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農業協同組合(組合の連合会を含む。)関係の法的措置及び警告事件

農業協同組合(組合の連合会を含む。)関係の法的措置及び警告事件

番号 件名 内容 関係法条
1

あきた北農業協同組合及び(株)本家比内地鶏に対する件
(令和元年7月3日警告)

 平成17年4月頃から平成31年1月頃までの間,部会員が生産する比内地鶏の販売に関して,次の行為により,不当に拘束する条件を付けて取引していた疑い。
○ 部会員との間で
(1) あきた北農協の指定する出荷先以外への出荷が無い者であること,比内地鶏の雛の数量に係るあきた北農協の定める導入計画を遵守できる者であること等の条件を満たす者と取引する旨
(2) 前記(1)に違反した場合には契約を解除して出荷停止ができる旨
等を内容とする「比内地鶏委託販売契約書」と称する3者連名の契約を締結した上で
・ 前記(1)の出荷先を本家比内地鶏に限定する
・ 前記(1)の導入計画における雛の数量を本家比内地鶏の販売計画に合わせて調整する
などにより,部会員に対し,生産した比内地鶏を本家比内地鶏以外に出荷しないようにさせるとともに,導入する比内地鶏の雛の数量を遵守させている疑いのある行為を行っていた。
独占禁止法第19条(一般指定第12項〔拘束条件付取引〕)
2

大分県農業協同組合に対する件
(平成30年2月23日排除措置命令)

 大分県農協は,こねぎの販売受託に関し,個人出荷を理由として味一ねぎ部会を除名された5名に対して,味一ねぎに係る販売事業及び集出荷施設に係る利用事業を利用させない行為を行っている。 独占禁止法第19条(一般指定第4項〔取引条件等の差別的取扱い〕)
3

土佐あき農業協同組合に対する件
(平成29年3月29日排除措置命令)

 土佐あき農業協同組合は,なすの販売を受託することができる組合員を支部員又は支部園芸部から集出荷場の利用を了承された者に限定していたところ,次のとおり,組合員からなすの販売を受託していた。
(1) 自ら以外の者になすを出荷したことにより支部園芸部を除名されるなどした者からなすの販売を受託しないこととして,なすの販売を受託していた。
(2) 支部員が集出荷場を利用することなく農協以外への出荷を行った場合に徴収された系統外出荷手数料(農協以外の事業者に対する販売金額の3.5%)について,自らの販売事業の経費(農協職員の人件費等)に充当していた。
(3) 支部園芸部の定めた罰金等(注)を収受し,これを系統出荷が行われたなすに関して自らが控除する諸掛預り金と同様に販売事業に係る経費に充てていた。
(注)一部の支部園芸部においては,支部員がなすを生産した場合に通常収穫できる見込みを立てた上で,園芸連へのなすの出荷重量が一定重量に満たなかった支部員から,当該満たない重量に重量当たりの一定額を乗じた金額を罰金等として徴収する旨を定めていた。

独占禁止法第19条(一般指定第12項〔拘束条件付取引〕)

4

福井県経済農業協同組合連合会に対する件
(平成27年1月16日   
排除措置命令)

 特定共乾施設工事について,受注予定者を指定するとともに,受注予定者が受注できるように,入札参加者に入札すべき価格を指示し,当該価格で入札させることによって,これらの事業者の事業活動を支配していた。 独占禁止法第3条

5

山形県庄内地区に所在する農業協同組合に対する件
(平成26年9月11日警告)

 山形県の庄内地区に所在する5農協が,特定主食用米の販売手数料について,平成23年1月13日に山形県酒田市所在の全国農業協同組合連合会の山形県本部庄内統括事務所で開催した5農協の組合長による会合において,特定主食用米の販売手数料を平成23年産米から定額とするとともに,その算定方式及び金額については,営農担当部長級の者の間で検討することとし,それを受けて同年2月1日に同所で開催した5農協の営農担当部長級の者による会合において,特定主食用米の販売手数料を平成23年産米から1俵当たり410円(消費税相当額を除く。)を目安として定額とすることとし,特定主食用米の集荷分野における競争を実質的に制限していた疑い。 独占禁止法第3条
6 大分大山町農業協同組合に対する件(PDF:96KB)
(平成21年12月10日 排除措置命令)
(1)双方出荷登録者に対し,他の事業者が運営する「元氣の駅」と称する農産物直売所に直売用農産物を出荷しないようにさせること及び(2)その手段として,双方出荷登録者に対し,元氣の駅に直売用農産物を出荷した場合には自らが運営する「木の花ガルテン」と称する農産物直売所への直売用農産物の出荷を取りやめるよう申し入れることを内容とする基本方針に基づき双方出荷登録者に対して元氣の駅に直売用農産物を出荷した場合には木の花ガルテンへの直売用農産物の出荷を取りやめるよう申し入れるとともに,木の花ガルテンの出荷登録者に対して当該基本方針を周知すること等により,木の花ガルテンの出荷登録者に対し,元氣の駅に直売用農産物を出荷しないようにさせている。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
7

