独占禁止法法的措置一覧(令和5年度)
(1) 排除措置命令
一連 番号 |
事件番号 | 件名 | 内容 | 違反法条 | 措置 |
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1 | 5(措)5 |
高知県が発注する地質調査業務の入札参加業者に対する件 | 高知県が発注する地質調査業務の入札参加業者が、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。 | 3条後段 | 令和5年9月28日 |
2 | 6(措)1 |
東邦瓦斯供給区域に所在する大口需要家が発注する都市ガスの見積り合わせ等の参加業者に対する件 |
東邦瓦斯供給区域に所在する大口需要家が発注する都市ガスの見積り合わせ等の参加業者が、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。 | 3条後段 | 令和6年3月4日 |
3 | 6(措)2 |
独立行政法人国立印刷局が発注する再生巻取用紙の入札参加業者らに対する件 | 独立行政法人国立印刷局が発注する再生巻取用紙の入札参加業者らが、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。 | 3条後段 | 令和6年3月14日 |
4 | 6(措)3 |
木工用ドリルの製造販売業者に対する件 | 木工用ドリルの製造販売業者が、共同して販売業者向け販売価格を引き上げる旨を合意していた。 | 3条後段 | 令和6年3月28日 |
(2) 確約計画の認定
一連 番号 |
事件番号 | 件名 | 内容 | 関係法条 | 認定 |
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1 | 5(認)1 |
株式会社ダイコクに対する件 | 公正取引委員会は、株式会社ダイコク(以下「ダイコク」という。)に対し、ダイコクの次の行為が独占禁止法の規定に違反する疑いがあるものとして、確約手続通知を行ったところ、ダイコクから確約計画の認定申請があり、当該計画が独占禁止法に規定する認定要件に適合すると認め、当該計画を認定した。 ○ ダイコクは、遅くとも令和2年3月頃以降、令和4年4月頃までの間、納入業者に対して、次の行為を行っていた。 ⑴ 返品 ①新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けて売れ残った商品等(以下「売れ残り商品等」という。)について当該売れ残り商品等を納入した納入業者の責めに帰すべき事由がなく、かつ、②当該売れ残り商品等の購入に当たって当該納入業者との合意により返品の条件を明確に定めることなく、かつ、③あらかじめ当該納入業者の同意を得ることなく又は当該納入業者の同意を得た場合であっても、当該売れ残り商品等の返品によって当該納入業者に通常生ずべき損失を負担することなく、かつ、④当該納入業者から当該売れ残り商品等の返品を受けたい旨の申出がないにもかかわらず、当該売れ残り商品等を返品していた。 ⑵ 従業員等の派遣の要請 ア 閉店等に際し、これらを実施する店舗等において、売れ残り商品等の返品に係る作業を行わせるため、あらかじめ納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。 イ 新規開店又は改装に際し、これらを実施する店舗において、納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品の陳列等の作業を行わせるため、あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。 | 19条(2条9項5号) | 令和5年4月6日 |
2 | 5(認)2 |
福岡有明海漁業協同組合連合会に対する件 | 公正取引委員会は、福岡有明海漁業協同組合連合会(以下「福岡有明漁連」という。)に対し、福岡有明漁連の次の行為が独占禁止法の規定に違反する疑いがあるものとして、確約手続通知を行ったところ、福岡有明漁連から確約計画の認定申請があり、当該計画が独占禁止法に規定する認定要件に適合すると認め、当該計画を認定した。 ○ 福岡有明漁連は、漁協を通じて、生産者から乾海苔の販売を受託し、当該乾海苔を、自らが実施する乾海苔の入札により指定商社に販売しているところ、次の行為を行っている。 ⑴ 漁協を通じて、生産者に対し、生産した乾海苔の全量を生産者が所属する漁協に出荷する旨の条件を定めた誓約書に記名押印させるとともに、当該誓約書に定めた条件を遵守するよう要請している。 ⑵ 漁協に対し、生産者から集荷した乾海苔の全量を自らに出荷する旨の条件を覚書として定めるとともに、当該覚書に定めた条件を遵守するよう要請している。 ⑶ 指定商社に対し、自らが実施する入札に付した乾海苔以外に、生産者が生産した乾海苔の買付けを行わない旨の条件を、自らが構成員となっている九州地区漁連乾海苔共販協議会(以下「九州共販協議会」という。)において書面により定めるとともに、書面に定めた条件を遵守するよう要請している。 ⑷ 自らが構成員となっている九州共販協議会において、自らが実施する入札に付したものの、最も高い入札価格が基準価格に満たなかった乾海苔について、当該乾海苔を生産した生産者の意向を確認することなく、当該乾海苔を処分することとしている。 |
19条(一般指定11項又は12項) | 令和5年6月27日 |
3 | 5(認)3 |
