ICN(International Competition Network)は、競争法執行の手続面及び実体面の収れんを促進することを目的として2001年10月に発足した各国・地域の競争当局を中心としたネットワークであり、2025年3月現在、136か国・地域から149の競争当局が参加しています(参加当局一覧については、ICNの公式ホームページ(外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます)を御覧ください。)。
このほか、国際機関や研究者、弁護士等も、非政府アドバイザー(Non-Governmental Advisors:NGA)としてICNに参加しています。
(1) ICNの組織と公正取引委員会の役割について
ICNは、主要な21当局の代表者で構成される運営委員会(Steering Group)により、その活動全体が管理されており、この運営委員会の下に、テーマごとに(1)カルテル作業部会、(2)企業結合作業部会、(3)単独行為作業部会、(4)アドボカシー作業部会及び(5)当局有効性作業部会の5つの作業部会のほか、ICNの組織及び運営等に関する作業部会が設置されています。
各作業部会においては、3年間の長期戦略プラン及び1年間のワークプランを立て、主にその計画に基づいて、各種マニュアルや報告書といった成果物の作成を行っているほか、ワークショップやウェブセミナー等を開催しています。
公正取引委員会委員長は、ICNの設立以来、運営委員会のメンバーとなっており、2007年6月から2012年9月まで、運営委員会の副議長を務めました。また、作業部会においても、公正取引委員会は、2011年5月から2014年4月までカルテル作業部会の共同議長を、2014年4月から2017年5月まで同作業部会の一般的枠組みサブグループの共同議長を務め、2017年5月から2020年5月まで企業結合作業部会で、2020年5月から2023年10月まで単独行為作業部会で共同議長を務めました。2023年10月からはアドボカシー作業部会共同議長代行を、2024年5月からは同作業部会共同議長を務めています。
ICNの概要(PDF)
(2) 運営委員会について
運営委員会は、ICNの意思決定機関であり、主要な21当局の代表者で構成されています。各作業部会からの活動報告、成果物や作業計画の承認のほか、懸案事項についての話し合いを行っています。
2022年10月25日、運営委員会は、パンデミック、戦争、気候変動といった現代の危機による世界経済の混乱や、成長とイノベーションに対するリスクの増大、並びに雇用、物価及び世界的なサプライチェーンの不安定化という状況においても、公正で開かれた競争、効果的な競争政策、積極的な競争法の執行が、各国政府における政策立案を含む、直面する経済危機に対するあらゆる取組にとっての重要な要素であって、経済危機への解決策の一部となるとの考えの下、「経済危機における競争と競争政策の役割」と題するステートメントを発表しました。
当該ステートメントでは、経済危機時における公正で開かれた競争の役割、競争政策の効果的なアドボカシーの役割、積極的な競争法の執行の役割、競争と競争政策が現在の危機による経済的な影響を解決できる方法の例について明らかにしています。
(原文はICNの公式ホームページ(外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます)を御覧ください。仮訳はこちら)。
(3) ICN年次総会について
ICN年次総会は、各作業部会の成果の報告、次年度のワークプランの策定等のために開催される会合です。ICN年次総会においては、作業部会ごとにテーマを定めた発表及び討議も行われます。
過去の開催状況は以下のとおりです。最近の年次総会について、開催地をクリックするとその概要を御覧いただけます。
年月日 | 開催地 | |
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第23回 | 2024年5月15日~17日 | ブラジル(コスタドサウイペ) |
第22回 | 2023年10月18日~20日 | バルセロナ(スペイン) |
第21回 | 2022年5月4日~6日 | ベルリン(ドイツ) |
第20回 | 2021年10月13日~15日 | バーチャル(ハンガリー・ブダペスト) |
第19回 | 2020年9月14日~17日 | バーチャル(アメリカ・ロサンゼルス) |
第18回 | 2019年5月15日~17日 | カルタヘナ(コロンビア) |
第17回 | 2018年3月21日~23日 | ニューデリー(インド) |
第16回 | 2017年5月9日~12日 | ポルト(ポルトガル) |
第15回 | 2016年4月26日~29日 | シンガポール |
第14回 | 2015年4月28日~5月1日 | シドニー(豪州) |
第13回 | 2014年4月22日~25日 | マラケシュ(モロッコ) |
第12回 | 2013年4月23日~26日 | ワルシャワ(ポーランド) |
第11回 | 2012年4月17日~20日 | リオデジャネイロ(ブラジル) |
第10回 | 2011年5月18日~20日 | ハーグ(オランダ) |
第9回 | 2010年4月27日~29日 | イスタンブール(トルコ) |
第8回 | 2009年6月3日~5日 | チューリッヒ(スイス) |
第7回 | 2008年4月14日~16日 | 京都(日本) |
第6回 | 2007年5月30日~6月1日 | モスクワ(ロシア) |
第5回 | 2006年5月3日~5日 | ケープタウン(南アフリカ) |
第4回 | 2005年6月5日~8日 | ボン(ドイツ) |
第3回 | 2004年4月21日~22日 | ソウル(韓国) |
第2回 | 2003年6月23日~25日 | メリダ(メキシコ) |
第1回 | 2002年9月28日~29日 | ナポリ(イタリア) |
(4) ICN成果物について
ICN成果物は、ICNの活動の中で作成される各種マニュアルや報告書等です。
各作業部会が作成した主なICN成果物については、各作業部会のページから御覧いただけます。