士幌町農業協同組合に対する件(PDF:657KB)
(平成18年7月21日警告)

(1) 組合員が生産資材等を購入するための「畜産事業勘定(肉牛)」及び「営農貸付金」と称する短期貸付金について,士幌町農業協同組合(以下「JA士幌町」という。)から生産資材を購入する場合に限り,組合員に当該短期貸付金の融資を行うものとすること
(2) 肉用牛生産業を営む組合員に対する土地,牛舎等の生産設備の賃貸借等の契約において,当該組合員がJA士幌町以外の者から生産資材を購入し,JA士幌町以外の者を通じて肉用牛を販売した場合には,無条件で当該賃貸借等の契約を解除することができるものとすること
としており,組合員の事業活動を不当に拘束する条件を付けて,当該組合員と取引している疑い。
独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
8

京都農業協同組合に対する件(PDF:616KB)
(平成18年7月14日警告)

 米の生産及び出荷に係る共同利用施設である育苗センター,ライスセンター及びカントリーエレベーターの3施設(以下「3施設」という。)について,遅くとも平成13年以降(カントリーエレベーターについては,平成15年以降)
(1) 京都農業協同組合(以下「JA京都」という。)から生産資材を購入しない場合には各施設の利用を断ることがある旨を3施設それぞれの利用案内文書に記載して,組合員に対して周知することにより,当該組合員にJA京都から生産資材を購入するようにさせていた
(2) JA京都を通じて米を出荷しない場合には各施設の利用を断ることがある旨を3施設それぞれの利用案内文書に記載して,組合員に対して周知することにより,当該組合員にJA京都を通じて米を出荷するようにさせていた疑い。
独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
9 八代地域農業協同組合に対する件(PDF:167KB)
(平成17年3月1日警告)
 八代地域農業協同組合(以下「JAやつしろ」という。)が,自らが事業主体となって行ってきた地域農業基盤確立農業構造改善事業又は経営構造対策事業に基づく複合経営促進施設リース事業において,リース先の生産管理組合及びJAやつしろの組合員に対し
(1) 使用する肥料,農薬その他の生産資材をJAやつしろから購入すること
(2) 農産物をJAやつしろへ出荷すること
を義務付けることにより,JAやつしろの競争者の取引機会を減少させるおそれを生じさせた疑い。
独占禁止法第19条(一般指定11項〔排他条件付取引〕)
10 (株)百十四銀行ほか5名に対する件(PDF:206KB)
(平成16年7月27日勧告審決)
 香川県信用農業協同組合連合会,香川県農業協同組合等の香川県所在の金融機関6社が共同して,それまで徴収していなかった学費システムによる給食費,教材費,PTA会費等の学校諸費の口座振替に係る手数料を,幼稚園,小学校,中学校等から徴収することとし,学費システムに係る口座振替手数料を決定している。 独占禁止法第3条
11 全国農業協同組合連合会に対する件(PDF:196KB)
(平成12年2月25日警告)
 全国農業協同組合連合会(以下「全農」という。)宮城県本部において,平成11農薬年度(平成10年10月~同11年9月)における農業協同組合向け農薬販売額の拡大を図るため,他の農薬卸売業者に先んじて農薬の予約獲得のための活動を行い,主要な農業協同組合との間で,農薬取扱目標額の達成を前提に販売価格等の取引条件について合意し,一部の農薬について,総販売原価を大幅に下回る価格で予約を得て販売した事実が認められた。
 なお,その後,全農は,予約販売数量を確保しつつ,前記農薬の販売価格を引き上げた。
 全農の前記行為は,宮城県内における他の農薬卸売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑い。
独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定6項〔不当廉売〕)
12 鳥取中央農業協同組合に対する件(PDF:423KB)
(平成11年3月9日勧告審決)
 農業用生産資材を購入先販売業者から購入するに当たり,当該販売業者と組合員との取引その他当該販売業者の事業活動を不当に拘束する条件を付けて取引をしている。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
13 宮崎中央農業協同組合に対する件 (PDF:145KB)
(平成11年2月12日警告)
 農業用生産資材を取引先卸売業者から購入するに当たり,当該卸売業者と組合員等との取引について不当に拘束する条件を付けて取引先卸売業者と取引している疑い。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
14 山口県経済農業協同組合連合会に対する件(PDF:1,308KB)
(平成9年8月6日勧告審決)
 会員農協に農薬及び肥料を供給するに当たり,会員農協とこれに農薬又は肥料を供給する自己の競争者との取引を不当に拘束する条件を付けて取引している。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕)
15 農業協同組合連合会に対する件 (PDF:332KB)
(平成6年3月3日警告)
 12の農業協同組合連合会が,集荷して上場する銘柄米の入札取引に当たり,卸売業者に対し,入札価格及び入札数量を示して,その価格又は数量で入札するよう要請し、卸売業者が当該要請をおおむね受け入れざるを得ないようにしていた疑い。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定13項〔拘束条件付取引〕又は平成21年改正前の一般指定第14項〔優越的地位の濫用〕)
16