TOHOシネマズ株式会社に対する件 | 公正取引委員会は、TOHOシネマズ株式会社(以下「TOHOシネマズ」という。)に対し、TOHOシネマズの次の行為が独占禁止法の規定に違反する疑いがあるものとして、確約手続通知を行ったところ、TOHOシネマズから確約計画の認定申請があり、当該計画が独占禁止法に規定する認定要件に適合すると認め、当該計画を認定した。 ○ TOHOシネマズは、遅くとも平成28年11月頃以降、自社に映画作品を配給する配給会社に対して、次のいずれか又は複数を求めることによって、自社を他の興行会社よりも有利に取り扱うよう要請するとともに、当該要請に従わない場合には今後当該配給会社に係る映画作品の上映に応じない旨などを伝えることにより、当該配給会社に対し、当該要請に従うようにさせている。 ⑴ 配給会社が限定作品とする映画作品について、当該配給会社は ア 当該映画作品のメイン館を決定しようとする場合に行うオファーに関しては、原則として、興行会社の中でTOHOシネマズを最初のオファーの相手方とする イ 当該映画作品のメイン館を他の興行会社の運営する映画館とすることに決定しており、かつ、メイン館系映画館(当該メイン館を含み、TOHOシネマズ系映画館を除く。以下同じ。)に加えて、当該メイン館系映画館以外の映画館における上映も予定している場合に行うオファーに関しては、上映を予定している地域ごとに、当該地域に所在するメイン館系映画館を対象とするオファーの次に、TOHOシネマズに対して当該地域に所在するTOHOシネマズ系映画館を対象とするオファーを行うなどする こと。 ⑵ TOHOシネマズ系映画館がメイン館となった映画作品について、TOHOシネマズが指定した他の興行会社の運営する映画館へのオファーを見合わせるなどすること。 |
19条(一般指定12項) | 令和5年10月3日 |
4 | 6(認)1 |
株式会社IBJに対する件 | 公正取引委員会は、株式会社IBJ(以下「IBJ」という。)に対し、IBJの次の行為が独占禁止法の規定に違反する疑いがあるものとして、確約手続通知を行ったところ、IBJから確約計画の認定申請があり、当該計画が独占禁止法に規定する認定要件に適合すると認め、当該計画を認定した。 ○ IBJは、IBJ連盟の加盟事業者のうち全国結婚相談事業者連盟(以下「TMS連盟」という)、日本仲人連盟(以下「NNR」という。)又は日本成婚ネット(以下「JMN」という。)にも加盟する加盟事業者(以下「重複加盟事業者」という。)に対し、次の行為を行っている。 ⑴ア 令和3年9月頃、東海地区に所在するTMS連盟との重複加盟事業者に対し、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズの会員とのお見合い制限を行うことを示唆してTMS連盟から退会するよう要請し、TMS連盟から退会せず、また、退会する意向を示さなかった重複加盟事業者について、同年10月頃以降、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズの会員とのお見合い制限を行うことにより、TMS連盟から退会するようにさせている。 イ 令和4年2月頃、TMS連盟又はNNRとの重複加盟事業者に対し、東日本地区に所在するTMS連盟との重複加盟事業者及び西日本地区に所在するNNRとの重複加盟事業者について、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズの会員とのお見合い制限を行うことを示唆してTMS連盟及びNNRから退会するよう要請し、TMS連盟及びNNRから退会せず、また、退会する意向を示さなかった重複加盟事業者について、同年5月頃以降、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズの会員とのお見合い制限を行うことにより、TMS連盟及びNNRから退会するようにさせている。 ウ 令和4年9月頃、TMS連盟、NNR又はJMNとの重複加盟事業者に対し、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズ、サンマリエ及びZWEIの会員とのお見合い制限を行うことを示唆してTMS連盟、NNR及びJMNから退会するよう要請し、TMS連盟、NNR及びJMNから退会せず、また、退会する意向を示さなかった重複加盟事業者について、同年10月頃以降、当該重複加盟事業者が運営する結婚相談所の会員とIBJメンバーズ、サンマリエ及びZWEIの会員とのお見合い制限を行うことにより、TMS連盟、NNR及びJMNから退会するようにさせている。 ⑵ 令和4年11月頃、エリアページに自らの情報を掲載しているTMS連盟、NNR又はJMNとの重複加盟事業者に対し、エリアページに当該重複加盟事業者の情報を掲載しない方針である旨を伝え、TMS連盟、NNR及びJMNから退会せず、また、退会する意向を示さなかった重複加盟事業者について、同年12月頃以降、エリアページから当該重複加盟事業者の情報を削除することにより、TMS連盟、NNR及びJMNから退会するようにさせている。 |
19条(一般指定12項) | 令和6年1月22日 |
5 | 6(認)2 |
株式会社東京インテリア家具に対する件 | 公正取引委員会は、株式会社東京インテリア家具(以下「東京インテリア」という。)に対し、東京インテリアの次の行為が独占禁止法の規定に違反する疑いがあるものとして、確約手続通知を行ったところ、東京インテリアから確約計画の認定申請があり、当該計画が独占禁止法に規定する認定要件に適合すると認め、当該計画を認定した。 ○ 東京インテリアは、遅くとも平成28年5月頃以降、令和4年6月頃までの間、納入業者に対して、次の行為を行っていた。 ⑴ 新規開店又は改装開店に際し、これらを実施する店舗において、納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品の搬入、陳列等の作業を行わせるため、あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。 ⑵ 新規開店に際し、これを実施する店舗に関して、「オープン協賛金」等の名目で、あらかじめ負担額の算出根拠、使途等を明らかにせず、又は、当該金銭の提供が、その提供を通じて納入業者が得ることとなる直接の利益等を勘案して合理的な範囲を超えた負担となるにもかかわらず、当該納入業者から当該店舗向けに開店前に納品される商品の納入金額に5パーセントの料率を乗じて算出した額等の金銭を提供させていた。 ⑶ 令和3年2月及び令和4年3月に福島県沖で発生した地震に際し、福島県、宮城県及び岩手県に所在する店舗において当該各地震により毀損又は汚損した商品について、当該商品を値引き又は廃棄することによる自社の損失を補塡するため、納入業者が納入した当該商品の納入金額に相当する額の全部又は一部の金銭を提供させていた。 |
19条(2条9項5号) | 令和6年1月25日 |