下請法勧告一覧(令和5年度)
令和6年3月25日現在
一連番号 | 件名 | 概要 | 違反法条 | 勧告 年月日 |
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13 | ニデックテクノモータ株式会社に対する件 | ニデックテクノモータ株式会社(以下「ニデックテクノモータ」という。)は、自社が製造販売する産業用モータの部品の製造を下請事業者に委託しているところ、次回以降の具体的な発注時期を示せない状態になっていたにもかかわらず、下請事業者に対し、遅くとも令和4年5月1日以降、合計600個の金型等を、引き続き、無償で保管させるとともに金型等の現状確認等の棚卸し作業を1年間当たり2回行わせることにより、下請事業者の利益を不当に害していた。 ニデックテクノモータは、令和6年3月7日までに、前記600個の全ての金型等を回収又は廃棄している。 無償で提供させていた役務のために要した費用相当額は、下請事業者44名に対し、総額1812万4480円である。 |
第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止) | 令和6年3月25日 | |
報道発表資料 | |||||
12 |
株式会社Gioに対する件 | 株式会社Gioは、消費者等に販売する「GRL」(グレイル)と称するブランドの婦人服等の製造を下請事業者に委託しているところ、 1 下請代金の支払までの期間を短縮する代わりに「値引(1.5%)」と称して、令和4年1月から令和5年5月までの間、下請代金の額を減じていた。 2ア 製造を委託している商品の一部について、商品のサンプルが納期に遅延していたこと、商品に瑕疵があったこと等を理由として、商品を受領しているにもかかわらず、「委託取引」と称して、自己の顧客に商品を販売するまで下請代金の支払を保留することにより、支払期日の経過後なお下請代金を支払っていなかった。 イ 前記アにより下請代金の支払を保留した商品について下請代金を支払う際に、値引きとして、令和4年1月から令和5年6月までの間、下請代金の額を減じていた。 減額金額は、下請事業者14名に対し、総額8205万2292円である。 |
第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止) | 令和6年3月19日 |
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報道発表資料 |
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11 ・ 10 |
株式会社ビッグモーター及び株式会社ビーエムハナテンに対する件 | 株式会社ビッグモーター(以下「ビッグモーター」という。)及び株式会社ビーエムハナテン(以下「ビーエムハナテン」という。)は、自社が販売する又は購入者から加工を請け負う中古自動車の表面研磨加工又はコーティング加工を下請事業者に委託しているところ、
1 ビッグモーターは、下請事業者1名に対し、営業本部等の意向を踏まえた発注単価の引下げを要請し、従来単価から27.7パーセント引き下げた単価を設定した。 2 次のアからウの行為により、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させていた。 ア ビッグモーターは、下請事業者1名に対し、当該事業者が車両のクリーニング作業中に車内に水をかけたとして、当該車両の購入を要請し、約100万円で購入させていた。 イ ビッグモーターは、下請事業者2名に対し、自社で車検を受けることを要請し、車検を受けさせていた。 ウ ビッグモーター及びビーエムハナテンは、下請事業者計9名に対し、自社が損害保険代理店を務める保険会社の損害保険の契約の締結を要請し、契約を締結させていた。 3 次のアからウの行為により、下請事業者の利益を不当に害していた。 ア ビッグモーターは、下請事業者3名に対し、環境整備点検の前に、店舗の仕上げ小屋の床掃除、雑草の除去、展示車両のタイヤへのワックスがけなどを無償で行わせていた。 イ ビッグモーターは、下請事業者1名に対し、当該事業者の商圏にない店舗の開店協賛のための花輪又は生花の代金を提供させていた。 ウ ビッグモーターは、下請事業者1名に対し、従来は有償であった追加作業を、協議することなく無償で行わせていた。 |
第4条第1項第5号(買いたたきの禁止) 第4条第1項第6号(購入・利用強制の禁止) 第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止) |
令和6年3月15日 | |