全国農業協同組合連合会に対する件(PDF:1,222KB)
(平成2年1月11日勧告)
(平成2年2月20日勧告審決)

 (1)契約先段ボール箱製造業者(「指定メーカー」という。)に対し,青果物用段ボール箱を直接,単協等に販売しないようにさせている。(2)指定メーカー以外のものが新たに青果物用段ボール箱の製造販売を開始することを妨げている 等 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定第2項〔その他の取引拒絶〕,平成21年改正前の一般指定第13項〔拘束条件付取引〕及び平成21年改正前の一般指定第14項第2号〔優越的地位の濫用〕)
17 愛知県経済農業協同組合連合会及び全国農業協同組合連合会に対する件(PDF:1,222KB)
(平成2年1月11日警告)
 愛知県経済農業協同組合連合会及び全国農業協同組合連合会が,青果物用段ボール箱の製造販売を行おうとしていた会社の設立を取りやめさせるようにしていた疑い。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定第2項〔その他の取引拒絶〕)
18 全国農業協同組合連合会に対する件 (PDF:1,222KB)
(平成2年1月11日警告)
 全国農業協同組合連合会(以下「全農」という。)は,指定メーカーに青果物用段ボール箱を製造させるに当たり,原則として当該青果物用段ボール箱の製造に要する段ボール原紙を自己から全量購入させるようにしているところ,全農からの緊急の納入要請に対応するため指定メーカーが全農から段ボール原紙を購入する時間的余裕がない等により,自ら段ボール原紙を調達して青果物用段ボール箱を製造したようなときについても,補正措置と称して事後的にこの分に相当する段ボール原紙を全農から購入させていた疑い。 独占禁止法第19条(平成21年改正前の一般指定第14項〔優越的地位の濫用〕)
その他参考事例
番号 件名 内容 関係法条
1 紀州田辺梅干協同組合及び紀州みなべ梅干協同組合に対する件 (PDF:295KB)
(平成24年6月14日警告)
 遅くとも平成20年以降,毎年7月頃に,その年に生産される特定白干梅について両組合の組合員が農家から購入すべき価格を決定することにより,特定白干梅の購入分野における競争を実質的に制限していた疑い。 独占禁止法第8条第1号(平成21年改正前の8条1項1号)
2 JA新はこだて花卉生産出荷組合に対する件 (PDF:239KB)
(平成22年7月14日 警告)
 平成15年1月ころ以降,JA新はこだて花卉生産出荷組合(以下「花卉組合」 という。)の組合員が生産する花きについて,そのすべてを新函館農業協同組合(以下「新函館農協」という)に出荷すること等を内容とする規約を定めるとともに,これに反して新函館農協以外の者に出荷した花卉組合の組合員を議決権のない準組合員に降格させるなどして,花卉組合の組合員に対し,そのすべてを新 函館農協に出荷するようにさせることにより,花卉組合の組合員の事業活動を不当に制限している疑い。 独占禁止法第8条第4号(平成21年改正前の8条1項4号)

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