-5
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しているところ、製品が納品された後に、当初の仕様を満たしているにもかかわらず、当該製品に不具合があるとして、その修正を行うようやり直しを指示し、取引の相手方は休日勤務によりこれに対応した。しかし、当該事業者は、やり直しによって発生した追加費用について、予算がないことを理由にこれを認めず、要した追加費用を負担しなかった。
3-6
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しているところ、取引の相手方に対して「未納入なので本日中に納品するように」と要求し、取引の相手方は超過勤務を行うことで対応して代替品を製造し、チャーター便で届けたが、当該事業者の勘違いであり、当初の納期どおり製品は納入されていた。しかし、当該事業者は、代替品の取引対価は支払ったものの、取引の相手方が代替品を製造するために要した従業員の残業代やチャーター便の費用等の追加費用は負担しなかった。
3-7
 事業者は、取引の相手方に対して運送業務を委託しているところ、特定の荷主の荷物を集荷するために、毎週特定の曜日に取引の相手方のトラックを数台待機させることを契約で定めている。当該事業者は、その当日になって「今日の配送は取りやめになった」と一方的にキャンセルし、その分の対価を支払わなかった。

4 受領拒否

 取引の相手方に対し、商品を発注した後において、取引の相手方の責に帰すべき理由がないのに、当該商品の全部又は一部の受領を拒むことは、受領拒否として違反行為となり得る。(取適法第5条第1項第1号・独占禁止法第2条第9項第5号ハ)


4-1
 事業者は、発注した後になって、あらかじめ合意した納期を、取引の相手方の事情を考慮せず一方的に短く変更し、取引の相手方はこれに長時間勤務をすることで対応したものの、当該事業者は、その納期までに納入が間に合わなかったことを理由に商品の受領を拒否した。
4-2
 事業者は、当初、発注日の1週間後を納期としていたが急きょ発注日から2日後に納入するよう取引の相手方に申し入れた。取引の相手方は、従業員の都合がつかないことを理由に断ったが当該事業者は取引の相手方の事情を考慮しないで一方的に納期を指示した。そこで取引の相手方は、従業員を残業させて間に合わせようと努めたが、期日までに納入できなかった。当該事業者は、納期遅れを理由に、取引の相手方が生産した部品の受領を拒否した。
4-3
 事業者は、特定の仕様を指示して部品の製造を発注し、これを受けて取引の相手方が既に従業員を割り当てて、原材料等を調達しているにもかかわらず、自己の一方的な都合により、取引の相手方が当該調達に要した費用を支払うことなく、部品の発注を取り消した。
4-4
 事業者は、取引の相手方に対し、新たな機械設備の導入を指示し、当該機械設備の導入後ただちに一定数量を発注することを説明して発注を確約し、取引の相手方が当該機械設備の導入等の取引の実現に向けた行動を取っているのを黙認していたにもかかわらず、自己の一方的な都合により、発注数量を著しく減少する又は発注を取り消し、取引の相手方の人員配置を含め操業体制に影響が出た。

5 不当な経済上の利益の提供要請

 取引の相手方に対し、自己のために経済上の利益を提供させることによって、取引の相手方の利益を不当に害する場合は、不当な経済上の利益の提供要請として、違反行為となり得る。ここでいう経済上の利益とは、金銭・人員、商品、役務を問わない。(取適法第5条第2項第2号・独占禁止法第2条第9項第5号ロ)


5-1
 運送業務を営む事業者は、あるスーパーから、商品の各店舗への配送と当該商品を配送先店舗別に分類する仕分作業を受託していたが、取引の相手方に対し、配送のみを再委託した。当該事業者は、契約に定めがないにもかかわらず、当該仕分作業を指示して取引の相手方に行わせたが、この作業に対する対価を支払わなかった。
5-2
 小売業を営む事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しているところ、当該事業者の新規店舗及び改装店舗のオープンに際して、取引の相手方の従業員等が有する技術又は能力を要せず、取引の相手方に直接の利益がない作業又は他社の商品の陳列、補充等の作業を土日・深夜早朝にかけて取引の相手方の従業員に無償で行わせた。
5-3
 小売業を営む事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託しているところ、その従業員をしてセールの告知用ダイレクトメール(DM)の配布作業を無償で行わせたが、当該DMには一部の納入業者の商品しか掲載されておらず、その取引の相手方にとっては、その作業によって自社商品の販売額増加につながるものではなかった。
5-4
 事業者は、取引の相手方に対して物品の製造を委託している。商品発注のために必要なデータを自社システムに入力するという作業は当該事業者自ら行うべきであるにもかかわらず、当該作業を取引の相手方に対して無償で行わせた。
5-5
 事業者は、取引の相手方が従業員等を派遣するための費用を自己が負担するとしながら、派遣費用として一律に日当の額を定めるのみであって、個々の取引の相手方の事情により交通費、宿泊費等の費用が発生するにもかかわらず、当該費用を負担することなく、従業員等を派遣させた。
5-6
 事業者は、契約上、取引の相手方が自己の倉庫まで運送することのみが契約内容とされている場合において、取引の相手方に対して、あらかじめ契約で定められていない自己の倉庫内における荷役等の業務について、無償で従事させた。
5-7
 事業者は、取引の相手方に対して運送業務を委託しているところ、取引の相手方に対して運送業務に関係のない自社の倉庫内の整理業務やダンボール等の回収作業等を行うことを要請し、取引の相手方は無償でこれに応ずることを余儀なくされた。
5-8
 大規模小売業を営む事業者は、自らが貨物自動車運送事業を営み、顧客から商品の配送を請け負っているところ、荷物の配送を委託している取引の相手方に対して店舗の営業の手伝いのために従業員を派遣させた。
5-9
内航海運業を営む事業者は、船内荷役、清掃等の作業は契約により荷主又は当該事業者の負担であるとされているにもかかわらず、取引の相手方である船舶貸渡業者にその一部を手伝わせた。
5-10
 事業者は、ソフトウェアの作成を委託している取引の相手方の従業員を当該事業者の事業所に常駐させ、実際には取引の相手方への発注とは無関係の事務を行わせた。

関連ファイル

(印刷用)(本文)働き方改革に関連して生じ得る中小企業等に対する不当な行為の事例
(印刷用)(参考)働き方改革に関連して生じ得る中小企業等に対する不当な行為の事例の概要

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