報道発表資料 | |||||
9 | コストコホールセールジャパン株式会社に対する件 | コストコホールセールジャパン株式会社(以下「コストコホールセールジャパン」という。)は、消費者等に販売する食料品及びその原材料の製造を下請事業者に委託しているところ、
1 次のア及びイの行為により、下請代金の額から減じていた。 ア 令和3年11月から令和5年10月までの間、「クーポンサポート」(注1)の額を下請代金の額から差し引き又は支払わせていた。 イ 令和3年11月から令和5年6月までの間、「オープニングサポート」(注2)の額を下請代金の額から差し引き又は支払わせていた。 (注1)商品販売時におけるプロモーション(値引き販売)の原資としていたもの。 (注2)新規開店に際して行うプロモーション(試食や値引き販売)の原資としていたもの。 減額金額は、下請事業者20名に対し、総額3350万3828円である。 2 下請事業者から商品を受領した後、当該商品に係る品質検査を行っていないにもかかわらず、当該商品に瑕疵があることを理由として、令和3年11月から令和5年12月までの間、当該商品を引き取らせていた。 返品した商品の下請代金相当額は、下請事業者11名に対し、総額199万8476円である。 |
第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止) 第4条第1項第4号(返品の禁止) |
令和6年3月12日 | |
報道発表資料 | |||||
8 | 日産自動車株式会社に対する件 | 日産自動車株式会社は、自社が販売する自動車の部品等の製造を下請事業者に委託しているところ、令和3年1月から令和5年4月までの間、「割戻金」を下請代金の額から減じていた。
減額金額は、下請事業者36名に対し、総額30億2367万6843円である。 |
第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止) | 令和6年3月7日 | |
報道発表資料 | |||||
7 | サンデン株式会社に対する件 | サンデン株式会社(以下「サンデン」という。)は、自社が販売する又は製造を請け負う自動車空調システム及び自動車空調用コンプレッサーの部品若しくは附属品の製造を下請事業者に委託しているところ、遅くとも令和4年1月1日以降、サンデンが下請事業者に貸与している金型等を用いて製造する部品又は附属品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者61名に対し、合計4,220型の金型等を無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた。
サンデンは、令和4年6月から令和5年8月までの間に、前記4,220型のうち、下請事業者43名に貸与していた合計2,458型の金型等を廃棄している。 サンデンは、令和4年7月から令和5年8月までの間に、前記4,220型のうち、合計193型の金型等について、下請事業者5名に対し、見積書を徴収した上で、無償で金型等を保管させることによる費用に相当する額の一部を支払っている。 |
第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止) | 令和6年2月28日 | |
報道発表資料 | |||||
6 | ダイオーロジスティクス株式会社に対する件 |
ダイオーロジスティクス株式会社は、荷主等から請け負う貨物の運送を下請事業者に委託しているところ、下請事業者2名(以下「本件下請事業者」という。)に対し、自社が提供する貨物の運送が、本件下請事業者に委託する貨物の運送と直接関係がないにもかかわらず、令和3年1月以降、次のア及びイの要請を行うことにより、自社が提供する貨物の運送の利用を余儀なくさせた。 ア 中部支店の支店長又は輸送部の担当者が、本件下請事業者ごとに定めた目標金額を具体的に示すこと イ 中部支店の輸送部の担当者が、本件下請事業者との複数回にわたる面談において当該目標金額の達成状況を確認すること 利用させた金額は、本件下請事業者に対し、総額6995万7800円である。 |
第4条第1項第6号(購入・利用強制の禁止) |
令和6年2月21日 | |
報道発表資料 | |||||
5 | 王子ネピア株式会社に対する件 |
王子ネピア株式会社は、自社が販売するマスクの製造を本件下請事業者に委託していたところ、本件下請事業者がマスクの製造に必要な資材等を確保して納品の意思表示を行っているにもかかわらず、令和3年度分の発注の一部を取り消すことにより、本件下請事業者は、既に手配していた、 ア 資材の仕入代金 イ 資材の倉庫までの運送料 ウ 資材の倉庫保管料 エ 資材の廃棄費用 オ 人件費 を負担することとなった。 本件下請事業者が負担することとなった費用の総額は、2622万7735円超である。 |
