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令和6年10月9日付け 事務総長定例会見記録

令和6年10月9日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。G7競争サミットの開催結果についてpdfダウンロード(82 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(別添1ー1)デジタル競争共同宣言(原文)pdfダウンロード(209 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(別添1ー2)デジタル競争共同宣言(仮訳)pdfダウンロード(1 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(別添2)デジタル市場における競争政策:G7諸国における事前及び事後規制の複合的効果(原文)pdfダウンロード(1,582 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(別添3)AIの技術スタックに係る競争:最近の動向と新たな課題(原文)pdfダウンロード(203 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。「下請取引適正化推進月間」の実施についてpdfダウンロード(650 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。令和6年度「下請取引適正化推進月間」のキャンペーン標語の決定についてpdfダウンロード(151 KB)

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和6年10月9日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

G7競争サミットの開催結果について

 本日は二つのテーマがございます。一つがG7競争サミットについてです。もう一つが、令和6年度の「下請取引適正化推進月間」の実施についてです。
 まず、G7について、G7の競争サミットが開催されたことと、本サミット開催に当たって公表されました「デジタル競争共同宣言」についてお話しいたします。
 今年のG7競争サミットは、10月3日及び4日にイタリア競争・市場保護委員会の主催の下、イタリアのローマにおいて開催されました。この競争サミットにおいては、デジタルとAI市場に関する様々な競争上の課題について、G7の競争当局のトップなどが議論を行いました。
 具体的には、1日目には、AIの重要なインプットに係る競争法上の懸念に焦点を当てた議論や、AIの下流、隣接市場などに焦点を当てた議論が行われました。2日目には、デジタル市場における規制、政策アプローチの最近の動向に関する議論や、AI市場に対する規制、政策アプローチに関する議論が行われました。
 サミットのセッションにおいて、公正取引委員会からは、10月2日に開始した生成AI実態調査の概要や、今年6月に成立したスマホソフトウェア競争促進法、それから、デジタルアナリストのポスト新設といったデジタル分野の専門人材の登用などについて説明いたしました。特に生成AIの実態調査に関しまして、公正取引委員会からは、生成AI技術の持つ潜在的な競争上のリスクを見据えつつ、我が国の生成AI関連市場における公正かつ自由な競争環境を維持し、更なるイノベーションを生み出す観点から、生成AI技術の持つ競争促進的な側面にも着目し、まずはニュートラルな立場から実態把握を行っているとの趣旨の発言を行っております。
 また、このサミットにおける具体的な成果文書として、「デジタル競争共同宣言」が採択されております。この共同宣言におきましては、AIによるイノベーションの創出、AIに関する競争上の懸念、社会がAIのメリットを享受できるようにするための主導原則、厳正な法執行や国際協力の強化など、競争当局などが果たすべき役割が盛り込まれております。
 公正取引委員会としましては、サミットにおける議論や「デジタル競争共同宣言」などを踏まえつつ、生成AIによる経済社会への便益及び競争への影響を考慮し、生成AIを健全な形で経済社会に実装させることを考えながら、生成AIに関する実態調査を進めていくほか、より一層の国際協力関係の強化を進めていきたいと考えております。

「下請取引適正化推進月間」の実施及び令和6年度「下請取引適正化推進月間」のキャンペーン標語の決定について

 二つ目のテーマですが、令和6年度「下請取引適正化推進月間」の実施についてお話しいたします。公正取引委員会では、従来、中小企業者に不当に不利益を与える行為に対して、独占禁止法、下請法を積極的に適用し、それらの法律に違反する行為に厳正に対処しております。また、そのような行為の未然防止のため、下請法や優越的地位の濫用規制に係る普及啓発活動を積極的に行っているところであります。普及啓発活動の一環として、公正取引委員会では、中小企業庁と共同し、昭和56年以降、毎年11月を「下請取引適正化推進月間」といたしまして、この期間内に下請法の普及啓発に係る取組を集中的に行っております。本年度の推進月間では、昨年11月に公正取引委員会が内閣官房と共に策定、公表した労務費転嫁指針を踏まえ、労務費の転嫁推進に重点を置いた取組を実施してまいります。

 取組の第1は、キャンペーン標語を活用した広報であります。毎年度推進月間を一層効果的にPRすることを目的といたしまして、キャンペーン標語を選定しておりますが、本年度は、「労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化」をテーマに一般公募を行いました。その結果、「賃上げと 労務費転嫁を 両輪に」をキャンペーン標語として決定いたしました。こちらにありますようなキャンペーン標語を掲載したポスターを作成しておりまして、都道府県や商工会議所、商工会などの各種団体にポスターの掲示や機関誌などへの掲載など、広報の協力を依頼し、全国津々浦々において労務費転嫁指針や下請法の普及啓発を推進していきたいと考えております。
 二つ目の取組ですが、下請法の講習動画配信を行っております。この講習には「基礎講習」と「応用講習」がございまして、11月の月間開催に併せまして、「基礎講習」の新作動画を2本追加して全11本とするなど、下請法に関する考え方などを分かりやすく示した動画を拡充いたします。また、最新版の下請法テキストを5000部の数量限定にて無料配布いたします。なお、この下請法のテキストにつきましては、ホームページでも公開しております。
 三つ目の取組は、中小企業向け広報動画の配信であります。労務費転嫁指針などについて解説した新作の動画を配信いたします。
 さらに、本年度の普及啓発活動としては、政府広報と連携いたしまして、労務費転嫁指針に則して労務費転嫁のための価格交渉をする際のポイントをまとめた広報動画を公開することも予定しております。この広報動画につきましては、現在作成中でございまして、来月11月中に公開する予定になっております。
 当委員会といたしましては、中小企業庁など関係省庁とも連携しながら、「下請取引適正化推進月間」の実施などにより、下請法の普及啓発に努めるとともに、引き続き下請法の厳正執行や労務費転嫁指針の周知活動など、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習としてサプライチェーン全体で定着させる取組を強力に推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) G7について、発表された文書を見ますと、公正取引委員会が始めた生成AIの調査と重なる観点が示されていると思いますが、G7競争サミットに参加して得られた知見、参考になったこと、そこで得たことを現在進めている実態調査にどのように反映していく可能性があるのかという点について、御説明ください。
(事務総長) 今回のサミットにおきましては、例えば生成AI市場の主要な特徴や最近の動向、あるいはAIの重要なインプットの支配が進むことに伴う競争上の懸念、あるいはアルゴリズムの利用による企業間の共謀が促進されるリスクといった内容の議論が行われております。こういった議論につきましては、従来からも指摘をされている論点でもあろうかと思いますけれども、G7各国における状況についての情報を得たということでございまして、正にこのG7サミットは、各国の知見や経験といったものを共有する場として非常に機能してるということかと思います。こういった知見を生かしながら、私どもの実務、あるいは今後の実態調査の展開に資するものが得られたのではないかと考えております。

以上

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