第4条第2項第4号(不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止) |
令和6年2月15日 | |
報道発表資料 | |||||
4 | 株式会社メタルテックに対する件 |
株式会社メタルテックは、自動車製造業者等から製造を請け負う自動車部品の製造を下請事業者に委託しているところ、令和4年5月から令和5年6月までの間、「屑(くず)費」(注)を下請代金の額から減じていた。 減額金額は、下請事業者5名に対し、総額6193万7555円である。 (注)下請事業者が購入した原材料を加工する際に生じる鉄スクラップ(打ち抜き屑)について、メタルテックは、下請事業者が鉄スクラップを売却すれば得られるであろう対価の一部を、「屑費」と称して、下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引いていた。 |
第4条1項 第3号(下請代金の減額の禁止) |
令和6年1月23日 | |
報道発表資料 | |||||
3 | 株式会社伊藤軒に対する件 |
株式会社伊藤軒(以下「伊藤軒」という。)は、消費者等に販売する菓子等の製造を下請事業者に委託しているところ、 1 令和4年6月から令和5年5月までの間、次のアからオまでの額を下請代金の額から減じていた。 ア 「春夏協賛」の額 イ 「秋冬協賛」の額 ウ 「支払手数料」の額のうち下請代金を下請事業者の金融機関口座に振り込む際に、伊藤軒が実際に金融機関へ支払う振込手数料を超える額 エ 「特別値引き」の額 オ 「クレーム処理代」の額 減額金額は、下請事業者66名に対し、総額837万460円である。 2 下請事業者から商品を受領した後、当該商品に係る品質検査を行っていないにもかかわらず、当該商品に瑕疵があることを理由として、令和4年6月から令和5年5月までの間、当該商品を引き取らせていた。 返品した商品の下請代金相当額は、下請事業者50名に対し、総額66万1650円である。 |
第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止) 第4条第1項第4号(返品の禁止) |
令和5年12月22日 |
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報道発表資料 | |||||
2 | サンケン電気株式会社に対する件 | サンケン電気株式会社(以下「サンケン電気」という。)は、自社が販売する又は製造を請け負うパワー半導体製品の部品又は附属品の製造を下請事業者に委託しているところ、一部の下請事業者から長期間発注が無いこと等を理由として廃棄等の希望を伝えられていた、又はサンケン電気自身も次回以降の具体的な発注時期を示せない状態になっていたにもかかわらず、下請事業者に対し、遅くとも令和3年7月1日から令和5年10月27日までの間、合計386型の金型を、引き続き、無償で保管させるとともに金型の現状確認等の棚卸し作業を1年間当たり2回行わせることにより、下請事業者の利益を不当に害していた。 サンケン電気は、令和4年4月から令和5年5月までの間に、前記386型のうち、合計167型の金型を廃棄している。 無償で提供させていた役務のために要した費用相当額は、下請事業者16名に対し、総額1136万9160円である。 |
第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止) |
令和5年11月30日 | |
報道発表資料 | |||||
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株式会社ノジマに対する件 | 株式会社ノジマは、自社の店舗等で販売する家庭電気製品等の製造を下請事業者に委託しているところ、令和元年7月から令和4年10月までの間、次のアからカまでの額を下請代金の額から減じていた。 ア 「拡売費」の額 イ 「物流協力金」の額 ウ 「セールリベート」の額 エ 「キャッシュリベート」の額 オ 「オープンセール助成」の額 カ 「発注手数料」の額 減額金額は、下請事業者2名に対し、総額7310万9046円である。 |
第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止) | 令和5年6月29日 | |
報道発表資料 |
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